エピローグ

第15話

 道標家に破門された静香は、万葉と共に地平線が見える木の上にいた。


「…………清々しい顔をしているな」

「お母様の説得には失敗してしまいましたが、ここからですので。私は、もうあきらめない。万葉もお付き合いいただけるのでしょう?」

「当たり前だ。我がたきつけたのじゃからな、必ず最後まで付き合うぞ。人生をな」

「っ、もう。いきなりそのようなことを言わないでください。驚きます」

「いつも言っているじゃろう? いきなりではないぞ」

「むぅ…………」


 唇を尖らせふてくされた静香だったが、すぐに笑みを浮かべ万葉の手を握り、顔を寄せた。


「たまには、私からも言わせてください。万葉、私と共に、生涯を歩んでいただけますか?」

「っ、――――あぁ、当たり前だ」


 二人の心が交わり、祝福するように周りを自由に飛んでいる鳥が歌を奏でる。

 太陽が煌々と輝き、二人を照らし出した。


 絡み合った手をお互い離さぬよう掴み、抱きしめ合った。

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炎は運命と共に散って 桜桃 @sakurannbo

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