疲れた
@ktren
第1話
部屋の模様替えをした。
かつて、ここで生きていた私の名残を一掃したくて。
10年以上を共にした勉強机とデスクライト。
可愛らしいシールを貼ったり、修理したり。
遠い昔に、妹から譲り受けた。
一人で暮らした、あの雪国へも持っていった。
中学・高校・大学受験の時も一緒だった。
粗大ゴミシール2枚。
回収日までベランダに置いておく。
運び出される机達を見ても、何も感じない。
私が落ちたからだろうか。
もう落ちるのは3度目だ。
私の行く先は真っ暗で、何も感じない。
思い出したように涙が溢れるが、泣いたとて、何も変わらない。
胸に渦巻く、この悲しみを誰かに告げたとて、何も起こらない。
何も変わらない。
何も感じない。
ただ、この日々が過ぎるのを待つ。
疲れた @ktren
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