意外と他の事でもあるかもしれない、そう思う作品です。忘れているだけで、私たちの日常では多く起きていることなのでは。読んで考えさせられた短編でした。
たまたま訪れた画廊の展示会、主人公の私は一枚の絵に描かれた女性に恋をする。 それは画家が思い描く理想の美人像であったかもしれない、あるいは現実に存在する女性の一面を切り取った奇跡の肖像であったかもしれない。 心惹かれた女性は絵画の中にこそいる。もう一度会いたい気持ちを強くした私が、もし現実の世界で理想の女性と出会ってしまったなら……。 「コーヒー」「魂」「再会」、この3つのお題が見事に溶け合い、テーマと融合し、結晶した作品です。 タイトルを回収した上での、ラストの納得感が爽やか。ご一読を。