第3話 文明の発展は悪なのかもしれない
結果から言うとそれは失敗だった。まあそりゃそうだという気持ちにもなった。
まず車を探すのにまた何回も夢を見た。今思えばもっとたくさんの車を置けばこの事実に気づくのも早かったのだろう。
やっとの思いで見つけてもそこで意識が途切れたりした。なんなら車を探すことを忘れていたりもした。
触るのに要した時間は1ヶ月ほどだったか。
確かに触れた。ただそれだけだった。車の扉を開けようと引くもびくともしなかった。なんならタイヤは固定されていて回りそうには到底思えなかった。
元々はただの磁石だ。それもそうだろう。最初は掛けた時間に対して得られたものがあまりにも酷で、かなり落ち込んだ。
この作戦は失敗だったのか。しかし諦めきれなかった。そこである仮説を立てた。それならば、ちゃんと動く車なら動くのではないかと。
そう思ってからの行動は早かった。家を漁った、何かないかと。おもちゃの車を使おうと思ったがジオラマの家に対して大きく、使うのをやめた。
ならば作るしかない。
そこから半月後ようやく車は完成した。寧ろ半月で小さい車を作ったことを褒めて欲しいほどだ。
はてさて今日からリベンジマッチ。どうか動く様にと願うだけだ。そして前回の反省をもとに今回は一つだけじゃなく五つ用意した。
たった五つと思うかもしれないが、半月で用意したことを忘れないで欲しい。
実はこの前の挑戦で得られるものは少ないといった思うが、改めて冷静になると大きい情報も得ていたという事実に気づいた。
それは現実を反映できる。ということだ。
現実であまり寝ていない状態で夢に入ると寝不足で体がだるかったり、食事を摂ってないいと腹が減っていたりと、一見するとマイナスな効果しかない。だが、利用できる。
例えばそう、ペンで腕に文字を書いた場合反映されるのか。反映された場合、目的がわかり、効率よく探索できるのは素晴らしいことだろう。
しかし、そのメモに気づかずに探索する。ということも有り得る。故に自分の腕を傷つける。知らない痛みがあれば必ず確認するだろう。
準備は整った。後は挑むだけだ。
この世界を救えるのは僕だけだ 舞黒Glam @mychlo
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