第37話 エル
かわいい! でも、誰!? どこからやって来たの?
「エル! まだ寝とけよ。ジャマすんな」
アインは女の子のほっぺたを両手でむにーっと引っぱった。
「だって、もうあさだもん! あさはエルのじかんだもん!」
エルと呼ばれた女の子は、アインにほっぺを引っぱられながら、真っ赤になって怒っている。
あれ? エルって、まさか。
ニカは、大きな深緑色の目をエルのほうに向けた。
エルの背中には、小さな水色の羽が生えている。
「わぁー、エリシュだ。エリシュ、また会えたねぇ」
ふふふっ、と、うれしそうにニカにほほえみかけるエル。
エルのブラウスのリボンには、銀色の鈴がついている。
「アイン、この子って――」
「お察しのとおりだ。こいつも憑りついてるんだよ。オレに」
えっ!? 魔物だけじゃなくて、天使もアインのそばにいるの?
「とりついてなんかないもん! おねぇちゃんさがしてほしいんだもん!」
エルはアインをポカポカと容赦なく小さなグーでたたき続ける。
「いてててて。分かったからもうやめろ、この小鬼め」
アインは、ふーっ、と大きなため息をついて。
「こいつの姉が、この世界のどこかにいるっていうんだ。人間に生まれ変わって」
アヌーク・ディンが……!?
シヲマネキ・キネオラマ 香秋 ちひろ @quemukosan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。シヲマネキ・キネオラマの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます