私の魔法が消えるあの未来に。

映加離開。

第零章 物語は此処の道から始まる(一)

零章 物語は此処の道から始まる(一)


  正直、私はどんな者なんだろう?もし私が主人公になるアドベンチャー作品があるなら、どんな世界で、どんな冒険なんだろう?と心のどこかで思った。


  はあ。よく色々なこと考え、悩むのは高校生らしいけと、高校に入ったばっかの一年生からすると早いかもしれない。授業終わってから、私は頭を空っぽにしながらも、まだこう思った。


  授業終わった後、席の前の親友がいつも通りに話しかけてきた。彼女が話している間に、私はその時一番失礼と思う行動をとろうとした。それは、なぜか窓の外を少し覗いてみたい気持ちになった。本当はそれだけじゃない。白い雲と青空の下、黄色の木漏れ下で歩いてみたくなった気持ち、と笑ってみたくなる気持ち。心底の深いところに柔らかい光っている羽根が軽く触れられたかも、高校生になった!というワクワクな気持ちは学校始まってから以来、すぐには消えてくれなかった。


  喉から低い頷きの声を出して、視線のすみっこから窓の隅っこを覗いた。コーヒー色の木を見た訳じゃなく、運が良かったせいか、落ちた葉桜を一瞬何枚見えた。それと、色とりどりの制服やジャージが見えた。


  「個古心、聞いてる?今の話。」


  「うん。あれだよね!本当にあやねがおしゃる通り、あの人の方が酷いかも。」私はわざと怪しい喋り方をして、相槌と返事を両方選んだ。私の予測と同じく、こっちの方がより丁寧だった。


  今は放課後だから、あやねも何句喋ってからもうさようならになった。本当。綺麗な夕日なのに、彼女のその笑顔、振り向いた背中、出てきた言葉、全部嘘だなんて。いつもの感じ見れば分かる、私たちのクラスがいくら良い風紀であっても、この子が私を友達と思わなかった。


  心の中でこう思いながら、結局彼女にいつも通りのさようならを告げた。


  私もそろそろ帰ろうか。机の上のノートとペンを片付け、紙屑などのゴミも捨てて、文具は全部鞄にしまった。


  夕日が綺麗で、なぜか眩しい赤い光が地面に満ちた。そして光が異常なほど強かった。地面を見たら、これは夕日ではなく、謎の光であった!落ち着くんだ私、これは何らかの投影でしょう。現実世界の理(ことわり)を考えたら、魔法なんてたわけがない。もし世界の人々の常識を裏切って、本当にあるだとしたら、今はもうとっくに変な街の前に立っているはず。


  あまり強い光のせいか、何らかの怠けが体中に湧いてきて。思考の渦巻きの中で意識を失った。


  

  私がもう一度目を覚ましたのは、山の中のことみたいだ。


  優しい月光が暗闇を照らしてくれた。そのおかげで自分も何となく視野を広げた。先の夕日と太陽がまるでなかったように、本当に思ったとおり、別世界に行ったの?夢でしょう!こここここんななななの!!


  「君、あそこだと危ないよ!」背中から大きな声の遠吠えが聞こえて、一瞬目眩がした。もしーーもしここが本当の異世界なら、平和な世界に暮らしていた平凡な私、死んじゃうじゃないの……?危険の察知から起きた動悸と目眩が止まってくれない。今のこの瞬間、死から迫られることで、自分は生きることの大事さが初めて実感できたかも。


  目が大きく丸く開いたら、目の前は風が通った。前髪の先端に少し届いて、真っ赤な生を代表する赤い液体が見えた。


  本当に、異世界なんだ。恐怖のあまり、顔の筋肉がコントロールできず、笑う顔になった。


  「血を見ながら笑うなんて、どこの殺人鬼かい?お嬢ちゃん。」


  間違いなく言えることがたった一つ、この人は何かを勘違いしている。顔の力を少し抜いて、自分は礼儀正しく言った。


  「助けてくれたことにお礼言わせてもらう、ありがとうございます。それと自分は殺人鬼ではありません、たったの平凡な女の子です。」


  「なら、その服はどうしたんだ?随分、変わったもの着てるねえ。」


  「そうですか、自分の趣味です。あはは…。」


  その人は何も言わず、周りの確認してから。この近くは危険だから、早くお宅に戻って、寝たほうがいいよ。という警告を残してから、遠くに行っちゃった。一緒について良いですかと正直言いたかったけと、この人の正体と性格が読めない限り、とても言えないお願いだから。


  先出てきた怖い魔物も、この深そうな山も、どっちもリアリティがあんましなかった。虫と鳥の鳴き声だけ現実味がした。


  せめて周りの風景を鑑賞できるくらいの余裕あったのね私。体がまだ重くなって、クラクラして、お腹も鳴いた。そうだ!放課後からご飯食べてないよね。って思いながら、山から降りた途中、まだ意識が失ったみたい。


  ただ、意識が失う寸前。大きな手と心配しそうな顔が浮かんで、優しい音色が聞こえた。それは、心から私のことを心配してくれたの?


  

  「個古心さん、もう起き上がりましょう。」優しい声が遠くない場所から響く、敬語だけと起きなさいみたいな感じだ。


  少し見惚れてしまった。落ち着いた茶色の髪、爽やかな感じに切っていて、細長い灰色な目をしていた。でも、温度が感じる瞳だったから。あの晩のように。そうじゃなく、これより何か大事なことがあるに決まっている。


  「わ、分かりました。…いいや、そもそもここはどこですか?何で自分がここに?」


  素朴な茶色部屋だ。おそらく乾燥した木でできたでしょう、本の中でしか見たことがない。湿っぽい匂いと空気じゃなく、知らない香りが鼻の前に漂ってくる。一瞬、あの人、具体的に言うと、あの少年のことが思いついた。


  「あの。知りませんか?あなたは山の奥にいましたよね?そんな少年知らないですか?ブルー色の短髪、灰色の目、目が少しニヤッとしてます。なんか武器を持て、刀だと。あまりにも暗い中で出会ったので、月の光でこれぐらいしか分かりませんが。見たことありますか?」


  彼の灰色な目の中に、刹那にありえないという大きさに開いた。そうしたらあっという間に正常に戻り、知らないと答えた。きっとそれは葛藤でしょう。


  「それより。個古心さん。あなたはこの世界の人間ではないですよね?」


  …あ。すぐ理解してくれたんだ。でもこんな怪しい服をしていて、髪の毛が色とりどりの世界で、逆に黒髪が怪しくなったよね。


  次の瞬間、彼の人差し指と親指の間から、私の生徒カードが挟まれた。これは、沈黙な空気になるしかない。


  「大丈夫です。私も現実世界の人間ですから。灼田(あらた)と呼んでください、個古心さん。」


  「はい、よろしくお願いします、灼田さん。」


  それから、灼田さんと出会った初日。この世界の基本のことを教えてくれると約束された。


  こう言ったほうがいいような気がする。

  「異世界にいる間よろしくお願いします、灼田先生。」

  

  


  

  

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私の魔法が消えるあの未来に。 映加離開。 @eikarikai

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