第8話 ドワーフの里
山道には獣道がありここを何物かが何度も通っている名残となっている。道は小道に狭まっていき岩場を超えた先に小さく煙が立っているのをコロンが見つけた。
「あの煙見て、あの辺りがドワーフの里だよ」
「となると、この付近に居てもおかしく無いだろうから静かに動こう」
猪狩がそう言って周りを見渡すと、崖の下に光る物を見つけて指さした。
「あれは、何だ?」
「マチェットだ!」とコロンはいい崖に身を乗り出した。
「危ない、コロン!ロープで崖を降りるから待つんだ」猪狩とののかがコロンを引き止める。
木にロープを巻きつけ猪狩の体に固定し、崖を三メートル程降りて見つけたのは栗色の髪をした男性だった。
「大丈夫ですか?」
「あー助かった。崖から落ちた時に足を痛めてしまって動けなくて」
「あなたは、もしかしてルイ?」
「そうです!なんで僕の名前を?」
「コロンの友人ですよね?助けにきました」
「コロンってあのコロンが?僕を?」
「上にいます。さあ、僕が支えますので上に登りましょう」
ロープで引っ張られ崖から這う様に生還したルイをコロンはペンダントの精霊の力で痛めた足を治した。
「だいぶ痛かったでしょう」
「ああ、痛くて動けなくてこのまま死ぬかと思ったよ。コロンはすごいじゃないか、久しぶりに会えたと思ったら精霊の魔法が使えるなんて驚いた」
「まあね、街をでてから魔法学を習得していたんだ。僕にはやれる事は少ないから」
「十分立派じゃないか、コロン、助けに来てくれてありがとう、彼らはコロンの友達か?」
「彼は猪狩誠、彼女は月海ののか、ネコのピーター、みんな僕の仲間だよ」
「みなさん、本当にありがとうございます。ドワーフが街を荒らしていて街の人達はほとほと困っていて、ウォーリー兄弟が話し会いに山へ入ったんですがそうしたら帰らなくて、心配になって私も山へ入ったらドワーフの仕掛けた罠にかかって崖に落とされてしまって」
「そんな凶暴な連中に会いに行くなんて」
「いやいや、そんな悪い奴らじゃないんですよ。そりゃ畑の野菜取られたりしますけどそれでも襲ってくる様なことは今までありませんでしたし、話せばわかる連中です」
「僕もドワーフが凶暴なイメージはないな」
「罠があるかもしれないから、より気をつけ進もう」
ルイと共にドワーフの里へ向かう一向。近づくと奇妙なうめき声が聞こえてきた。
怪盗サバイバー 茉莉花-Matsurika- @nekono_nomiso_
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