第2話 ぬいぐるみに呪われた姉
どうも。妹です。今回は、クマのぬいぐるみと姉について書こうと思います。
姉と私は同じ部屋に布団を敷いて寝ています。いつか一人部屋を確保したい。。。一人部屋って憧れませんか?
まあ、それはさておき、クマのぬいぐるみの呪いについてです。
夜中の3時頃に姉が大変うなされていました。今までにないぐらい大きな寝言を「あ”ぁ”」とか「うぅ”」とか苦しそうにうめいていたのです。側から見ても超分かりやすく悪夢を見ていました。
さすがに起こそうかと思った時に姉はむくりと起き上がり、部屋を出ていきました。しばらく起きていたようで、姉がいつ布団に帰ってきたのかは分かりませんでした。
翌朝。うなされていたことについて切り出してみると。。。
「おはよう。姉、昨日めっちゃ悪夢見てたね。すごくうなされてた。」
「うん。もう全身金縛りで動けなくて大変だったよ。これは絶対にぬいぐるみの呪い」
「ぬいぐるみの呪い?」
「クマのぬいぐるみをそばに置いて寝ると、必ず悪夢を見るの。ただの思い込みかもしれないし、本当にぬいぐるみが私を恨んでいるのかもしれない。理由は不明。」
「ふーん。そうなんだ」
事の発端は昨日の夜に遡ります。
姉は寝る前に何を思ったのか、自称呪われているという人形をどこからか引っ張り出してきました。会話に出てきた、同じ部屋で寝ると必ず悪夢を見るらしいという曰く付きのクマのぬいぐるみ。姉が昔誕生日プレゼントとしてもらったものだそうです。
一緒に寝ると悪夢を見るぬいぐるみとなんか寝たくないので抗議しましたが、ぬいぐるみと絶対に一緒に寝ると言って姉は聞き入れません。
「また悪夢を見るのか実験したいの!」と一点張り。姉は変なところで頑固になるのです。私が折れるしかありません。そのまま寝ました。
姉が見た悪夢の内容は、こんな感じらしいです。
現実と同じ状況で寝ている部屋で寝ていると、突然ぬいぐるみが呪いを発動。体が動かなくなり、ぬいぐるみが発する言葉にならない怨念が頭の中を駆け巡ったそうです。
姉は金縛りに必死の抵抗しましたが、全く効果はありません。ぬいぐるみに「やめろ!」と心の中で念じたところ金縛りなどはとけ、起きられたそうです。
悪夢から目覚めた時には体が重かったらしいですが、すぐさま起き上がってクマのぬいぐるみをこっそりと父の部屋へ移動させたそうです。何故父の部屋に?とは思いましたが、とにかく怖かったんですね。同じ部屋で寝ていた私は、幸いにも私は悪夢を見ませんでした。呪われているのは姉だけみたいです。
”クマのぬいぐるみをそばに置いて寝ると悪夢を見る”と証明できた姉は満足そうに悪夢について話していました。しかし、例のクマのぬいぐるみとは、おさらばする様です。クマのぬいぐるみを白い紙に包みゴミ袋に入れている姉の姿を見ました。
その後ろ姿が少し寂しそうに見えたのは何故なのか。姉にとっては呪われていても、思い入れのあるクマのぬいぐるみだったのかもしれません。
ここらへんで終わりにしておきます。
姉についての変な話はまだあるので、また時間を見つけて書いていく予定です。
さようなら。
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