晴れ渡った空に吹き抜ける風の爽快感、を味わう前には土砂降りが有るのです

いわゆる中世ナーロッパ転生チートファンタジー
と言う、いかにも量産型作品のテンプレートに則った、、、
スーパーヘビーノベルです、
ええこれはライトノベルとは言い難いナニカだ

まず一人ひとりの人物にこれでもかと血肉をあたえていることが最大の特徴でしょうか
すべてのキャラクターに確固たる「自我」が見て取れる作品は
昨今お目にかかった覚えがありません
一人ひとりに生まれて、育って、紆余曲折を経て主人公と出逢っている、これまでの人生から得た人生観、価値観を保って自律した人間として描かれるのです。
その重さたるやまさにヘビー

次にヨーロッパから切っても切れないものといえば何でしょう?
そう、様々な負の歴史です、ベルサイユ宮殿の糞尿問題、奴隷制、圧政からの見せしめの虐殺
そうバッチリ描きます、思わず「オゥ」と言いたくなるヘヴィ

そんな世界のド底辺に産まれ直す主人公の前世も
現実でなんか聞いたことの有るようなジゴクの詰め合わせ(涙)
彼は決して優秀ではありません、あえて言うなら非常事態に際して頭真っ白になる系の一般人です
なのに行く先々で当然のように降りかかる理不尽と悪意、それを足掻いて足掻いて乗り越える
嫌なことが一杯あります、悲しい事もこれでもかと列んでいます

でもだからこそ各章を乗り切った先、スカッと晴れ渡った青空を感じる事が出来るのです。

まぁ、そんな爽快感の直後に凡ミスでド底辺へ帰っていくのは御愛嬌

こんな、悲しくて汚くて、だからこそ輝く世界をどうかご賞味ください

駄文、長文に失礼しました。