第2話そして異世界へ
おぎゃあ…!おぎゃあ…!
「おめでとうございます奥様!元気な男の子ですよ!」
「ありがとう…ユリス。ほら、あなたそんなに泣かないで?」
「だって…だってよぉ…!お前が苦しんでるのに俺は何も出来なかったんだぞ!」
「もぅ…ほら、そんな事より…」
「あぁ…!この子が俺たちの息子だ!」
とある
そして月日は流れ…5年後。
「ほら!早く早く!」
「ははっ!元気だなぁアルトは」
そう、俺の名は佐藤蓮…ではなく、アルト=ウェルスに転生したのだ。
父の名はウルク=ウェルス
母の名はミレナ=ウェルス
ここは王都から馬車で半月ほどかかる辺鄙な村で主に農業がメイン。
それから家畜などを育てており俗に言うド田舎だ。
今日は家族みんなでピクニックに出かけている。
中身はもう前世(25歳)を含めるとおっさんの歳だがやはり肉体に精神が合わせているのか見るもの全てが楽しい。
小さい頃を思い出すぜ…いや、まぁ今5歳だけど。
「ふぅ…そろそろご飯にしましょ!ほら、アレン!手を出して」
そういいミレナは俺を膝の上に座らせブツブツと何かを唱える。
『天の恵みをここに表わせ…ウォーター』
そうすると俺の手の上に15cm程の水の塊がぽわんと出てきた。
そしてその中に手を入れ綺麗に洗う。
そう、この世界は魔法が存在するのだ。
神よそう言う大事なことはちゃんと言ってくれ。ワクワクしちゃうじゃないか。
そして、魔法があるって事はもちろん魔物も居る。
簡単に言えばよくある剣と魔法の世界って事だ。
手を洗い終えた俺は3人仲良く食事を始めていたが…
「さぁ、アルト!ご飯食べたら特訓だぞ!」
そう言いウルクはどこから出したのか木刀を2本用意していた。
「あ・な・た…?」
おぅ…怖。
そう、ウルクは俺が5歳になったその日から剣を教えたがっていた。
しかし、ミレナはそれを断固拒否。
理由としては…
「そんな木刀やら、剣やら危ないでしょ!アルトには魔法を教えるべきよ!」
「いーや!ミレナ、男たるもの常に強くなければならん!そして剣はかっこいい!強いとかっこいいが揃ったら最強なのだぞ!」
「出たわね!脳筋!それだから…」
さぁ!始まりました第100を超えた時から数えるのを辞めた夫婦喧嘩!
実況は私、アルトがお送りします!
…なーんて、馬鹿な事を考えながらサンドイッチを食べ進めながら2人を眺めていた。
その後2人の言い争いはどちらも引かずドローとなった。
いやぁ、凄いね。何がすごいって、さっきまで言い争ってたのに今はもう仲良し。
息子の前だってのにイチャイチャしやがって…はぁ、彼女とまでは言わないが女の子の知り合いくらいは欲しいぜ。
そんなことを思いながら俺たち家族は家に帰宅し、俺は自室に入った。
俺の自室は2階にあり、ベットが1つと本が数冊棚にあり、木刀もある。
いや、朝無かっただろ木刀。なぜある?
「ふぅ…さてと…」
俺は棚から一冊の本を取り出した。
それは『能力』についての本。
それを読み進めて分かったことは簡単にまとめるとこうだ。
能力は6歳になると神を称えている教会に向かい洗礼を受ける。その時に授けられるものだという。
まぁ、ゲームで言うジョブやら、才能みたいなものだ。
そして、魔法。
魔法は誰でも使える物らしい。
ただ、ここで能力が関わってくる。
魔法には生活魔法、攻撃魔法があるが能力が無いと生活魔法や努力次第でちょっとした攻撃魔法までしか使えない。
アニメでよく見るやつだ。
能力があると…うん。上級以上の攻撃魔法が使える様になるって話だ。
俺はまだ見たことないが。
剣も同様に能力があると色々出来るらしいが…まぁ、俺にはどちらもまだ早い。
だって5歳だもの。
っていうのは冗談で、他の主人公達みたいに幼い頃から特訓したいが、どうやら能力を授かる前に無茶するのは良くないらしい。
魔力特訓なんて、
…恐ろしいね。
「はぁ〜…早く能力授かりたいなぁ。神よ、頼みますよ〜!」
俺はあの白ひげ神様を思い浮かべながらどんな能力を授かることが出来るのかワクワクしながら…6歳を迎えたのだった。
異世界転生特典はチートが貰えるって聞いたのに「〇〇〇〇〇」って何だよ!嘘だろ神様! 青の空 @ShimonZu
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