気付けば夢中で読んでいた。

『オムニ・ジェネシス』という本編の外伝にあたるSF小説です。
ですが、本編を知らなくても十二分に楽しめます。だって私も本編未読。でも、気付けば夢中で読んでいました。

地球が滅びた後の、生き残りの民たちが乗る六隻の宇宙船。当然そこには、それぞれの船長がいます。彼らを含め、登場人物たちのキャラがよく立っていて、彼らの濃い人間ドラマが展開されるのです。

SFに慣れていない人は、最初は何か難しい話をしているな、と感じるかもしれません。実をいうと私もそうでした。でも、徐々に各船長に愛着が湧いてくるあたりで、六隻の船の一つ、『ブラック・イージス』の脱退騒動が起こります。このあたりから、もうこの宇宙空間に吸い込まれちゃうがごとく、のめり込むことになりました。いや、だってね? 生きるか死ぬかの宇宙空間での、希望と絶望のジェットコースターですよ。

どうなるの、どうなっちゃうの!? 

そんな気持ちにさせられて、どっぷり、海藻ネオさんの宇宙に浸かっちゃうのです。先へ先へと導くこれらの構成力が、本当に素晴らしい。一本の映画を観た気分になりました。

SFがお好きな方も、SFに馴染みがない方にも、お薦めしたい作品です(^^)!

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