とっても綺麗な世界です。そして、ひやりとした夜の手触りと、謎めいた気配がします。女が、ひそやかに、男を想っている、月夜。金木犀は花開き、月のかけらを、そっと拾い上げます。はじめから、さいごまで、心地よい言葉が流れています。おすすめですよ!ぜひ、ご一読を!
金木犀の香りと、晩秋の月。それは、いつも「あなた」を思い出させます。もう届かぬ想いが、切なく、苦しく。それは、心の静かなリズムに乗るように流れ出てくるのです。美しい言葉で描かれる、けれども切ない詩の数々です。