エピローグ
授賞式が開かれる美術館は、カメラやマイクをかまえた人でいっぱいだ。
『第四十三回 全国中学生美術コンクール 授賞式』という垂れ幕がかかった二階の大広間には、コンクールの入賞作品がずらっと飾られていた。
そこには、私と凛ちゃんの描いた絵もならんでいる。
そして、そのとなりには……『木下亜衣』というネームプレートがかかった絵があった。
熱気に湧く会場で、私は亜衣の姿を見つけた。
ためらう私の背中を、凛ちゃんがそっと押してくれる。
亜衣のもとへ、私は一歩、踏み出した。
【完結】バスは秘密の恋を乗せる 桐山なつめ @natsu_kiri
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