英雄になりたいと、少年は叫んだ

大陸イディアーム――その中央近くに位置する真人種の国『エルライン』にて、英雄を夢見る一人の少年が冒険者協会の扉を叩いた。
憧れる理想、認められる名誉、歴史に刻む己の名。
魔物という脅威と戦う一員として、少年は始まりの一歩を踏み出した。
「英雄になりたい」その言葉を胸に抱えて。
……それから一年弱。彼は一番下の位として、その場限りの生活に食らいついていた。

これは一人の少年が英雄を目指さんとする過程を記した、小さな物語。