第3話 作品を偏愛する姉
どうも。妹です。姉の偏愛について書きます。
姉は高校の昼休み、教室で昼食を済ませたら必ずどこかへ消えるらしいです。昼休みに学年集会や頭髪検査なんかがない限りは。
姉は昼休みにどこへ消えるのか?早弁してこっそり跡をつけてみました。昼食を食べ終わると姉は教室を後にし階段を降りて、昇降口の方へ歩いて行きます。どうやら下駄箱の方に向かっている様です。
ローファーを履いて外に出ました。姉の目的地は陶芸室だった様です。陶芸室のドアを開けて入って行きました。
うちの高校の陶芸室は校舎から少しだけ離れており、外からしか入ることができません。不便だと思います。
外からは陶芸室の中が見えないため、姉が何をしているのか分かりません。ドアに耳をつけても、話し声は聞こえません。陶芸室には姉1人のようです。姉は工芸を専攻して学んでいるので、陶芸の作品制作でもしているのでしょうか?
何もできずに陶芸室付近をウロウロしていたら、隣接している校舎の窓からジロジロと人に見られたので教室へ戻りました。
どうしても気になってしまったので、後日、今度は陶芸室のドアを少しだけ開けてみました。
すると姉は、部屋の奥で椅子に腰掛けながら机に置いてある何かを見て微笑んでいたのです。まるで恋人と一緒にいる時のように、頬を染めながら。高校ではほとんど表情を変えないらしい姉がです。
見てはいけないものを見てしまった気がして、ドアをすぐさま閉じました。姉は作品に夢中だったので、おそらく気がつかなかったでしょう。
陶芸部の友だちの話によると、陶芸室には姉が作った作品が置いてあるそうです。どんな作品なのかは聞き忘れました。今度姉に聞いてみようと思います。
そういえば、去年姉が作った陶芸の作品が受賞し、参考作品になったから家に持って帰れないと姉が嘆いていたことを思い出しました。
姉が昼休みの度に自分の作品に会いに行っていたとは。。。知りませんでした。それほど思い入れのある作品なのかもしれませんね。
私はそこまで作った作品に愛着を持たないタイプなので、よくわからないです。
今日はここまでで終わりにします。
さようなら。
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