肉蕎麦定食蕎麦抜きで

まちゃかり

肉蕎麦定食蕎麦抜きで

「かの有名な天才科学者アインシュタインは、朝飯に蕎麦を食べた日は頭の回転が200馬力飛んで3ワルツ刻んだと叫びながらピザの幹部を仲間にしたらしい」


「へー」


「つまり私も同じルーティンを踏めばこの迷宮入りオクラかけご飯を解決出来るかもしれないと思ってね!」


「ナルホドール3世」


「店員さ~ん、すいませ~ん! 肉蕎麦定食~蕎麦抜きで!」


「蕎麦は売り切れです」




 蕎麦屋なのに蕎麦無し……?



「まったく、蕎麦屋なのに鴨とネギしか売ってないとは実にけしからん! これも電気不足が原因か……」


「蕎麦は犠牲となったが手がかりは見つかったぞ」


「なんだと!?」


 確かに先ほどの蕎麦屋で貰った佐藤裕也のレシートに、謎のQRコードが意味深に堂々と右側でふんぞり返っている。


「これはきっとさっきの店員が伝えたかった真のメッセージが込められているに違いない! 早速読み込んでみよう!」


 カメラからQRコードを読み込み、指定されたURLへアクセス。


 そしたらいきなり変なサイトへと飛び、『当サイトの会員登録手続きが完了いたしました』という虹色のデカい文字がスマホの画面を支配したではないか。ついでに10万以上の催促もおまけで付いてくる始末。


 スマホは10万円で動かなくなった。それとは反比例して友達が元気となり、現在はマンホールに埋まってるスマホを煽り散らしている。


 私はこの惨状を作り出したアインシュタインを許さないとそう誓った。

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