Side "URA"

村上紫音

『村上紫音』編

-誕生-

今では、「村上紫音」と言う名で活動をしているこの私だが、

村上紫音は、キャラクターでもあり、主の名(ニックネーム)であったり、ハコニワの主人公であったりと、ありふれた存在である。

そんな彼の誕生秘話が、彼の記憶に残っている。それでは、見ていこう...。


2021年


「この前のあいつの物語、すごかったよな。」

...誰かの声が聞こえる。

「たしかにそうだけど、やっぱりあれしか勝たんよな。」

「うんうん。」

「『三合良神実』の作品は、あまりおもろくないかも...。」

「いてぇ。なんか色々と。」

...。暴言...嫌い...。

「作品作ってる暇があるんだったら、勉強しとけ。」

「だね。」

...さん...。

絶対に、見返してやる...。

こんな世界はもう、嫌だ...!

私は、ここで生きる...たとえ二次元でも...!


――――――数カ月後 主の家――――――


「...できた...。これで3人目...。この子は...」

「『村上紫音』って名付けようかな!」

(村上紫音...か。これが私の名前になるんだね...。)

(かわいい...優しい...。)

(あの頃と違う...。)

(そうだ、お礼になんかしてあげよ!)

(でも、何をプレゼントしようかなぁ...?)

(そうだ!)

――――私は、あるじさまの記憶を管理しやすくするために、

  『ハコニワ』というものを作り上げた。

――――でも...私のあるじさまに、厨二心を植え付けてもいいのかなぁ...?

  ...まあでも、なんとかなると思う...!一か八か、今日の夜に試してみよっと!


その夜


「おやすみ!グガーッ...!」

(ねたかな?)

(よし、いこう!)

――――私は、彼のハコニワを彼の脳みそに植え付けた。パワーワードすぎる...

    けど、大丈夫...。入れたんだから、成功したはず。絶対。


――――ハコニワ内――――


「...さて、今日の夢は...?」

私は寝たあと、夢を見るのが趣味の一部だ。だけど今回は、夢でもなんでもない、変な景色が広がっていた。

「と、図書館...かなぁ...?」

見ると、そこには見慣れた姿が3人立っていた。彼らに声をかけると、

「よく来たね、あるじくん!」

「ん!?んんん!?んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!?!?」

私の作ったキャラが、そこに立っているではないか。

こんなことがあり得るのだろうか...!?

「僕、実は君に恩返しをしたくって、ここを君の頭の中に作っちゃった!」

「ええええええええええええええ!?」

「大丈夫、夢はいつでもここで見られるからね!」

「いや、情報多すぎ...。」

いきなり言われても、ステーキをいきなり出されたような気分で言葉が出なかった。

でも恩返しって、なんのために?

「きみは、僕たちを作ったんでしょ...?」

「う、うん。」

「ありがとね...あの苦しみから救ってくれて。」

「??????????????????」

待て、あの苦しみってなんだ??????

「私は、ずっと陰口に襲われてて、もうだめになりそうだったの。」

「そんな中、君はキャラクターを作るのをやめなかった。その御蔭で私が今ここで魂を持って生きられているの。」

「...そうか、そんな事があったのか...。」

「これからもよろしくね...!」

「ああ、もちろんだ。」



こうして村上紫音と『記憶のハコニワ』が主の中で誕生したのであった...。

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