おわり

僕は彼女の日記をひとまず本棚の元の場所に戻し、押入の上の棚にしまったアルミの箱を引っ張り出した。

その箱は、小型犬くらいなら入りそうなサイズだった。


『まさか、この中に卵志郎が…?』


アルミの箱は、養生テープでグルグル巻になっているが、生ゴミような匂いが漂っている。



僕は養生テープを慎重に剥がし、

アルミのフタを開けようとした。

その時、


背後に気配を感じた。

恐る恐る振り返るとそこには栞が立っていた。


栞『ただいま。どうしたの怖い顔して。』

僕『い、いや、別に。押し入れ片付けてたんだ。』


栞が僕の手元を見て微かに笑ったように見えた。


栞『あ、それ。捨ててくるの忘れちゃった。』

僕『これなに?何が入ってるの?』






栞『友達にもらったドーナツ。』



——————————


【一文こころの声】


日記を。日記の続きを見せろ。



THE END

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彼女の日記 三葉ヒロ @h_mituba

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