三国志人事課
O.K.
第1話 賈詡
曹操「文和よ、我が社で一番強い武将は誰だ?」
賈詡「私が策で殺した典韋ですね」
曹操「じゃ、我社の跡継ぎに一番相応しいのは誰だ?」
賈詡「私が策で殺した曹昂ですね」
曹操「じゃ、赤兎馬の次にいい馬は何だ?」
賈詡「私が策で殺した絶影ですね」
曹操「......」
賈詡、字名を文和、そして号は毒士。
諸葛亮の号は臥龍、龐統の号は鳳雛のように
号とはあだ名のようなもので、大体その人の特徴を現れて勝手に着いてくる物
ではなぜ毒士かと言うと
彼の策は大体残忍なものが多いからです。
曹操「文和よ、最近社内に疫病が発生していて多くの兵士が死んだ。死体の処理にも時間と人力を割かないといけない...困ったな...」
賈詡「それならば投石機でライバル社に放り込んでくださいよ!」
曹操「......」
賈詡の口癖のは
"お天道さまに顔向けできないような策でも自分を傷付けられるよりはマシ"
典型的な自分さえ良ければ他はどうでもいいような人間。
自己中心的な人間だからこそ保身のために自分を偽り、才能を隠していた。
そして数少ない天寿を全うした登場人物であった。
若い頃の賈詡は地方の役員をしていたが病気で公務員の仕事を辞めて仲間と実家へ戻った、そしてその途中ちょうど叛乱に出くわした。
捕まった賈詡は軍閥の子孫だと言って同行した仲間たちを人質にお金を取りに帰ると反乱軍に交渉した。
もちろんそれも賈詡の嘘で、一人で逃げ帰った彼は切実に後ろ盾が必要だと思った
丁度この頃董卓の会社が求人を出していて賈詡は推薦を受けて面接も合格した
こうして賈詡は無事董卓の会社に入社した
董卓の会社では賈詡は中間管理職に満足していた。
責任を取る上司と仕事を任せられる部下もいて賈詡は楽しく毎日を過ごしていたが...
ある日社内クーデターにより董卓は王允と呂布に殺された!
そして狂った王允は狂って、董卓の手下諸共殺すよう命令した
訳の分からない賈詡は訳の分からないまま巻き込まれた
でも死にたくない賈詡はそこで李傕と郭汜に目を付けて、二人に王允に抵抗するように吹き込んだ。
三人の必死の抵抗により王允は殺されて呂布は逃げて行ったが城内の百姓も数多く巻き込まれた。
この事件が終わり賈詡は李傕と郭汜から離れ、次の就職先を探しに行ったがなかなかいい職場が見つからず
最終的に張繍の元で働く事になった。
張繍も賈詡の提案に耳を貸す上、無理な命令もしない理想的な上司だった。
でもそれも長くは続かなかった。
ある日曹操が来て会社を合併しようと言ってきた、賈詡はその提案を受け入れるよう張繍に勧めた。
これには張繍もすんなり受け入れて会社の合併が上手く行くって時に事件は起きた
合同コンペで曹操の甥っ子の曹安民が酔っ払った曹操に対し客引き行為をしたからだ
曹安民「叔父さん!張済の奥さん見ました?超美人ですよ!!」
そして人妻大好きな曹操酔った勢いで亡き張済の妻鄒氏を自分の部屋に連れ込んだ!!
これには張繍はプリン並にプッチンとキレた、賈詡も舐められたと感じて、二人は曹操に痛いお仕置をしてやると意見を統一した。
その日の夜張繍は賈詡の策で典韋を酒で酔い潰して、その後物資の搬入と偽り兵士を城内に入れて曹操たちをボコボコにした。
この戦いで曹操は典韋、曹昂、曹安民、絶影を亡くした。
これが後に【ひと抜きで三賢を失う】と揶揄された出来事
ちなみに三賢とは典韋、曹昂、絶影の事である。
甥っ子の曹安民はどちらかと言うと平凡だった
から🥹
こうして曹操はパジャマのまま、死にものぐるいで逃げて行き延びたが
なんと!その後賈詡は追いかけて来て、会社に入れてくださいと頼んだ!
訳が分からないでしょ?曹操も同じ気持ち!
状況を理解できない曹操は状況を理解できないで居たが
典韋、曹昂、絶影を亡くした今は人手が足りないからと仕方なく賈詡を採用する事にした。
そして無事再就職した賈詡は責任を負うのを恐れて、いつも話をハッキリ言わずに濁していた
官渡の戦いでは賈詡は「チャンスを掴めば勝てますよ!」と提案したが
具体的に何のチャンスなのかは言わなかった
赤壁の戦いでも賈詡は「やめといた方がいいんじゃない?」と提案したが曹操がどうしても"逝きたそう"にしていたからそれ以上何も言わなかった
馬超と韓遂に攻められた時も賈詡は「離間の計を使ったらいいんじゃない?」と提案したがこれもまた具体的内容については何も言わなかった
こうして
曹操の会社に再就職した賈詡は「沈黙が金」を体現するかのように無口になり、後にヘッドハンティングされた徐庶とペアで"沈黙のサイレント"のコンビを組んだのだった。
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