あめ玉
ブンブン丸
第1話
周りと比べてはいけないとか
自分は自分だからと言ってみたって
あなたにはなかなか受け入れられないだろう
比較することも
動揺することも
悪くはないんだ
あなたが他者とあなた自身を比べているのは
それがあなたにとっての道しるべだからで
あなたが動揺しやすいのは
あなたが他者に対して
寛容な精神を持つ者だからだ
そうした全ての結果は
「他者」ではなく「あなた」に向かっている
だから悪いことではないんだ
ただ
そればかりだと
あなたが苦しいから
あなたの友人はあなたに
それを辞めたらどうだろうと繰り返したわけだ
ところで
言われた通りにしたところで
あなたはあなたでは無くなってしまうし
ただ、生きづらくなるだけで
なんの解決にもならないからと
電話をくれたようだが、第一声が
「ちょっとムカついて」というのは少しよろしくないかな
「ごきげんよう」からはじめて欲しいとは思わないけど
「やあ、元気?」とかなんとか
まあ、仕方ないのか
なにせ、あなたは「ちょっとムカついて」いたんだ
平常心ではなかったのだから
ところで初めに
あなたの話に出て来たその友人は悪いタチの人物ではないよ
あなたに他者を気にしないようにと言ったからといって
友人が他者を気にしないで生きている人間ということにはならないんだ
むしろ心の機微によく気が付いて
あなたのことをよく気遣ってくれているんじゃないか
あなたの友人が
もし自分本位で
利己主義な人間であるならば
そもそも他人の悩み事に
意見なんて言ってはくれない
なぜかって?
あなたは「ムカついた」と言っていなかったかい?
そういうことさ
あなたはアメを舐めすぎて
胸焼けをおこしたから
ムカついているのさ
話をはじめに戻すけど
というか
面倒くさいから
もう解決策にいってみよう
あなたはあなた自身を褒めるといいよ
さあ、騙されたと思って
鏡をにむかって元気よく言うんだ!
さんっ、ハイ!
「今日もよく頑張っちゃったなあ!」
「悪いこともあったけど、良いことの方が断然多かったよね!」
「あんなことがあったし。いやぁ、今日も成長しちゃったな〜」
とか。
要は自己肯定がしっかり出来ていれば問題はないだろう
生き方を変えろとは言わないが
己という存在にもう少し自信を持ってもいいんじゃないかな
よく覚えておいて欲しい
他人には出来て
あなたには出来ないものは
確かにある
でも
あなたには出来て
他人には出来ないというものも必ずある
だからこそ
人は万能にはなれないし
万能になろうと努力することが出来る
努力は辛く苦しいばかりだが
あなたは努力の方向さえ分かれば
それを怠りはしないだろう
その「勇敢さ」こそが
あなたの才能だ
いかなる物事も
終わりが訪れぬものは無い
長い道のりに疲れた時は
例の友人を尋ねてみたらいいんじゃないかな
あめ玉 ブンブン丸 @bunbun-maru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます