一番身近な他人との対話

芸能活動に才を見出した双子の兄弟と、そんな彼の輝かしい功績で息苦しさを感じる片割れの日常を描いた文学作品です。

この作品の特筆すべき点は、兄弟どちらの視点も描かれている事にあります。

通常こういった兄弟間の差異を描いた作品は、どちらかの視点に限定され、どちらかを潜在的な障害として描く作品が多く感じます。

しかし、この作品は片方を隅に追いやったりせず、それぞれの異なる人生と交わっていく人間関係。

双子の関係はどういった形に落ち着くのか。興味深い作品です。

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