終幕
第20話 それからの三人
あれから二週間後。
いつものように事務として働く
事務所の扉が開き、
「やぁ、
「
あの日。
もっとも、
それでも三人それぞれに思うところ、心境の変化はあった。
まず
そして
そんな二人を
――三人で過ごす時間が増えて来たのだ。
本日
(普通の恰好の方が似合っているのに、なんで仕事着はあんななのかしら? 今日聞いてみようかしらね……ふふ)
成人男性の中に混ざる事に、最初は戸惑っていたが今では慣れた。それに、誰に咎められるわけでもないし……
(死霊達……彼らの事もいずれは知りたいわ。いつか、成仏できるように……)
いつになるかはわからない。
だが、彼らにも世話になったからこそ、新たな生を生きて欲しいとも思えるようになった。
「お待たせしました。では、時間も時間ですし食事にしましょう」
階段を降りて来た
「はい、行きましょう。
「お茶くみさせて悪いね」
他愛もない会話もするようになった二人から一瞬視線を外すと、鍵付きの分厚い手帳……いや、日記が見えた。
「おや?
「え? あ、はい……。記録とは別に……残したくなって」
「へぇ、なかなかシャレたデザインじゃないか」
少し照れ臭そうな彼女に感心し、日記を見つめる二人にリビングに行くよう促すと、
(まさか、言えるわけないじゃない……みんなと過ごした日々を忘れないようにするための、備忘録なんて……)
――この鍵付きの日記は備忘録だ。以前のような記録の側面とは違う、
死霊使いの処刑人、久道書哉の備忘録 河内三比呂 @kawacimihiro
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