鳥渡る 🐦

上月くるを

鳥渡る 🐦



鷹渡る瑠璃色ふかき天空を

南北にふたつの故郷渡り鳥


あめつちの無限大にて鳥渡る

高原の湧き水ゆたか小鳥来る


色鳥をこぼして風の立ち去りぬ

色鳥のこぼせる北のにほひかな


もず鳴きて川辺の家の灯かな

真似つ子の習性もちて懸巣鳴く


つぐみ来て森の不夜城開城す

ひよどりの縦にとまりし枝の黙


ひは渡る海から山へ北半球

旧知の名歳時記にあり尉鶲じようびたき


園庭の隅に鶺鴒せきれい二羽三羽

国道の草木ざはめき石叩き


垂直に飛び立つしぎや夕間暮れ

啄木鳥きつつきや山は欠伸をこらへをり


国境のはるか高みを鳥渡る

連鎖きる鋏くはへて鷹渡る


賢治となふ「いまこそ渡れ渡り鳥」

ちかちかと宇宙そらの白鳥ステーション





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