身を削った、それしか知らなかった

「身体」を削って創作する男が、本編の主人公です。主人公は己の創作の為に「身」を削り、それを作品として展覧会に提出していましたが、誰にも理解されず、彼は「身」を削るばかり、そうして削っていった先に待ち構えていたのは――

どこまでも虚無感が付きまといます。読んでいる読者の私からも「どうにかできなかったのか」そればかり思います。
そして「友人」は主人公を止めることができなかった。その後悔は読者にも漂ってきます。決して他人からは見えない姿を読者は見送った。
それだけ、主人公は報われたのではないでしょうか。