第18話徐々に強くなるモンスター

 続いて五人は熊型のモンスターの群れと遭遇していた。

 Dベアだ。


 腕の振り下ろしが脅威のモンスターである。

 優子ちゃんと式町先輩が斬りつけているが、これまでのモンスターと違い皮膚が分厚いせいか中々倒せない。


「ユーコ、トーコ無理しないで」


 琴宮さんと倉木さんがDベアに魔法を放つ。

 何とか倒せたようだ。


 ”ナイス”

 ”後衛腕上げてる”


「はあはあ、しぶといわね」


「本当に……モンスターの強さが上がってきたわね」


「アマネ、トモミ、ナイス! ゆっくり休んでって言ってられないわね」


 やっと一体倒せただけだ。

 モンスターの強さが上がっている。


 群れで襲ってきているので、まだまだ戦闘は続く。

 優子ちゃんと式町先輩が前衛で奮闘している。


「トーコ、右から切り込んで!」


「分かった」


 二人の見事なコンビネーションでDベアを倒した。


 ”ナイス”

 ”前衛も良い”


「ナイス、トーコ!」


「ああ、ユーコもな」


 まだまだ余裕だと思うが、これまでよりかは苦戦している。

 本当にピンチになったら俺が助けに入るが、まだその時ではない。


 五人は多少苦戦しながらもDベアの群れを倒した。





「Dベアか。巨大な肉体だな。色々な倒し方があるが、最も再現性が高く、貴様らにも真似できそうな方法でいくとするか」


 ”全く期待してない”

 ”深層配信は?”

 ”深層の行き方忘れた?

 ”草””


「先ずはDベアに近づく。そうすると腕を振り下ろしてくる。当たれば長い爪で引き裂かれるだろうな」


 ”危ない!”

 ”やばい!”

 ”避けて!”


「そこで振り下ろしてくる腕を持って一本背負いだ。そして倒れたDベアに魔法だ。魔炎ダークファイア。どうだ? 今回も簡単だっただろう? 数々ある選択肢のうち、最も再現性のある方法を貴様らのために選んでやったぞ」


 ”再現性とは?”

 ”柔道家ですか?”

 ”意外に力持ちな魔王様”

 ”パワー系魔王様”

 ”Dボアなんか重くて投げられない”

 ”魔法使えない定期”

 ”結局最後は魔法”

 ”悩んだという他の選択肢が知りたい”


「そうか、そうか、簡単だったか。こういう再現性の高い簡単なことから始めることが大事だぞ。初めから難しいことをしても出来ずに心が折れるだけだ。ダンジョン攻略だけでなく、人生にも役立つことだぞ」


 ”全然簡単じゃない”

 ”いきなり難しいです”

 ”もう心折れてます”

 ”草”


 俺はDベアの群れを殲滅した。

 徐々にモンスターが強くなってきている。


 五人はさらに先に進むようだ。

 徐々に苦戦するようになってきたので、五人の様子を注視しないといけない。


 本当にピンチになったら、俺が助けに入る準備はいつでも出来ている。

 俺も先に進むことにする。

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最強の魔王様、勇者にフラれる~リスナーども、結局我が勇者のピンチに駆けつけてるだと?ふざけるな!勇者の無様な姿を見にきただけだ!仕方ないから我が最強だということを教えてやろう~ 新条優里 @yuri1112

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