異世界転生特典はチートが貰えるって聞いたのに「〇〇〇〇〇」って何だよ!嘘だろ神様!

青の空

第1話 モノローグ

異世界転生。

この響を聞いたら皆は何を思い浮かべるだろうか。

華々しい活躍。チート祭り。ハーレム。

大体はこんな感じだろう。

しかし、それはひと握りの人達だけである。

それは何故か、人と同じで神にも色々な人達が居る。

仕事が出来る神様、そしてできない神様…。

残念ながら俺はできない神様を引いてしまったらしい…。


「うっ…ここは…?」


俺は目覚めると白い部屋にいた。

辺りをキョロキョロ見渡して見るが1面真っ白な世界。

つい先程まで俺は仕事デスマーチをしていたはずなのにとズキズキ痛む頭を手で押えながら考えていると、どこからともなく1人の爺さんが現れた。


そしてその爺さんが俺の目の前に立ちこう言った。


佐藤蓮さとうれんお主はわしのミスで死んだのじゃ。すまんのぉ。ほれ、立てるか?」


そういいその爺さんは座り込んでいる俺に手を差し出してきた。


(何を言ってるんだこの爺さんは)


そりゃそうだろう。急に死んだとか言われても…

ってちょっと待て


「は!?ミス…死んだ!?」


俺はそういい飛び起きた。


「ふぉっふぉ」


そんな俺を見て爺さんは長い白ひげを撫でながら笑った。いや、笑いやがった。


「いやぁ…つい、な?コーヒーを飲もうとしたら間違えてお主の寿命を消してしまったんじゃよ」


そう言いてへぺろっと舌を出す爺さん。

可愛くねぇ…


「って!いやいや…なんでそうなるんだよ…つか、あんた誰だよ!!!」


突っ込むのが遅れてしまったが俺はそう叫んだ。


「わしか?そうじゃなぁ…お主らの世界ではこう言うんじゃったか。『神』と」


爺さんがそう言うと後ろに後光のような光が差し込んだ。


「か、神…?神ってあの神?」


いや、待て待て待て、話が、情報量が多すぎて脳が理解を拒否してるぞ。


「それでじゃな、代わりと言ってはなんだがお主に特別な能力スキルを…」


「ちょっと待ってくれ!5分時間をくれ!」


爺さん、いや、自称神は俺の混乱を知ってか知らずか話を進めようとしたので俺は右手をビシッと正面に向け時間を欲した。


「ふむ…良かろう。じゃあスタート!」


そういい神はいつの間にか持っていたストップウォッチを「ピッ!」っと押した。


それに若干の苛立いらだちを感じながらも俺は思考にふける。


(まず、この流れから察するに死んだのは確実だろう。じゃなきゃさっきまで居た会社から一瞬でこの変な世界?部屋?に移動した理由がつかないからだ。そして、死んだ理由はこの自称神のじいさんのせい。それでさっき言いかけてたがお詫びの特別な能力スキルこれらから導き出される事と言えばもしかして…)


そこまで俺が考えに至ると神はまるで俺の思考を読んだかのようにストップウォッチを止めた。


「お、まだ2分残っておるがどうやら答えに辿たどり着いたようじゃの。そうじゃ、お主の考えている通りこれからお主は異世界転生をする。」


「異世界…転生!!!」


やった!やったぞ!俺もラノベの主人公みたいにチートで無双ってやつが出来る!

もうあんな会社で働かなくて良いんだ!


俺はガッツポーズをしながら神を見る。


「それで!能力は俺が選べるのか!?」


「落ち着くのじゃ、佐藤蓮。残念ながら能力は転生してからじゃないと付与出来んのじゃ。」


…くっ!なるほど。

まぁ、いい。だってチート能力を貰えればこっちのもんだからな!


「分かった。じゃあ早速転生とやらをさせてくれ!」


俺は新たな世界へ胸を馳せワクワクしていた。


「ふぉっふぉ!さすがはアニメ大好き日本人話が早いのぉ。では、始めるぞ!」


そして始まる異世界転生物語。


俺はこの時に気付くべきだった。

この神。いや、このクソジジイを信じてはいけなかった事を。


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人物紹介


佐藤蓮さとうれん25歳。

父、母は昔に亡くしており一人暮らし。

どこにでもいる社畜サラリーマン。

得意な事は料理と本の早読み。

彼女いない歴=年齢の生粋の童帝。

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