アスファルト路を跣(はだし)で歩く



 真夜中の十二時過ぎ

 アスファルト路を歩く

 跣で歩く

 たった一人でどこまでも進む

 右手には右の

 左手には左の

 ガラスの靴をもって

 わたしは先へと進む

 ガラスの靴は

 すでにわたしの足には小さすぎる


 真夜中の十二時過ぎ

 アスファルト路を歩く

 歩き続ける

 この先に夜明けが待っているから

 獣のように自然のままだから

 足の裏は傷だらけになり

 直接踏むアスファルトは

 とても冷たかった

 だけど、進みたかった

 これまでの時間を引きつれて


 少し愉快な気持ちで

 そしてほんの少しだけ

 まだ痛む胸を気にしながら

 アスファルト路を跣で歩く

 星のない夜空を見上げて



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ソルンツェ 珠邑ミト @mitotamamura

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