第2話 預言者郭嘉

曹操グループの役員会議が開かれ、今日の議題はライバル社である袁紹グループへの対応。


曹操「袁紹め、社員が多いからって調子に乗って私をバカにして来た!懲らしめてやりたいけど皆さんどう思う?」


郭嘉は手を挙げて「はい!いいんじゃないですか?勝てますよ!余裕で!」


他の全員一同「!」

無理もない、袁紹グループはこの時期天下一の企業に成って、社員数も曹操グループの数倍はあった。


曹操「この状況でも勝てると言うのか?エビデンスを述べよ」


郭嘉「これには十の理由がある」

郭嘉はグレープジュースをストローで飲みながらかの有名な十勝十敗論を挙げた。


その後、郭嘉の予言通りに曹操グループは袁紹グループに打ち勝た


郭嘉、字名奉孝、鬼才と呼ばれ通り名の通り鬼神不測の予言を実現していた天才。

彼は曹操グループの軍師祭酒でありながら曹操の親友でもあった、二人は常に同じ車に乗って同じ席に座り、同じベッドで寝るくらい中が良かった。


郭嘉の出身は士族ではなく、貧民でした。二十一歳の時に大手企業袁紹グループに就職したけどなかなか重宝されなかった。

そして袁紹のワガママと優柔不断が嫌で郭嘉は自主退職した。


この時郭嘉は言葉にこそしなかったが最初の予言をした「袁紹グループは必ず滅ぶ」と。


そして郭嘉は自主退職して六年間にも渡るニート生活を始めた。


そんな時に曹操グループの軍師である戯志才が死去した。


悲しみに打ちひしがれた曹操を見た荀彧は新しい軍師の募集を提案した

荀彧「社長…新しい経営戦略の社員を募集かけますか?」

曹操「そうだな…アテはあるのか?」


こうして荀彧が郭嘉の所を訪ねて彼を勧誘した


荀彧「奉孝、君はずっとこのままでいたいのか?うちに来れば?ベンチャー企業だけど社長はいい人だよ。」


郭嘉「うん…文若の紹介なら袁紹グループよりかは良いかもな!行こ!」


郭嘉は筆記テストを飛ばし社長面接で曹操と経営方針を討論して曹操の好感度を勝ち取った。


郭嘉が実力を見せ始めたのは紀元197年、当時の曹操グループは宛城で張繍との競争により敗北して

袁紹はそれをネタに曹操を小馬鹿にしていた。


社内の空気が冷えきっていた時に郭嘉は出て来て士気を高めると共に十勝十敗の理論を進言した。


紀元200年、官渡にて両グループがついに対峙する事になったが自分の後方を劉備に襲われ。

一方、許昌を狙っている孫策もコソコソと襲撃する準備をしていた。


この状況を見た一部の役員はあろう事か、

こっそり袁紹グループと内通して移籍すら考えていた。


本来、この状況なら三勢力のうちのどれかに和解を申し込むのが上策とされたが郭嘉は真逆の予言をした。


曹操「おのれ劉備め、我々の注意力が袁紹に向かってる時を狙って下邳を奪うとはな!」


荀彧「江東の孫策も勢力を拡大して許昌を狙っています…ここは袁紹グループとの衝突を避けた方いいじゃありませんか?」


曹操「そうだな…」


郭嘉「いやっ!やっちゃいましょう!袁紹は優柔不断ですぐには僕らに手は出せない、サクッと劉備を締めてから袁紹との衝突に集中しましょ!」


曹操「その間に孫策に襲われたら同時に三勢力を相手にするのだぞ?許昌を失えば我々はバラバラになってしまうぞ…」


郭嘉「そうはならないです!孫策は行動が軽率で警戒心がなく、その上に無理に他勢力を合併してきたので恨みをたくさん買ってます、そのうち闇討ちにでも会って自滅するでしょう!」


事務員「社長!江東の孫策が何者かに暗殺されました!」


郭嘉「ほらね…」


予言通りに孫策が亡くなり曹操グループが劉備を締め上げ、SSRの関羽も期間限定だが活用して顔良と文醜を討ち取り、強敵袁紹グループに勝った


一方、曹操グループに負けた袁紹は息子三人を遺して二年後に病で世を去った。


曹操「よしっ!このまま袁紹グループを潰すぞ!」


郭嘉「社長、手を引きましょ!」


曹操一同「えっ!なんで?」


郭嘉「あの兄弟はそのうち必ず跡目争いで潰し合う、お互い消耗し切った後に叩けばより少ない手間で大きい戦果が挙げられる。それよりも荊州の劉表はコツコツ力を溜めてるから後々厄介になります、今のうちに牽制して起ましょ」


曹操「うん…兄弟が殺し合うのか、にわかに信じ難いけどそうなるといいがな…」


半信半疑の曹操は劉表に牽制をしつつ袁紹グループの状況を探っていた。そんなある日、袁家兄弟が殺し合う情報を耳にした曹操は躊躇わずに総力戦を仕掛けた


大黒柱の不在と内部の決裂で袁紹グループはなすすべも無く破産したが

袁紹の息子たちは一人が亡くなり、残る二人は残存勢力を率い烏桓に逃げ込んだ。


よりによってこの時、劉表の庇護下で再建した劉備もゴソゴソと不穏な動きを見せている。


ため息をつく曹操「はぁ〜あと少しでトドメを刺す事が出来たのに…」


荀彧「今は劉備の居る荊州を警戒すべきではないかと思います」


曹操「他の皆も同じ意見か?」


他一同「はい、その方がいいかと思います」


郭嘉「僕は反対ですね、荊州に劉備が居るのは事実だけどその主は未だ劉表。劉表は大した志を持ってなく目先の利益しか見ていない!つまり劉備がうちを敵に回したくても劉表が必ず止めるでしょ!」


曹操「我々が北伐しても背後から刺されない?」


郭嘉「刺されないですね!それどころか袁紹グループと仲が悪かった公孫家の協力すら獲られると思いますよ!」


曹操「よしっ行こ!預言者の予言があれば安心だ!」


遼東(現朝鮮)半島に追い詰められた袁尚と袁熙は残党を連れて公孫康の配下になるふりをしてその領地を奪おうと企んだが事が露見して失敗に終わった。


最終的に郭嘉の予言通りに公孫康が袁尚と袁熙の首を持って忠誠を誓った。



その後郭嘉も遠征でかなりの疲労が溜まり、わずか三十八歳の若さで帰還する途中で亡くなった。

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三国志人事課 O.K. @Erone

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