スカイヨット
マスヨーニ
スカイヨット プロローグ
2005年 春 東京都目黒区
4Fから見える目黒川の桜がきれいだ。天気もいい。頬に当たる春風が心地よい。都会のビル群の中でピンク色は鮮やかに映える。夏は公園の緑、秋には黄色い銀杏並木、冬は一面の雪景色。モノトーンな都会の中で、自然色は季節を知らせてくれる。夜の繁華街は鮮やかなネオンで昼間と変わらない明るさで、上空は季節を感じさせない灰色がかったピンク色だ。クリスマスや年末年始のイルミネーションは、華やかではあるが寂しさを感じさせる面を合わせ持つ。
ここは首都高ジャンクションの予定地であり、夏にはマンションから立ち退かなければならない。周りの建物は殆ど無くなり、視界が広がっている。都会の一角でいきなりビルが全部無くなるのは、こういった大規模工事がある時だけだ。そのおかげで、数百m離れた目黒川が見えるようになった。この部屋は20畳のダイニングキッチンがあり、広さの割に家賃が安かった。ミニカーを走らせたり空手の型をしたりパターゴルフをして遊んだりなど、広さを利用して遊べるのが気に入っていた。もう少し長く住めると思っていたが、5年で引っ越しする事となった。
昨日の夜は、紙飛行機をいくつか作り室内で飛ばして遊んだ。よく飛ぶごく普通のへそ型紙飛行機だ。上下を逆にして前の辺を少し上側に折り曲げ、空気を下側へ流れるようにした新しい形のも作った。全体的にゆるいV字型になるようにし、上下が安定するようにしてある。基本形は同じだが、少しずつ折り目の位置、幅、角度を変えて作ってある。少し上を向け強めに飛ばすと、部屋の端から端まで飛ぶ。それらの紙飛行機を、全部ベランダから飛ばしてみた。4Fから飛ばしているから、そこそこ遠くまで飛ぶ。滑空距離も長い。滑らかに飛んだり、大きく円を描きながら飛んだり、中には急降下、上昇、失速を繰り返し、アルファベットのJを描くような飛び方をするのもある。思っていたのと違う。何を期待していたのだろうか。距離、時間、角度、速度、何に対して納得していないのか分からない。普通に飛んだから面白くなかったか。何に閃いて紙飛行機を折ったのか。そもそもそこからかもしれない、上下を逆にしてまで飛ばそうとしたのは、何を考えていたのか。飛び方をずっと見ていた。飛ばしたのだから見ているのは、当たり前と言えば当たり前だ。でも何かを期待し、そうならなかったから違和感がある。こうじゃない。こんなんじゃない。全然違う。
1994年 冬 神奈川県川崎市高津区
夜中にコンビニへ出かけ横断歩道を渡ろうとしたら、右袖を引っ張られた。ん? 振り返ろうとしたら、目の前を自転車がすごいスピードで通り抜けた。危なかった。あのまま進んでいたらぶつかっていただろう。「ありがとう」を言おうと振り向いたら、誰もいない。白髪で茶色い服の杖をついたお婆さん。確かに後ろにいたはずだ。どこに消えたのだろう。前にも似たような事があった。埼玉県浦和市に住んでいた頃だ。夕食の帰り道、横断歩道を渡ろうと一歩踏み出そうとした時、右袖を引っ張られ、目の前を黒いバイクが横切った。危険回避にお礼を言おうとして振り返ったら、黄色い帽子を被った赤いランドセルの女の子は、消えていた。
袖が風を受けただけで、人の気配を感じたのは気のせいだったのかもしれない。
1998年 秋 東京都練馬区
ん? ピッポ ピッポ ピッポ。歩行者用信号の音で我に返った。あれは何だったのだろう。何年か前に見た3尺玉花火より大きい。3尺玉花火の高さは約600mで直径は約550mの大きさの花を咲かせる。はるかに高い所にいるのに同じ視野角だった。低い雲は500mから2kmの間に出来る。仮に倍の高さにあったとすると単純計算で直径は1.1km以上になる。ジャンボジェット機の長さが約70mだから15機分の大きさになる。低く垂れこんだ薄い雲の上に、直径が1km以上もあるとてつもなく大きくて見えない何かが浮かんでいた。雲はそれを避けてその形に添って流れていた。楕円形か卵型のような形をしているが、下側半分しか分からない。もっと上空の筋雲と青空が透けて見えていた。しばらく見とれていると次々と流れて来る雲で、形が崩れ何かは消えていった。横断歩道を渡り、周りの人に話しかけようと思ったら、皆、普通に歩いている。真上だから誰も気が付かなかったのか。今日はなんだか疲れているようで、帰る電車の中では席に座ると、すぐに寝てしまった。
その日の夜のニュースをワクワクしながら見ていたが、あれに関しては一言も触れなかった。翌日も翌々日もニュースで流れなかった。あの時、真上だから気が付かなかった人がいたとしても、数キロも離れれば上空のあの大きさの物を見逃すはずがない。絶対に全員見たはずだ。ビルの中にいた人、地下にいた人、あれのある方向を向いていなかった人を除いても、数百万人は見ていたはずだ。小学生の頃から、上空に浮かぶ不明な物には興味があった。近づいてきたら飛行船やヘリコプターだったりする。殆どがニュースや新聞、天文雑誌などで騒がれた理由が載っていた。観測用気球、規定ルート以外の戦闘機、流れ星、火球だったりする。いつのまにか上空に浮かぶ小さな点には興味が無くなった。UFO、心霊現象の番組があると、この映像はどうやって作ったのかと、クリエイター目線で考えるようになった。夏休みの宿題みたいな作品から映画並みの作品まで、製作工程を想像して楽しむようになった。UFO動画では撮影前から出てくる場所が分かっていたり、ゆっくりとビル陰に回ってもカメラを持っている人が追いかけなかったりする。ホラー動画などは、ちょこっと加工してナレーションでフロア階数、場所、人数などを偽誘導するだけで、人は簡単に騙される。カメラを振り戻しさせ、幽霊役が物陰から出て待っていたり写真を貼っただけだったりする。夜の撮影で1階の窓の外に人がいてもなんて事はないが、ここは10階ですと言われれば、人が浮いている事になる。でも今回は違う。直接見た。そもそも何を見たのか、雲を乱さずどうやって移動したか、数百万人が見たのに、噂にもニュースにもならないのはなぜだ?
2001年 春 東京都中央区
午後の予定にギリギリ間に合いそうだ。歩行者用信号がなかなか青にならず、イライラしている。信号が青に変わり急いで渡ろうとした時、右袖を引っ張られた。ん? その時小さな宅配便の車が勢いよく目の前を通り過ぎた。危なっ。お礼を言おうと振り返ったら、制服を着たOLはいない。周りはスーツを着た男が大半、女性はイベントか何かの派手なウィンドブレーカーを着ている人が数人だけ。もう一度周りを見渡すと反対側の歩行者用信号の下に、花束がいくつか置いてあった。えっ、そういう事! 霊感などは持ち合わせてないが、さすがに似たような経験が3回目になると考えてしまう。今からホームや横断歩道では一番前に立つのはやめよう。虫の知らせと言うのがある。これとは違うがあれは何なのだろう。ふと誰かを連想した時、突然その相手から電話が鳴る。予知夢やデジャブなど誰しもが経験していると思う。昔飼っていたダックスフントのパルや野良猫のチーが、数年おきに足元で寝ている事がある。寝返りしようとした時に足元に重みを感じるのだ。おっ、また来た。うれしくて消えないように、寝返りを打つのを我慢したりする。実際は何度か寝返りを打っているうちに、足に布団が絡み団子になっているのだと思う。霊感や超能力なんてものは信じない。スプーン曲げやカード当ては手品のトリックだ。信じられる超能力はオリンピック選手くらいだ。
2004年 夏 東京都目黒区
撮り溜めたビデオを長時間見て疲れた。少し横になりうつらうつらと寝ていたら、全身を押さえつけられた。手足、肩、腰、どこも動けない。これが金縛りという奴か? 脳が半分起きていて体が休んでいる時に、起こると聞いている。ベッドから手がたくさん出て手足や体を押さえつけている。空中からも肘から先だけの手がたくさん浮かんでいて、体を押さえつけている。マジか! さっき見たホラー番組のタイトルバックのイメージが強すぎで残っているのか、掌がペタペタと沢山画面に張り付いているのが現実化したようだ。面倒くさっ! 右足を思いっきり空中に蹴り上げたら、全ての手が消えた。体が軽くなりゆっくりと寝られるようになった。
2007年 秋 東京都渋谷区
昼間、コーヒーを飲みながら、ぼ~っとしていたら、壁を叩く音がする。お隣に家族が遊びに来ているらしい。トントントン。子供が壁を何回か叩きながら移動する。部屋の隅まで行ったら隣の部屋へ。そして北側の壁へ。えっ? ここは3階の角部屋だから外は空中だぞ。お隣と接しているのは東側の壁だけだ。北側、西側と周り、南側のテラスのある部屋の壁へ。どういう事だ。なぜ壁を叩く事が出来るのか。不思議だ。それ以上音はしなかった
週末に洗濯物を干そうとテラスへ出たら、小さな歯型がついたゴルフボールくらいの大きさの柿が落ちていた。カラスか、誰かが投げ入れたのか。道路からわざわざそんな事をするには無理がある。数日前の壁を叩く音を思い出した。子供が外を見ながら食べている時に落としてしまいここまで転がって来たのか。それとも座敷童か。だったらいいな。幸せになれるかも。
2020年 春
「ぐはっ!!!」突然の眩しさ、轟音、全身の皮膚や筋肉の痛み、頭痛に吐き気、口の中はざらざらしている。全身をスライスして細かく刻まれたような感覚だ。そしてそれら全てがすぐに消えた。
赤から紫に徐々に変わる色を見た。低い音から高い音へ徐々に変わる音、いろいろな楽器の音、自然の音、生活音を聞いた。いろいろなものを食べたり、匂いを嗅いだり舌ざわりを味わったりした。つるつる、ざらざら、指や手で触った。砂浜や大きな砂利、畳やフローリングを足の裏で感じた。全身の関節を伸ばしたり縮めたりした。何かを持ち上げたり、背負ったりした。走ったり幅跳びしたり飛んだり、健康診断か体力測定か、なんかそんな事をしていたような気がする。具体的に何をしていたかは覚えていない。どっと疲れた。大きくゆっくりと息を吸い込んでみた。息は上がってない。なぜ深呼吸をしようと思ったのだろう。目は開けているつもりだが真っ暗で何も聞こえない。
私は浮かんでいるのか、姿勢がよく分からない。手足を曲げたり伸ばしたり、腰を軽く曲げたりねじったりしたがどこにもぶつからない。足の裏も背中も何も感じない。立っているのか寝ているのか、私は死んでしまったのか?
パチン どこからか指を鳴らすような音がしてだんだん明るくなってきた。白い空間にいるようだ。光源は無い。一様に明るい。眩しい事もなく暗いわけでもない。明るいグレーのような白だ。だんだんと足の裏に重みを感じてきた。少しふらつくがぶよぶよとした水面に立っているような感じだ。とてつもなく大きな空間の中に浮いている。ここはどこだ。何なんだ。
「お~~~い」とりあえず叫んでみた。声の反響音はない。この空間の端すら分からない。壁も床も天井もない。目印になるものがないからこの空間の広さが分からない。壁や天井までなんとなく10mのような気もするが100mだと言えば100mの様な気もする。今、私は服を着ている事に気が付いた。叫ぶ前は裸だったような気がする。思わずポケットの中を調べると、家の鍵、財布、小銭入れ、手帳、ハンカチなど、全て揃っている。それらに気が付くと重みを感じてきた。みんなが持つようになった携帯電話やPHSはまだ持っていない。みんなが持っているなら、私は公衆電話から相手に掛ければいいと思っていたからだ。あっ、カバン! そう思った瞬間、足元に落ちているのに気が付いた。急いで中を確かめると、本、ファイル、ノート、筆記用具など、全て入っている。おかしい。さっきまで何もなかった。しかも裸だった。次々と何かが出現して来る。どういう事だ。
ここに来る前、心地よい日差しを浴びて外を歩いていた。稲光か、何かの音か、空気の振動か、何かを感じて上を見ようとしたのを覚えている。いや、上を見て驚いたような気がする。何か見たのかもしれないが、その辺から先を思い出せない。
突然、何もない理解できない場所で目覚め、しかも何もする事がない。いつここから出られるのか、ぼ~っとしていても仕方がないからカバンを持って数歩歩いた。ぶよぶよした水面は相変わらず見えないが浮いている状態には変わらない。歩いても何も変わらないので大の字なって寝てみた。ぷよぷよが気持ち良い。靴も靴下も脱いだ。後頭部、手足、背中を軽く包んでくれる。手のひらで見えない水面らしきものをぴたぴたと叩いたり摘まんだり揉んだりしてみた。さらさらしているようでもあり、ねっとりともしている。不思議な感触だ。癒される。昔、スライムのおもちゃが流行ったな。ウォータベッドの中が水銀ならこんな感じで浮くのか。リラックスしている場合じゃない。ここから脱出するにはどうしたらいいか考えなきゃ。道具も何もない。持っているのは財布や筆記用具類だけだ。何も出来ない。ここから出られなかったらどうする。私の人生はここで終わりか。死を感じた時、人は人生を走馬灯のように思い出すというが、何も思い浮かばない。ここは前向きに考えて、まだ死が近づいているのではないと考えよう。
暇つぶしに自叙伝を書くとしたらって言う体で、人生を振り返ってみた。喜怒哀楽いろいろあった。年齢別、感情別に頭の中に表を作っていく。にんまりしたり嬉しかったり悲しくて涙を流したり、何も言い返せなくて悔しくてキリキリしていたり。今、この状態を他人が見たらきっと変に思うだろう。一人でにらめっこの様に変顔したり顔を歪めたりしている。そこそこ思い出を楽しんだ後で、ふと気が付いた。おかしい。ちょっと考えるというか何かを思い出す度に映像以外に、周りの音、何かを食べた時の味、風や匂いがリアルに甦ってくる。不思議だ。リアルすぎる。こんなに鮮明に思いだせるものなのか、まるで時間を戻しその場にいるようだ。小学生時代に時間を戻したら、猛勉強して別の人生を歩んでいただろうか。いやいや無理だな。仮に戻る事が出来てもやっぱりサボり癖は治らない。勉強は嫌いだ。嫌いなものは嫌いだ。性格が変わらなきゃ似たような人生を繰り返すだけだ。別の選択肢を選んでもきっと似たり寄ったりだろう。
パンパン 手拍子が2回する音がした。横になったままそちらの方向を見ると、誰かが寝ている。立ち上がって見ると、相手も同じように立ち上がって来た。立ち上がった私がこっちを見ている。同じ服装で驚いた表情をしている。突然、人が現れたのだから当然だ。正対して軽く両手を広げた。相手も同じ動きをする。無意識に腕を組んだ。同じ動きをする。これはなんだ。自然に首が傾いた。腕の組み方では左右が違っていても気にならないが、首の傾け方は向きが逆になるから違和感がある。驚いた顔をしていたのは、相手が私と同じ顔をしていたからだ。鏡のように左右逆の映り込みではないから他人だと思っていた。試しに右手を挙げてみると、相手も右手を上げる。こちらから見て右側の左手を上げるのではなく、左側の右手を挙げている。90度の合わせ鏡のようだが境目が分からない。SF映画に出てくるような立体ホログラムなのか。触れるのか。覚悟を決めゆっくり深呼吸しながら近づきハイタッチした。掌がぶつかりパチンと音がした。目の前にいるこの人は誰だ。お互いにまじまじと相手を見ている。後ろから見たいと思ったら、相手の動きが止まった。回り込んで後ろ姿を見た。ほ~。私の後ろ姿を50cmの距離で見たのは始めてだ。そりゃそうだ。自分の蝋人形でも作らない限り見る事は出来ない。すごくリアルだ。実際にそこに私がいる。首が少し前に傾いていて服の背中に数本のしわが付いている。横に並んでみた。横に並んだ瞬間に相手も動き出した。当然同じ動きをする。5人いたらアイドルグループの様に一糸乱れず、なんて思ったら前後左右に私が並んで5人になった。前後左右に歩いたりステップを踏んだりくるくる回ったりジャンプしたり、両腕を上げたり水平にしたり、なんだか楽しくなってきた。ピラミッドの様な組体操もできるかも。いつのまにか10人以上の私の集団が現れた。無言のまま暗黙の了解があった様に、下が5人の5段のピラミッドが組みあがった。私は一番上にいる。合唱や輪唱もできるのか。また私が5人現れ円を描くように並びすでに歌っている。空手の組手、ボクシング、中国拳法や剣道などの練習もできる。目の前に拳が飛んできて顔面の5㎝手前で止まった。慌てて手を払いのけ横へずれた。これは私の負けだ。いつの間にか空手着を着ている。周りを見ると他流試合しているのもいる。それぞれ競技の道着を着ている。柔道やレスリングの関節技の組技系は、戦い方を知らないから戸惑っている。あーでもない、こーでもないと思案しているようにも見える。見渡すと私が50人以上いる。これはなんだ。どうなっている。何が起きている。しばらく見ていると、近くにいた一人が一回拍手した。全員が動きを止め、こっちを見ている。
拍手した私にそっくりな人は右手親指を胸に当て、次に人差し指をこちらに向け、少し手を引き、掌をこちらに向けゆっくりと左から右へ振った。私とあなたは違うと言っているようだ。そりゃそうだ。私にそっくりなあなたは私じゃない。だからどうした。私にそっくりな人は左手親指を胸に当て、次に右手人差し指をこちらに向け、少し手を引き左手親指と右手人差し指をくっつけた。掌を開きながら90度ずらし両手を組んで硬く握り合わせた。そして右手人差し指を上にあげ、こめかみを指さし、最後にその指をこちらに向けた。私とあなたは一緒と言っているようだが、後半の動きの意味が分からない。私にそっくりな人は、薄笑いをしたようにも見えた。
その時、ここにいる全員の体験記憶がある事に気が付いた。私を見て、見られ、ピラミッドでは下で支え肩に重みを感じ、合唱輪唱でそれぞれのパートを歌い、格闘技では撃ち防ぎ、それぞれがゼスチャーの会話を見ている。多重記憶、多重現実か。どういう事だ。一番近くでゼスチャーを見た記憶が、私の本物の記憶でいいのか。ゼスチャーを見ている二人も他の体験記憶もすべて本物のように感じる。
私そっくりな人達は、どこからか立ち込めた濃霧で色あせ薄くなり、山水画のように遠くから順に消えていき、白い空間だけになった。
ヒュ~~~ン 何かが落ちてくるような音。目の前の床あたりに幅約1mの円形、三角形、四角形が現れた。幅約3cmの黒いラインで縁取られている。トトトトトントトントン 大きなグレーの積み木みたいなのが10mくらいの高さから突然現れて床に落ち跳ね返る。見た感じは発泡スチロールのように軽そうだ。数は15個くらいだ。何かが始まるのか。しばらく見ていたが何も始まらない。ラインだけ残して積み木が消えた。落ちてくる音、床にぶつかる音、積み木が落ちては消えるのを繰り返している。
なんかうざい。いつまで続くんだ。イライラする。立ち上がって靴下と靴を履き、積み木のそばまで寄ってみる。積み木の厚さは10cm、面や辺は円形になっていたり直線だったりする。角はほとんどが直角だが、ところどころ60度ぐらいだったりする。黒かったラインが白く輝き点滅した。どういう事だ。よく見るとラインが黒くなっている時は、積み木は小さな音をから立て細かく震えている。ラインとブロックを交互に見た。ラインの形に積み木をあてはめろという事か。私は幼児か。暇だし付き合ってやるか。辺が直線じゃないのは円。直角でない角を持つのは三角。残りは四角。周辺を固めてあとは隙間の大きなギザギザを合わせていくか。つまらん。すぐに終わる。持ち上げようとしたら、勝手に全ての積み木が移動してラインの中に納まった。もぉ、今やろうと思ったのに。
右側に音と共にまた積み木が降ってきた。今度は直径5mくらいの円形のラインだ。積み木の山はさっきより増えている。
とりあえず円の周辺をあてはめていくか。適当に隙間を空けつつ並べていこう。持ち上げようとしたら積み木は浮かび円の周辺に張り付いた。考えるだけで動くなんて楽なパズルだ。これはこっち、あれはあっち、裏返したりしながらギザギザを合わせていく。内側に三角形の穴が開いている。今度は三角か。組み込んでいくと内側に四角形の穴が現れた。すべてを埋めて組み上げた積み木を少し離れた所から眺めた。丸、三角、四角、バラバラだったのが一つになっただけの形だ。つまらん。
また右側に音と共に積み木が降ってきた。5mの円形ラインが新しく描かれている。積み木の量はさっきの5倍はありそうだ。今度は積み木の厚さが約10cmから約50cmまで5種類あるようだ。
とりあえず厚さごとに分けて、さっきのように周りからそろえていくか。厚さ50cmで周りが円形の積み木を持ち上げようとしたら勝手に動き出し、厚さごとに分かれ5つの山ができた。厚さ50cmで周りが円形の積み木が円周にいくつか張り付いた。さっきの繰り返しか。面倒だな。そう思いながらこれはこっち。あれはあっちへ。いくつか組み立て始めたら、突然残りの積み木が一斉に、ふわっと浮いて次から次へと動き出し、一番薄いのが一番上に5層に重なり大きな円柱が勝手に組みあがった。同じような事、分かり切った事はしなくてもいいという事か。
また右側に音と共に積み木が降ってきた。先ほどあった1mの円形のラインがまた出て来た。少し離れた左側に四角形のラインが立ち、右側には三角形のラインが立っている。どちらも幅は約1mだ。今度はほとんどが曲線を持っている積み木だ。組み立てて表面ではないと思われる部分は大きなギザギザだ。直線や90度の角度が付いているものは少ない。
これを組み立てるのか。どんな形にだ。さっきとは違う事は分かるが、具体的にどう違うのだろうか。なんとなく周りをぐるぐる回ってみた。四角形と三角形のラインが立っている理由が分かった。3方向から見て円形、三角形、四角形に見える状態にするという事だ。円柱の片方をつぶしたような形だ。イメージが出来ればあとは簡単だ。まずは底の部分の円と一番上の両角を作り、隙間を埋めていけばいいだけだ。一番下になる円を埋め、横に上に乗せる両角とその隙間を埋めた形ができた所で、残りの積み木がまた勝手に動き出し、中間部分まで組み上げ横に作って置いた角の部分が浮かび上がりパズルを完成させてしまった。ありゃま。考えはあっていたが、自分で作ったという達成感が湧かない。なんだかなぁ。そう思ったら、3方向に組みあがった積み木とラインは、濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
ボッ 突然、低い音と供に空中に黒いピンポン玉が一個突然現れた。手を伸ばすと届きそうな距離だ。ボッ 音と供にまた空中に黒い球が横に一個現れた。そのまま見ていると、3個、4個、5個、音と供に横に並んでいく。少し離れて6個、7個と続き10個まで並んだ。黒い球の出現と同時になる音は少しずつ高くなっていくようだ。一瞬、間があって1行10個が10列並んだ。100個だ。100に並んだ面が後ろへ倒れ、10段積みあがり立方形に並んだ。1000個だ。立方形に並んだ塊が同じように横に10個、10列、10段と順に増えていきまた立方形に並んだ。100万個だ。
ボッ 右側に低い音と供に空中にまた黒い球が1個浮かんだ。横に1個増えて2個になった。2個が2列並んで4個が四角く並んだ。4個がもう一組出てきて上に重なり立方形に並んだ。8個だ。立方形に並んだ塊が横に2個、2列、2段と順に増えてまた立方形に並んだ。64個だ。立方形に並んだ塊が同じように横に2個、2列、2段と順に増えてまた立方形に並んだ。512個だ。
ボッ また右側に低い音と供に空中にまた黒い球が1個浮かんだ。横に1個増えて2個になり3個になった。3個が3列並んだ。9個だ。9個の面が3段積み上がり立方形に並んだ。27個だ。立方形に並んだ塊が横3個、3列、3段と順に増えていきまた立方形に並んだ。
分かるか~。立方形に並べるのが好きなようだ。桁数が多い数字には3桁おきにカンマを入れるのはそのためか。カバンから電卓を取り出して計算してみた。729個だ。10進法、2進法、3進法、そこまではなんとか分かった。なんだこれは。算数のテストか。数を数えるだけならいいけど、ここまでにしてくれ。これ以上進んで数式が出て来たらついていけない。そもそも数学でも化学式でも数式を理解する能力がないから、何を意味しているのかさっぱり分からない。大きい、小さい、どのくらいの差などの単純なイメージにしてほしいものだ。そう思ったら、私の周りに3方向に並んだ立方形の黒い球の塊は、濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
ポワッ 泡のような音と供に現れたのは縦の円柱で空中に浮いている。下が赤、順に、オレンジ、黄色、緑、青、そして一番上が紫のグラデーションになっている。一番下の赤の底の部分に薄い白いリングが浮いている。「わぁ」みんなで一斉に叫ぶような声と供にまた黒い球が現れた。またかっ。「わぁ」叫ぶような声と供に隣に黒い球が現れ横に増えていく。「わぁわぁ」煩いな。今度はなんだ。年末年始のカウントダウンの中にいるようだ。声と数字か。そう思った瞬間、目の前に文字が沢山並んだ。左側に算用数字の12345、アラビア数字、漢字数字の一二三四五など、右側にアルファベットのone、two、three、four、five、キリル文字、ハングル文字など、中間には、漢字の十百千万、エジプトのピラミッドに描いてあるような絵文字、見た事もないような絵や文字が並んでいる。左側は表意文字、右側は表音文字、真ん中は表語文字なのだろう。過去から現在までの世界中の数字の5だ。
世界でこんなに多くの表現がある事に驚いた。もちろん読めない。「わぁ」と聞こえていたみんなで一斉に叫ぶような声は、それぞれの文字の発音を同時に発したからだった。黒い球が6個になった時、表現も一斉に変りそれぞれの文字が同時に声を出している。黒い球が並び始めた。気が付くまで待っていたのか、今度は10進法だけの早送りバージョンだ。立方形に並ぶと小さい球の塊になり、横、縦、段と順に増えていき、立方形になる動きを繰り返す。永遠に繰り返すかと思った時、何か変化が起きている事に気が付いた。何かが違う。球か円柱の色か、なんだろう。気になりしばらく見ていると、白いリングがさっきより少し上に浮かんでいる。単位が大きくなれば上に上がるという事か。なるほど数字をイメージに直すとこういう事になるのか。でもまだ底から少し浮いただけだ。一番上の紫は相当な桁数の数字になるだろう。それこそ宇宙サイズ、天文学的数字か。そんなに大きな数字を使う時があるのだろうか。
大きな数字を扱える事は分かったけど小さな数字を表す時はどうするんだ? と思ったら、グラデーションの円柱が上下反転した。今度は赤が一番上になっており、白いリングが一番上に浮いている。なるほど! どこまでの小さな桁数が表せるのか知らないが、先ほどの白いリング上がり方を考えると素粒子レベルの先まで表せるという事だ。きっと指数的な桁上がりがないと白いリングの動きは目立たないのだろう。
重さは? いや質量か。重力の強さで重さは変わるけど質量は変わらないんだっけ。違いがいまいちはっきり分からない。いつの間にかグラデーション円柱は、竹を割ったような半円柱になっている。一番下の赤に薄い白い円盤を刺したような状態になっている。単位の目安は分からないが相当な大小の質量を表せる事は理解できたと思う。
それなら時間は? 今度はグラデーション円柱が横になった。さっきとは違う。両端が紫で真ん中が赤だ。白いリングはちょうど真ん中の赤の所にある。このグラデーション円柱のメモリスケールから見れば、永遠の時間と思える数億年でも、そんなに大きく動かないのかも。でもこの大きさ、質量、時間スケールはいつ使うのだろう。
黒い球の塊、数字を表す文字、グラデーション円柱は濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
さっき、声と一緒に世界中の数字の表記が出ていた時、気になる文字が左の片隅に見えていた。どこの文字だか知らないが、数字が増えると縦に伸びていく表記だ。細かく変わるのだが、上に伸びる分にはゆっくりだから気になったのか。縦書きでも下に伸びていかないから気になったのか。数字、ギリシャ文字も桁が増えると新しい文字が増える。その見えていた文字は桁上がりのタイミングがずれていたから気になったのかもしれない。
ボッ 突然、低い音と供に空中に黒いピンポン玉が一個、縦線が2本現れた。ボッ 音と供にまた空中に黒い球が縦に並んで2個現れた。さっきと違う。黒いピンポン玉、縦線2本は少し下に下がって、その上にピンポン玉が2個。縦線だと思っていた一つは数字の1だった。数字の1の上に2。縦線の上にスラッシュのように傾いた線。2の表記が少し下がって3の表記が現れた。帯のように上に表示が増えていく。3は横線 4は逆スラッシュ 5は縦線が2本11のように並んだ。横に円の下半分、アルファベットのUのようなものが表示されている。これが5という事か。6はUに縦線が重なった。黒いピンポン玉は縦に5個並び1個が右下横に並んでいる。7はUにスラッシュが重なった。8はUに横線が重なった。9はUに逆スラッシュが重なった。10は円の上半分、アルファベットのUを上下逆にしたような形が表示された。11は逆Uに縦線が重なった、黒いピンポン玉は縦に5個が2列並び1個が右下横に並んでいる。1つずつ数字が増えていき14までは6から9までと同じように、逆Uに傾きに意味のある線が重なった。15は二重線のUと丸が表示された。16は丸の中に縦線が入っている。黒いピンポン玉は縦に5個3列並び1個が左端下の角手前に並んでいる。16から29までは丸の中に1から14まで図形が入っている。黒いピンポン玉の増え方も同じだ。30は二重丸と横に十字の上に縦線がある。黒いピンポン玉は縦5個横3列前後2段に並んでいる。30段に垂れ下がった帯はかなり長くなった。31は縦に縦線2本が並んでいる。黒いピンポン玉は30個の塊から少し離れて上に1個並んだ。32は縦線の下にスラッシュだ。ずっと見ていると、31から59まで縦線の下は1から29までの繰り返しだ。黒いピンポン玉の並び方も同じように並んで増えている。60は十字の上にスラッシュで黒いピンポン玉は30個ずつの塊が縦に2つ並んでいる。90は十字の上に横線。十字は0を表しているようだ。たぶん30進法だ。試しに899まで待ってみた。驚いた事に870まで一気に早送りのように表示され、870からさっきまでの表示スピードに戻った。帯はかなり長く伸び数十メートル垂れ下がっている。899は丸の中に逆Uと逆スラッシュが重なっている図形が縦に2つ並んでいる。900は縦に並んでいた図形がそれぞれ十字になり上に縦線が新しく表れた。黒いピンポン玉の30個ずつの塊は縦5個横3前後2段に並んでいる。やっぱり30進法だ。3桁になった。この文化は数字を上へ伸ばしていくようだ。黒いピンポン玉の並び方は数えやすくする意味ではなく、30進法の考え方を表していたのだ。そういえば2本の縦線、二重線のU、二重丸は1回しか出てこなかった。数字や記号の並んだ帯が上昇し、一番下にあったスタートの1の所が目の高さに戻った。900までの表示がそのまま残り塔のように立っている。やっぱり5、15、30の時だけだ。2本の縦線は二重線と考えれば、二重の表現の時に共通の意味があるのだろうか。30は小さい方からの3つの素数、2、3、5を掛け合わせた数字だ。丸と二重丸、Uと逆Uと二重線のU、4種類の傾きのある線と二重線は、それぞれの素数と同じ数になる。二重線は小さな繰り上げを表す表現ともいえる。それぞれのくくりの中の一番小さい表示を、二重で表示しているという事なのだろう。
他にももう一つ気になる上に伸びていく表記がある。数字の表示の仕方は違うのだが、上へ増えていくタイミングが今見ていた数字と同じだったような気がする。
ボッ 体の右側に低い音と供に空中にまた黒いピンポン玉が1個、数字の1、スラッシュが並んで表示されている。さっきと同じように1段下がり、元の場所に、縦に黒いピンポン玉が2個、数字の2、逆スラッシュが表示された。また一段下がり、黒いピンポン玉3個がL字型に並び、数字の3、スラッシュと中心より左側に縦線が重なって表示された。一段下がり、黒いピンポン玉4個が四角形型に並び、数字の4、逆スラッシュと中心より左側に縦線が重なって表示された。一段下がり、黒いピンポン玉が5個になり四角形型の横に1個追加され、数字の5、スラッシュと中心より右側に縦線が重なって表示された。一段下がり、黒いピンポン玉6個が縦2横3に並び、数字の6、逆スラッシュと中心より右側に縦線が重なって表示された。1段下がり、黒いピンポン玉が7個になり縦2横3に水平に並んだ上、左手前の上に1つ重なって乗っている、真ん中に数字の7、スラッシュに重なるように右上に逆スラッシュが付いている。1の表記に逆スラッシュが増えたようだ。7から12までは1から6の繰り返しに逆スラッシュが追加されたようだ。13から18までは右上の逆スラッシュが右下のスラッシュに移動している。19から24までは左下に逆スラッシュに移動した。25から30までは左上にスラッシュに移動した。30は6の表記の左上にスラッシュを重ねているが、その横に大きな横線とその上に1の表記であるスラッシュが表示されている。黒いピンポン玉は縦に2個、横に3列、それが5段になっている。30個の塊だ。31になった時、1の表記であるスラッシュが、上下に2つ表示された。大きな横線は0を表すようだ。31から899、そして900へと表示が一気に流れた。黒いピンポン玉30個の塊が縦に2個、横に3列、それが5段になっている。900個ある。横にはスラッシュと2本の横線が縦に並んで表示されている。こちらも表示方法が異なるが30進法だ。
縦横斜め線が複雑にからんだ表記が難しい。早送りのような表示で分かったが、線の場所が決まっているようだ。スラッシュと逆スラッシュ、縦線は左右に2か所、斜め線は角に4か所だ。0を意味する単独表記の横線。
縦2個横3列上下5段の黒いピンポン玉の塊が動き始めた。縦2個上下5段になった面をこちらに向け左右に分かれ元に戻った。回転し横3列上下5段の面をこちらに向け左、中、右と3列に分かれ元に戻った。縦2個横3列の角をこちらに向け上下5段に分かれ元に戻った。上3段が少し離れ下2段だけ、上1段だけが少し離れて下4段だけで、縦2個や横3個の面をこちらに向けて同じ動きをしている。30の塊が一つ増えて30の塊2つが同じような動きをしている。上下2段ずつに分かれた60個の動きが加わった。次に30の塊が上に少し隙間を空けて永遠と思える高さまで積みあがった。塊の隙間の手前には縦横斜めの記号が浮いている。今度は動きがなく所どころ光っている。光っている場所は、一番下は左奥、手前中央と手前右端。2~4段目は手前の両角。5段目は手前の右端、少し離れた次の塊の6段目は左端、7段目から上の段は手前の両端、左端、右端が順不同で光っている。しばらく見ていると上に積みあがった30の塊はすべて消え30の塊がひとつだけになった。回転と分裂の動きがまた始まった。その一連の動作を何度か繰り返している。
動きや光っている意味が分からない。縦2個横3列上下5段の塊になっているのだから、15個、10個、6個に分けることが出来る。素数2,3,5の掛け算だという事も分かっている。
黒いピンポン玉の塊、縦2個横3列上下5段の辺の部分に当たる場所に、縦線横線斜め線が現れた。2個の辺には手前側にスラッシュ、奥側に逆スラッシュ、3列の辺には左から順に無、左寄りの縦線、右寄りの縦線、5段の辺には下から順に無、右上に逆スラッシュ、右下にスラッシュ、左下に逆スラッシュ、左上にスラッシュが表示された。縦横高さの記号が内部に入り立体的に組合さり30種類の数字が表記された。
縦横斜め線で表現された数字の意味が分かった。スラッシュは1,逆スラッシュは2、縦線の左は2,右は4,斜め線は右上角から右回りに6、12、18、24を意味している。数字は多くて3画で、記号の足し算で数字の意味を表していた。スラッシュは奇数、逆スラッシュは偶数、逆スラッシュと右縦線の組み合わせは6の倍数、スラッシュと左縦線の組み合わせは残りの3の倍数だ。でも4と5の倍数の表記はない。10進法だと5の倍数は1桁目が0か5で分かりやすいが、こちらの表記では分かりにくい。もっとも10進法では、1桁目だけで倍数を判断できるのは2と5だけだ。しかも2の倍数は5個もパターンがある。こちらの数字では、時計計算の12、24、60は計算しやすいかもしれない。そうか。さっきの妙な動きは30だけでなく12、24、60の約数も動きで表していたんだ。
最後の光の意味はなんだろう。一連の動作をしている時に高く積みあがり所どころ光っている時に、もう少し見ていたいと思ったら動きが止まった。
まだパッと見て何の数字か分からないから、縦横斜め線で現れた記号を足して光っている場所の数字を書き出してみた。一番下の塊は2、3、5、7、9、11、13、17、19、23、29だ。もしかして素数か。試しに上の塊も算出してみた。上の塊は、1、7、11、13、17、23、29だ。それぞれに30足してみた。やっぱり素数だ。飛び飛びではあるが素数は手前の両角にしか現れない。こちらの数字表記は約数や素数が分かり易いのかもしれない。線を引きながら数える時、漢字文化では正の文字を使い、欧米では縦線4本と5番目の斜め線で束め、英語を使わない地域では四角形の4辺と5番目の斜め線で束ねる。想像であるが線を引きながら数える時、最初の30進法を使うこの文化では、5を基準として+とXを重ねた4本線と、次の5はU、逆U、〇を使い分けて束ね15まで数える。2番目の30進法を使う文化では、6を基準としてXと縦線3本を重ねた5本線に、次の6は斜め線を4か所の角で使い分けて束ね5回目の6は大きな斜め線で束ね30まで数えたのではなかろうか。
10進法が生まれた理由は、人間の指の数からだと考えられている。指を全部広げたら10本。1から9までの数字と0である。
30進法の文化を持つ生物は指が30本あるのだろうか。片手に15本ずつ、カニのハサミが左右で大きさが違う種類があるように11本と19本、13本と17本とか。黒いピンポン玉を縦5個横3列前後2段に並べて説明した数字文化を持つ生物は、小さな繰り上げがあるから同心円状に指が中心から5本、3本、2本とあるのかもしれない。その場合はタコやイカのように真ん中に口や目を付けたくなる。2本の腕の先が3つに分かれそれぞれに指が5本、それとも太さの違う腕が3本あってそれぞれに5本、3本、2本の指、利き腕があるように細かい作業用の細い腕の細い5本指、物をつかむ用の太い腕の太い2本指とか。腕が3本なら左右と前なのか上下に3本なのか。沢山の組み合わせが考えられるからどんな姿をしているのか気になる。もう1つの黒いピンポン玉を縦2個横3列上下5段に並べて説明した数字文化を使う生物は、昆虫の手足の様に3対の手を持ちそれぞれ5本の指を持つのだろうか。手は左右と前、上下に対になっているとか。どんな形なのか想像だけなら切りがない。
仮に腕が3本なら性も3種類。図形にするなら、丸に棒をつけた先に2本の線を付けて矢印のオス、3本の線で十字のメス、4本の線でエックス。オス、メス、エクスがいて2種類の性の親からもう一つの性の子が生まれるとか。好き嫌いな食べ物があるように、毒性の食物連鎖から3種の性により食べられる物が違うとか。性の遺伝情報は同時に3種類では不安定で成り立たず、2種類なら安定しもう一つの性が生まれるとか。
読み方はどうなんだろう。さっきから聞こえている風が吹くような水の流れるような火が燃えるような擬音化した音。これって数を発音しているのか。九九を覚えるのも大変だ。10進法だと81個で済む。インドでは19の掛け合わせだから361。30進法だと29の掛け合わせだから841。そんなに覚えられない。この文化の小学校に入学したら卒業するには苦労しそうだ。風呂場で肩まで浸かって「九九が言い終わるまで出ちゃだめよ」なんて親に言われたら毎日のぼせてしまいそうだ。考えてみれば世の中にはコンピュータの2進法、時間では1000、60、24、7、30、12、365があり、ミリ秒から年までの進法、単位、くくりがごちゃ混ぜだ。時間が12進法なのは、2、3、4で割り切れる一番小さい数字でありその倍数も使い、1週間が7日なのは月の満ち欠けの周期である28日を4等分したと考えられている。30進法だと4で割り切れないのが気になるところだ。パスワードは数字とアルファベットで36進法だ。大文字小文字を区別させると62進法だ。人類は10進法ではなく5進法でもよかったのかもしれない。指を閉じた時のグーを0、開いた状態のパーを5、左手を2桁目、右手を1桁目とすれば、左手の指の数に5を掛け右手の指の数を足せば30まで数えられる。右手の5は左手の繰り上げの1と右手0の表現のイチゼロと同じ意味になり無駄な動きとも言える。5本指だから効率よく6進法でも良い。同じように左手の指の数に6を掛けるだけで35まで数えられる。素数は1桁目が1か5の時にしか出てこなくなり数字の扱いや考え方が全く違ってくるかもしれない。この30進法を使う文化の文字はどんな表現なのだろう。くさび型文字、ひらがなやアルファベットのように音と一対一の文字。漢字や壁画のような象形文字。ピクトグラム、アイコン、絵文字。30進法を使うのだから高度文明の文字は洗練されているのだろうか。文法は単純で分かりやすくになっているのだろうか。
ヒュ~ チョロチョロ ボワ~ 風の吹くような音、水の流れるような音、何かが燃える火のような音が同時に聞こえた。正面からは水の流れる低い小さな音から高い大きな音までの4段階が順に繰り返し聞こえる。四角形の半分の枠、デジタル表示のCを寝かせたような形、短辺の長さが長辺の半分で表示されている。4段階の音の大きさに連動して、図形の開いた部分が上右下左に回転し右横に増えていき4つ並んだ。音が鳴る時は対応する文字が明るく光る。音が聞こえない時は何も起こらない。文字が光る時、音の大きさに比例して湿気の強さも感じる。湿気はどこで感じているのか分からない。指先でもなく体全体で感じているわけでない。塩味も感じるし獣の匂いもする。湿気と同じように音の大きさと比例して味や匂いの強弱を感じる。
左側からは風の吹く音が低い小さな音から高い大きな音までの4段階が順に繰り返し聞こえる。縦線の上の左側に返しのついた黒い線が表示されている。4段階の音の大きさに連動して、これも返しのある向きが上右下左に回転し右横に増えていき4つ並んだ。音の大きさに比例して冷気の強さも感じる。こちらからは甘い味がするし花の匂いもする。
右からは燃える火の音が低い小さな音から高い大きな音までの4段階が順に繰り返し聞こえる。四角形の一辺がない枠の図形が表示されている。4段階の音の大きさに連動して図形の開いている向きが上右下左に回転し右横に増えていき4つ並んだ。音の大きさに比例して熱気の強さも感じる。今度は辛い味がして酸っぱい匂いを感じる。
文字に読み方があるように感覚。味覚、嗅覚があり五感を伝えているようだ。他の感覚器官、未知の第6、7の感覚にも対応しているのだろうか。どういう仕組みで感じるのか全く想像すらできない。3系統4種類で12文字の文化なのだろうか。視覚だけでなく五感を持つ文字だからこれだけで伝わるという事なのだろうか。アルファベットが26文字。日本語は50音、濁点等を入れればもっと多くなる。中国では数千文字を使用する。8万5千文字以上、漢字を収録してある辞書がある。数が多ければいいという訳ではないが、12文字しかないってなんか拍子抜けした。
文字列が突然動き出した。風、水、火の4つの文字列が縦横高さを持つように3次元に並んだ。手前に風文字の返しついた線の向きが左から順に上右下左と並んでいる。奥に向かって水文字の半四角形の開いた部分の向きが手前から順に上右下左と並んでいる。上に向かって火文字の四角形の開いた部分の向きが下から順に上右下左と並んでいる。左手前端の隅は何もない空間だ。それぞれの3軸が交差し、それぞれがパーツとして一つの文字は中心から順に風、水、火と組み合わさった。発音無しと4種類で5種類の3乗で125文字の一覧の立方体が出来あがった。何となく文字の一つを見つめてみた。例えば、風の横棒の左側に返しがある図形、水の半四角形の下線のない図形、火の四角形の右側が開いた図形を選んでみた。意味は分からないが、風、水、火の音が聞こえ、冷気、湿気、熱気の感覚や味覚、嗅覚が音の4段階の大きさに比例して感じる。どれが母音なのか分からないが、発音は母音、子音、孫音として発音するのだろうか。数字も文字も3画で表す文化だ。数字と文字を見間違えそうだが、数字は直線か丸っこく、文字は返しが付いていて角張っている事で区別出来そうだ。数字は表意文字、文章は高等な表語文字を使うようだ。使われた時代が違うかもしれない。絵文字、ヒストグラムも使うのだろうか、文化が違うと常識も違うし通じないから意味がないかもしれない。
アラビア数字は指と同じ数の10種類。ヨーロッパにインド数字が伝わる時に、アラビア人から教わったからアラビア数字と表現されるようなったと伝えられている。何もないという意味の0の発明と位取りの扱いにより、筆算しやすく言語の境界を越えて使われるようになった。同じような事が30進法の文明にも言えるのだろう。インド数字からアラビア数字への形の変化は角の数を図式化したとも言われている。俗説ではあるが数字の形を覚えるには分かりやすい方法だ。2はアルファベットの「Z」、3はギリシャ文字の「Σ」のように角の数を図式化して 数字の形を成り立たせている。他の数字は小さな角を付けたり、線を延長させたり、特に9はこじつけのように思えてならない。角の数から数字を新しくデザインするならば、1は「L」、2は「T」、3は「F」、4は「+」の組合せの方が単純だ。今ある文字を角ばらせて角を強調した形で、例えば5は漢字の「七」、6は「干」、7はカタカナの「モ」、8は「キ」、9はひらがなの「も」、0は角のない「0」のまま。あとは「Σ」と「3」のように向きを変えれば文字と数字は見分けがつく。
数字は指の数から成り立ったとしても、文字はいきなりこんな構造体に出来上がった訳ではあるまい。文化の統合など長い歴史を経てこうなったのであろうが、2文字で125の2乗の1万5千以上の表現、3文字で3乗の190万以上の表現が出来る。200万近くの意味を持つ言葉を話す文化ってどんなのだろう。「これとあれがそうなって、やがてこうなった。私はこっちになった方がよかったと昔は思っていたけど、今はこう思う。あなたはどう思う?」こんな会話が3文字で終わるのだろうか。3文字は無理だな。これあれそれなど、事柄の数だけ文字は必要だ。それにしても常用単語は2文字で表すのだろう。文法は分からないが時間軸、疑問文など洗練されているのだろう。日本語と英語でも文法は全く異なる。日本語は主語と述語が離れているから、最後まで聞かないと、疑問文か否定文かさえ分からない。
立方体に並んでいた文字が崩れ始め、それぞれが勝手に動き始めた。
あっ、ここで考える事を止めた。目をつむって、両手を広げ目の前に押し出した。ストップ! 10からZEROまでゆっくりと頭の中でカウントダウンさせた。10秒間の思考停止、何も考えない無の境地になるにはこれに限る。これ以上は無理。また何か新しい事、例えば文法などの何かが始まりだしたらもうついていけない。それに疲れた。五感を使って意思疎通が一瞬で終わる文化なんて想像がつかない。もっともその前に共通概念が必要だ。この文明と道徳、価値観が同じならいいが、違いすぎると共存できない。敵対する事になったら・・・。この先は考えたくない。そっと目を開けて見た。
数字の塔と文字一覧のキューブは、濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
ヒュ~~~ン 何かが落ちてくるような音。目の前の床あたりに 一辺の長さ約30cmの図形が現れ、幅約3cmの黒いラインで縁取られている。またか。見ていると三角形、四角形、三角形、五角形、三角形がぐるっと回りを囲んだ。トトトトトントトントン また10mくらいの高さから、音と共にグレーの長さ約30cmの棒が降ってきて山になった。今度はなんだろう。しばらく待ったが何も変化しない。図形の辺の長さと棒の長さの見た目は同じのようだ。
とりあえず棒を1本、手に取ってラインの1本と合わせて確かめてみようと思った。1本の棒が浮き上がり横に動き最初に描かれた三角形の1本と重なった。同じ大きさだ。とりあえず全てのラインの上に棒を重ねてみよう。突然、棒が一斉に動き出し、驚いて後ずさってしまった。見ていると棒はフワッと四方八方に散らばり床のラインの上に重なった。そうだった。考えるだけで物が動くんだった。1本ずつならなんとも思わないが、一斉にバラバラに動くと驚いてしまう。行ったり来たりしなくて済むから楽。単純作業は同時並行処理で時間短縮になるのは確かなのだが、最終形のイメージへ一気に物が動く事に慣れない。横を見るとまだたくさん残っている。線の数である18本使っただけだ。こんなに沢山何に使うんだ。ログハウスでも作るか。絶対違う。なぜ三角形が3個あるのだろう。ラインの角に棒を立てて同じ三角柱を3つ作る事は間違いなのは確かだ。同じ向きで重ねて高い壁のログハウスでは棒の数が足りなさそうだ。何をしていいのか分からず、とりあえず立ててみるか。また一斉に棒が動いてラインの角に棒が垂直に立った。椅子やテーブルを逆さにしたような形になった。三角足、四角足、五角足ができた。柱の上部を棒でつないで蓋みたいにする。四角柱はサイコロになった。当たり前だ。他は三角柱が3個、五角柱が1個。なんか違和感がある。サイコロには薄い半透明なグレーの幕が張っている。
どういう事だ。サイコロ以外の図形の蓋の部分を外し、床と柱が立っているだけの状態にした。それぞれの柱を中心に傾けたり広げたり、花がつぼみから開くようなイメージだ。三角形の一つ、3本の柱を真ん中に寄せて、4面体の状態にして止めた。面に薄い半透明なグレーの幕が張った。
そういう事か。正多面体になった時に幕が張る。三角形、四角形から4面体、6面体ができた。五角形もできたはず。それぞれの一辺に五角形を作るように周りを囲むように立て、同じ形を作り上下逆にしてかぶせた。12面体だ。すぐに幕が張った。
三角形があと2つ。鏡の上に三角錐を乗せたイメージが浮かんだ。三角形4つで作った4面体を面で繋げた形になるように、棒を9本使い、6面体を作り三角形のラインの上に置いた。斜めになっているが6面体は三角形でも四角形でも作れる。しばらく見ていたが何も起こらない。置き方が雑だったのかと思い、ラインからはみ出ないように置かれているか確認した。実際に手で置いた訳ではなく、勝手に動いて乗るから雑な性格は関係なかった。なぜだ。今までと何が違う。ぐるっと回りながら眺めてみた。繋ぎ合わせた面の頂点は棒が4本になっている。繋げる前の4面体では頂点から出ている棒の数はどこも3本だ。これがいけないのか。もう一度考え直してみる。三角形の辺に三角形を作り、立てて頂点を繋ぎ、逆三角形を作り、同じ形を作って上下逆に重ねて・・・。違う。7面を2つ重ねて14面体を作ろうとしたが8面体が出来ている。上の三角形は下の三角形を180度回転させ角と角をつなぎ合わせた形だ。なんてことはない。一歩横へずれて上の三角形の辺を手前にしてみるとピラミッドの底を上下に付けた8面体だ。三角形を底にしているだけでこんなに分かりにくくなっている。8面体を理解したからか、いつの間にか幕が張っている。
あと1個。隣の五角形をもう一度見た。三角形6個だと平面になってしまう。正三角形5個で五角錐を作ればいいんだ。12面体の上に作った5角錐を重ねていく。大きな60面体になる。棒の色が所どころ白っぽいグレーになっている。それを残りの三角形の上に乗せた。しばらく見ていたが何も起こらない。組み上げた5角錐の頂点の一つが光り周りの棒も光った。つなぎ合わせた五角錐の辺の頂点が光り周りの棒も光った。2か所が交互に光る。どうして幕を張らないんだ。あっ、頂点から出ている棒の数が違う。五角錐の頂点からは棒が5本。五角錐3つが組み合わさった頂点からは棒が6本ある。正八面体の時と同じだ、同じ失敗をしている。単純に三角形で五角錐を組み上げるだけではダメなんだ。三角形6個の六角形の平面は辺に折り目を付ければ、3軸の星型になり重ねればひし形や三角形にもなる。平面でしか考えない思い込みが間違いを誘ってしまった。60個の三角形を組み合わせた五角形や六角形が見える多面体は、サッカーボールの柄と同じで12個の五角形と20個の六角形から構成されておりフラーレンという形だ。白っぽいグレーの棒があるのは使いすぎたからなのか。正多面体にしなくてはいけない。正多面体の定義はなんだっけ。同じ形の面でどの角も同じ数の面を持てばいいんだっけ。球の中に入れた時、どの角も球面に接するんだっけ。全部でいくつあるんだっけ。5種類でいいのか。最初にやり始めた時と同じようにそれぞれ辺に三角形をつけ立てて、今度は隙間に2個ずつ三角形を増やして作った。同じ形を作り上下逆にして上にかぶせた。これって5角形の傘、周辺のそれぞれの辺に三角形をつけ上下に向き合わせた形だ。どこから見ても5角錐が見える。正20面体だ。いつの間にか幕が張っている。
棒は使い切った。1本も残ってない。これで出来上がりなんだろうけど、もっと棒が欲しい。同じ長さ、半分の長さ、2倍の長さ。それらを辺の角、辺の真ん中から三角錐、四角推をつけて角をつけたい。同じ形の正多面体の中心を重ねてずらせて星形に尖らせたり、らせん状に成長させたりしたい。間違えて作ってしまったフラーレンもどきのように三角形、四角形、五角形、六角形を組み合わせて球を作りたい。そんなことを思っていたら、5個の正多面体は濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
ヒュ~~~ン 何かが落ちてくるような音。パタタタタパタタパタン また10mくらいの高さから 音と共に板が突然降ってきて、目の前の床に山が3つできた。左の山には、3枚の板が山の上に立って浮いている。板の色はグレーで厚さ約1cm一辺約30cmの正三角形だ。グレーの板が2枚、黒い半円が3辺に一つずつ描かれているグレーの板が1枚。半円は直計約5cmで直径部分と正三角形の辺が接するように描かれている。下の山には辺の中心に黒い半円が描かれていたりいなかったりする。中央の山には、2枚の板が山の上に立って浮いている。板の色はグレーで厚さ約1cm一辺約30cmの正方形だ。グレーの板が1枚、黒い半円が4辺に一つずつ描かれているグレーの板が1枚。半円は直計約10cmで直径部分と正四角形の辺が接するように描かれている。それぞれの板の中央には、小さな上向きの矢印が濃いグレーの色で付いている。下の山には辺の中心に黒い半円が描かれていたりいなかったりする。右の山にも、同じように2枚の板が山の上に立って浮いている。板の色はグレーで厚さ約1cm横幅約30cmの正六角形だ。グレーの板が1枚、黒い半円が6辺に一つずつ描かれているグレーの板が1枚。半円は直計約5cmで直径部分と正六角形の辺が接するように描かれている。それぞれの板の中央には小さな上向きの矢印が濃いグレーの色で付いている。下の山には辺の中心に黒い半円が描かれていたりいなかったりする。今度はなんだ。とりあえず枚数の少ない一番小さい山、左の正三角形の板を、絵柄が見えるように全部並べてみよう。板が動き出し一列に並んだ。やっぱり慣れない。一斉に動き出すとビクッとなってしまう。9枚ある。同じ絵柄はない。裏側はグレーの一色で全部同じだ。
ポポン 太鼓を叩く様な音がして黒い半円が2つ、並べた板の上に現れた。くるっと回転し直線部分がくっつき円になり消えた。同じ映像が何度か流れる。板を円で繋げろという事か。9枚の板を並べる簡単なパズルだな、まず真ん中に3辺全てに半円のある板を置き、2辺に半円のある板でくるくると回転させ向きを変えながら繋げていき、1辺にしか半円のない板で繋いだ。半円の書いてある板は7枚だからすぐに終わった。何も書いてない板が余った。隣に大きな正三角形の黒いラインが現れた。完成形が正三角形になるように作れという事か。パタパタと繋げてやってみた。何枚か組み直し、角にグレー一色の板を置いた。なんてことはない。幼児用の知育玩具並みだな。
中央の正方形の板の塊全体がほんのりと何度か点滅した。今度はこちらをやれと言う事か。中央の正方形の板を、絵柄が見えるように全部並べてみた。板が動き出し縦横4列に並んだ。16枚ある。同じ絵柄はない。今度は回転しない。板の真ん中にある矢印は全部上を向いている。裏側はグレーで全部同じだ。まず真ん中に4辺全てに半円のある板を置き、3辺に半円のある板で繋げていき、次に2辺に半円の板、1辺にしか半円のない板で塞ぐだけだ。三角形の時と大して変わらない。パタパタと繋げてやってみた。あれあれあれ。半分も並べないうちにこっちが足りないあっちが余る。やり直しだ。そんな簡単な問題じゃなかった。なんとなく渦巻形の絵柄になるのかと思っていた。あれこれやっているうちにやっとできた。何も書いてない板が余った。これでいいのか。思った通り隣に大きな正方形の黒いラインが現れた。今度も同じように完成形が正方形になるように作れという事か。今ある凸凹に並べた形から正方形に並び変える。どう見てもできそうもない。何となくこの板を回転させればこのつなぎをこっちに向けてって考えていたら、中央に描いてある矢印がすべての板から消えた。一斉にそれぞれの板が少し自転し元の位置に戻った。今度は回転させていいんだ。あれこれやっていたら正方形に並べることが出来た。何も書いてないグレーの板は凹みのある場所に納まった。また隣に大きな正方形のラインが現れた。今度は真ん中に矢印が付いている。矢印の向きをそろえて正方形に並べろという事か。消えていた小さな矢印はそれぞれの板の真ん中に復活していた。そんな事が出来るのか。4辺に半円が付いているのを真ん中に置き、最初からやり直した。今までの経験から、どの板をどの場所に置くと後が続かないとか分かってきた。あれこれやっているうちにやっと出来た。完成だ。できないと思っていた事は間違っていた。
隣の山の正六角形の板の山を見た。きっと各辺に半円の有る無しで、2の6乗で64枚なのだろう。とりあえず枚数を数えてみたらやっぱり64枚だった。最初の半円を繋げる事さえ、かなり時間がかかりそうだ。これも最終的に組みあげると外側に半円のない巨大な正六角形になるのだろうか。そもそも正六角形になる枚数なのだろうか。ハニカム構造の並び方になるのだから、中央に1枚1周目6枚2週目12枚3週目18枚4週目24枚だから合計で61だ。3枚余る。正六角形にはならないけど、点対象に並べる事が出来るのだろうか。仮にこれをクリアしたら次は何が出てくるのだろう。
ヒュ~~~ン 何かが落ちてくるような音。パタタタタパタタパタン また10mくらいの高さから 音と共に板と箱が降ってきて、少し離れた所に大きな山が3つ増えた。さっきと同じだ。一つ目の山は、小さくなって幅約10cmの正方形だ。2枚の板が山の上に立って浮いている。グレーの板が1枚、4辺に赤、黄、緑、青の半円が一つずつ描かれているグレーの板が1枚。こちらもそれぞれの板の中央には小さな上向きの矢印が付いている。二つ目の山は、幅約10cmの正六角形の板だ。巨大な山の手前にグレーの板が1枚、6辺に赤、オレンジ、黄、緑、青、紫の半円が一つずつ描かれているグレーの板が1枚浮いている。こちらもそれぞれの板の中央には小さな上向きの矢印が付いている。三つ目の山は、幅約10cmの正六面体、サイコロだ。巨大な山の手前に全面がグレーの箱が1個、6面が赤、オレンジ、黄、緑、青、紫に色分けされた箱が1個浮いて自転している。こちらも一つの面にだけ中央に小さな矢印が付いている。
一つ目の正方形の山はかなり大きい。さっきは各辺に黒い半円の有る無しだったから、2の4乗で16枚。今度は5の4乗で625枚。最終完成形は色合わせで繋げた縦横に25枚ずつの正方形。本当にできるのか。ジグゾーパズルと同じように、まずは周辺に置くであろう1辺に半円のないのとに2つに分けて・・・。山の中から1辺に半円のついてない四角形の板があちこちから浮かび上がり小さな山が一つできた。思っていたのよりかなり多い。周りの数だから96枚になる。最初のやり方に戻ろう。16枚の時でさえ3段階で考えた。分け方を変えよう。真ん中に置く4辺が半円のカードに繋がる3辺が半円のカード、それに繋がる2辺が半円のカード、残った1辺が半円のカード。3つの山が出来た。矢印の向きの色分けはまだしていない。やっぱり無理だ。数が多すぎる。考える気も起きない。
二つ目の山の正六角形の板の数は、今までの流れから、7の6乗で・・・、とりあえず6桁の個数だ。これも最終的に組みあげると外側に半円のない巨大な正六角形っぽい形になるのだろうか。スタジアム並みの広さのモザイクタイルの芸術品になる。
三つ目の山の箱の数も、二つ目の山の板の数と同じはずだ。これの完成形は巨大な箱で外側がグレーで、中にそれぞれの面を同じ色で繋げた箱が組み込まれるのだろうか。色は同じ条件だから外側の色も好きな色にする事も出来るはずだ。
4色の四角形。6色の六角形と六面体はそれぞれの大きな形に組み立てられるのだろうか。勝手に出来るものと思い込んでいるが、数式を並べて出来る出来ないを説明されても理解できない。図解で説明してほしいものだ。
これもクリアしたら次は何が出てくるのだろう。これは何かのテストか。私は迷路のモルモットか。観光地にある5つのポイントを回って脱出する巨大迷路で遊んだ事はある。出るまで3時間くらいかかった。途中でズルして下をくぐって隣の通路へ移動したが、なんか負けを認めたようで悔しくて、ゴールへたどり着いても心から喜べないような気がして、元の場所へ戻ったのを覚えている。晴れていれば太陽の向きでどの方向へ進んでいるのかわかるが、曇りの日は方向感覚が無くなり、もっと難しくなる。平面の迷路だったが、将来、民間人が宇宙ステーションへ旅行出来るようになれば、多層階建てのブロック状の迷路は、人気のアトラクションになるかもしれない。床、壁、天井は全く同じ柄で、上下前後左右も判断できなくなり相当難しい迷路だ。くしゃみでもしようものなら、体が自転し目を開けたら、今まで来た方向もわからなくなるかもしれない。エッシャーの絵のように、無限階段や床、壁、天井をつなぐねじれた階段、メビウスのような通路。目の錯覚を利用した通路。いろいろあって楽しそうだ。部屋は立方体より球をつなげた方が面白いかもしれない。斜めもありだから、球の通路を通り抜けたら正20面体の部屋があって丸い通路も20個。だめだ、難しすぎる。戻って来た時、どこから来たのか分からない。富士の樹海、鍾乳洞の探検と同じだ。目印かロープで繋がなきゃ戻れない。いろいろ考えていくとできない事ばかりで、なんか面倒くさくなった。そもそも試験は嫌いだ。山の一つでも蹴散らしてやろうと、3歩ほど走り右足を蹴り上げた。が、蹴りだした足が山に接触する直前に山は突然消え、足は空を切った。八つ当たりもできないなんて、なんか欲求不満だ。
他のすべての山もラインも三角形や四角形に並べた板も、濃霧の中に消えていき、そしてまた白い空間だけになった。
横になって白い空間をボーっと見上げていた。本来なら天井か青い空に浮かぶ雲が見えているはずだ。ふと上はどっちだなんて思った。今横になっているから、見ている方向が上、重力の反対方向が上とも言えるし、頭と足を基準軸にすれば頭の方向が上とも言える。左右は変わらないが、鏡に映す文字は左右逆になる。鏡の前では右手を上げると左手を上げているように映るが、目の位置から見れば右側左側に映る方向は変わらない。真ん中は真ん中だ。
ポワッ 泡が破裂するような音がして「上、中、下、左、右、前、後」突然7個の漢字が目の前に現れた。文字の持つ意味の場所にそれぞれの文字が浮かんでいる。そりゃそうだ。違っていたら違和感に悩まされる。黒いピンポン玉の数え方からどの母国語を使っていたのか観察していたのだろうか。「上」の文字の周りには天井、神、鳥。お上など文字が浮かび、それぞれの後ろには、屋上、神話、鳥の種類や部位、政治や政治家の名前などの文字が並んでいる。それぞれの7つの文字のすぐ後ろには同じ意味の他言語文字が沢山並んでいて、周りには単語から連想される別の単語が沢山並んでいる。後ろや周りの単語にもそれぞれ多言語や関連単語が並びどこまでも連続している。当然の事だが殆どが分からない。多言語しかり、難しい漢字、熟語は読めないし意味も分からない。一瞬にして白い空間は文字の連続で埋め尽くされ、後ろの方は別れたり合体したり連続している列の中にもぐったり、まるでジャングルの中のツタのようだ。文字には発音の他に、映像、音、匂い、感触、味が付いているのを感じる。遠く離れた文字、例えばリンゴなら、リンゴと言う発音や、かじった時の租借音、匂いや味を嗅ぎ分け手触りなどの五感が伝わってくる。仕組みを理解はできないが、何かを選ぶように意識すると伝わってくる。歴史上の出来事も辞書を引くように単語を意識すればその場で見ているように体験できる。いつのまにかそれぞれの単語は、全て半透明で表面が銀色の球体に変わっている。表面には他の銀色の球体が映っている。数珠のように並びところどころ数十本枝分かれしている。複雑に絡み合い白い空間を埋め尽くしている。球体の連続はここから見ると、くしゃくしゃに丸めた網の中にいるように見える。この網の塊を外から見たら、脳の形でもしているのか? なんて思ったら外側にいた。瞬間移動したらしい。銀色の網球が複数集まり一つの巨大な塊になっている。網球の中には小さな網球がたくさん集まり絡み合い、何重にも入れ子になり、それぞれが複数の網球と沢山の数珠でつながっている。網球や数珠のように見えるのは、全て並んだ半透明の表面が銀色な球体で、ものすごい数だ。一つの巨大な塊となった網球の表面は外側に向けて数珠が針山のように沢山立っており、遠くのものは産毛のように見える。大きな網球の一つに近づいてみるとここは科学分野っぽい。もっと近づいて行くと中の小さな網球は科学分野が細かくカテゴリー分けされている。巨大な塊をぐるっと回ってみると、ここは哲学、ここは宗教、医学、建築、工学のように大きなカテゴリー別にまとめられている。中心はどうなっているんだろう。中心へ向かって潜っていくと、思った通り本能の知識だ。衣食住性で4つに枝分かれている。衣食住の3つかと思ったが、食、住、性がメインで衣は住から枝分かれしたような感じだ。一番大切な性の知識、性欲がないと子孫繁栄は出来ない。性の根からたどって一番外側は医学、病理学、栄養学などになっていた。有史以前、類人猿とも人類とも判断のつかない時期からの、人類文化の歴史をたどるようにまとめられている。
外側から見るこの巨大な塊の網球の凸凹や密度は文明の進み具合なのか。産毛が発達し絡み合い束になりやがて網になり発達していくのだろうか。この文明の網球は、他の文明の網球と比較したり文明レベルを表しているのだろうか。インターネットで何でも調べられる時代になり情報共有が進んだが、この網球のように五感でリアル体験できるようになるにはまだかなり先の話だ。横になって一息つこう。
ドクン、ドクン 心臓のような音だ。「わっ!」突然どこから現れたのか、気が付くと周りに人が沢山いて一方向を向いて前後左右に整列している。驚いて立ち上がった。裸のリアルな人だ。右側に男、左側に女、後ろに並んで行くほど小さく若くなっていく。並んでいる方向の前に行くほど年を取っている。前後は年齢別か。左右は性別と筋肉、内臓、神経、血管、リンパ腺など、内部構造別のように沢山並んでいる。理科の実験室にある人形みたいだが動いている。さっきは気が付かなかったが、下の段には背中を少し曲げた類人猿や筋骨隆々な人類もいる。同じように年齢別構造別に前後左右に並んでいる。類人猿の下にもちょっとずつ違う種が並んでいる。前後左右に並んだ行列が上下に並び枝の様に見える。ずっと下には人や猿へ分岐した幹が見える。たどって行くと先端つまり一番外側にはゴリラやチンパンジーがいる。上下は進化の過程か。全体像は? 思った瞬間、樹木のような大きな構造物が一目でわかる外側へまた瞬間移動していた。正確に言えば移動したのか見ている物が小さくなったのか分からない。他に比べる対象物がないからだ。生い茂った太い樹を何本か集め根っこを中心にして球体にしたような形だ。とても巨大だ。それぞれの端、つまり表面には全ての生物が実物大で並んでいる。動物界、植物界、菌界、細菌、古細菌とあらゆる生物が表面にある。バクテリアや菌に近づくと、縦向きの大きさを表すグラデーション円柱が左側に現れた。赤が上だ。リングが少し下がっている。拡大されているのだ。食物連鎖など気になる事が沢山出てきた。小さな文明の網球が右側に出てきたと思いきや、対象物の周りに銀色の球体がたくさん並ぶ。こちら側半面が透明になりその中は、3D映像で捕まえ方や食べ方、鳴き声などの生活情報が流れている。食物連鎖の順に生物を思うとすぐに移動でき、あちこち表面を飛び回ってみた。地球は植物や虫、海洋生物が中心の世界のように見える。表面から中に入ると、横向きの時間を表すグラデーション円柱が頭の上の方に現れた。中心の赤には白いラインがある。白いリングは中心より少し左側の赤の中にある。実物大の恐竜がいたり、巨大な花や昆虫がある。生物が大きくなるのは酸素濃度が濃くなったからであり、その原因と成り行きなどの情報が、文明の網球が3D映像で流れている。もっと中心に行くと、白いリングは少し左側に動き。白いラインとの間が広まった。アンモナイトや三葉虫がいる。輪切りで見たいと思えば、瞬時にいくつものスライス状態に別れる。しかも切り口は自由に変えられ角度も変えられる。こちらの意図を読まれているような感じだ。アンモナイトの輪切り、ヒマワリの種の並び、中でも花粉やウィルスのように小さくなるほど幾何学的なアートに見えてくる。進化の樹木球を見ると、現在生息している生物はすべて勝ち組に見える。内部で樹木が何度もバッサリと切れ、同心球になっていて隙間が空いている。地球は今までに大量絶滅が10回以上ありその原因は、銀河系の宇宙線、太陽系内外の隕石、太陽の状態、火山や地震などの気候変動である事を、文明の網球が3D映像で表示している。同心円の球体から細い枝がいくつも伸びて枝分かれし増えていくのは、僅かな生き残りから、種の多様性、形態や生活を変え、環境に適した者が生き延びて大量に増えていく事が見て取れる。文明の網球は、種が違っても同じ形、違う形でも同じ機能を持っている進化の過程や、自然界の生物の中には、医学の発展に役立つもの、寄生では宿主の養分を取るだけでなく、宿主を餌にして食物連鎖を利用し目的の種へ到達する方法を得た経緯など、進化における手段の多様性を表示している。
進化の樹木球で対象物の周りに並んだ、いくつもの銀色の球体の3D映像は、見ていて面白い。しかし、数式、化学式、表やグラフは殆どが理解できなかった。有識者が見れば科学の発展に役立つだろう。私には小学生の図鑑レベルの利用しかできなかった。
文明の網球、進化の樹木球、各種グラデーション円柱、全てが濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
この白い空間に一人だけで他には誰もいないのか。実は別空間で同じ境遇の人が沢山いるのでは?
ザー 滝のような音と同時に霧の中から、上空に大きな短い六角柱が現れた。半透明な銀色の球体が沢山並んでいる塊だ。見渡す限りの数だ。上下左右前後に綺麗に密に並んでいるが、格子状には並んでいない。箱の中にピンポン玉を流し込んだように、上から見るとハニカム構造状に並ぶ、六方最密充填構造で空間を効率的に使う並べ方だ。水平方向に6個、上下に3個ずつ隣り合っている。いくつあるのか数えてみた。側面の横の球数は1、2、5、10、20、50、100、200、500、約900。縦は1、2、5、10、20、約50。底面は六角形に並んでいるから正三角形が6個。正三角形の中にある数を6倍すれば良い。真ん中が1個で側面が900個だから450組掛ける901割る2でそれを6倍して・・・。面倒臭い。900として・・・。やっぱり面倒。ん~。平行四辺形が3つと考えれば、キューブが3つとして簡単だ。電卓で計算してみた。900x900x50で4050万個、これが3つで1億2150万個。そんなにあるのか。球体の中には一人ずつ入っていて身振り手振りで話している。老若男女、肌の色、服装もさまざまだ。スーツ姿もいれば水着の人もいる。中には役者なのか、東西は問わず時代劇に出てくるような恰好の人もたくさんいる。真っ白な服、金色や銀色のスウェットを着た人もいる。球の直径は約3m。底面の一番遠くにあるのは1800個目だから距離にして5.4kmだ。顔まで見えるのは不思議だ。そんなに遠くの人の顔の表情まで見えるわけがない。距離を超越している。どういう事なのだろう。とりあえず私はあの球体の中の一人なんだ。何も解決していないけど、私一人だけじゃない事でなんか安心した。他の人の会話が気になる。何をそんなに熱心に話しているのだろう。順に回ってみたい! 何気なく底面の一つの球をじっと見つめてみた。
パシャ 突然、水の膜を頭からつま先へ通り抜けるような感覚がしたかと思うと、薄暗い大きな球体の中にいるが、中はすぐに明るくなった。光源は見当たらない。外から見た時は直径3m程で高さの半分から3分の2くらいを人間が占めていた。中に入ると直径はあるようでない。無限の空間が広がっている。最初にいた空間と同じだ。外と中で実際の大きさが違うのはなぜなのだろう。目の前に直径約1mの球体がいくつも浮かび、有史以来の人類の歴史が3D映像として流れている。戦争の映像を抜き出してきたようである。周りには動物界、植物界、菌界、細菌、古細菌など、それぞれの生存競争の戦いが流れている。生存する為に戦っている事は分かるが、人間との違いは、生まれ持った武器、または生存していく過程で身に着けた毒などの武器があるかないか。新しい武器を創造製造するかしないかの違いだけだ。娯楽で他の種属を殺生するのも人間だけだ。そんな話をしている。
話しているのが英語だという事は分かるが内容は全く分からない。そもそも日本語以外は分からない。日常使う漢字でさえ書けなかったりするくらいだ。球体の映像を見ているから言えばそうなんだが、共食い、なわばり、戦争の違いを話している事など英語で話しているから内容が分かる訳がない。それなのに話している内容が伝わってくるのはなぜなんだろう。こちらの姿も見えていないようだ。外に出ていくつかの球体に入ってみよう。
バシャ 球体の中への移動ではやっぱりこの感覚を味わうのか。次の球体では、核兵器、細菌兵器、有名なSF映画に出てくるデススターなど、何が最強兵器かの話をしている。話を聞いていると洗脳らしい。物理的に壊してしまっては勝利しても何も手に入らないのは確かだ。勝てないと分かった時の戦意喪失、何があってもついていこうと思う尊敬の念などを感じさせれば、無駄な破壊をしなくても人も施設も手に入る。奴隷まではいかなくても自ら働き貢献するように行動させれば、勝者は何もしなくてもあらゆるものが手に入る。催眠術や洗脳兵器はこれ以上ない危険なものかもしれない。まずは共通な概念と言葉が必要だ。そもそも戦争は必要かと言う話にもなる。欲しいものがあれば貿易でいいのではないかと思う。貿易ではなく戦争でなければいけない理由がない。戦争が起きるのはリーダーのわがままとしか思えない。過去の恨みや復讐など理由は様々だろうが、何世代にも渡って感情を引き継ぐ必要があるのだろうか。あの国の政府は嫌いだが今の国民には恨みはないなど、友人を今日から戦争になったからと言って殺しあえるかと言えばそれは難しいと思う。
生存本能や戦争などの映画なら好きなのだが、当事者としてはなりたくないし、気が滅入ってきた。
六角柱の外に出て側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
こちらの球体では、正多面体の変換をやっている。思いっきり数学の話だ。頂点が面になったり、立体図形の辺から正三角錐、正四角錐などが出てきて他の多面体に変わったり、複合多面体や切頂多面体が変形していく。周りには数式がたくさん並んで目まぐるしく数字が動いている。立体の変換は見ていて面白いが、数式は何の事やらさっぱりだ。自然界はバランスや安定が好きなど、そんな話もしている。バケツの上の複数のシャボン玉や、空中の大きなシャボン玉にくっつく小さなシャボン玉が等間隔に並ぶなど。元素の周期表の話もしているようだ。原子核の周りの電子は多面体の頂点にいてそれが何重にも重なり、分子のつながりは多面体の頂点、辺、面でつながる構造式を立体模型で表し、増えたり減ったり変形しながら高速回転している。見ていると動くアートのようだ。デルタ多面体やジョンソンの立体の話もしている。多面体の作成ゲームで作りたかった形だ。定義はよくわからないが、面に正三角形だけでできた多角錐を付け、とげとげの立体を作りたかった。頂点がぶつかったら辺の中点の結ぶ半分の大きさの多角錐にしてくっつける。新しく出来た小さな正三角形の面にも三角錐をつける。そんなフラクタルな図形も作りたかった。
次の球体では、数字や計算式、数字の表が沢山浮いている。素数の話をしている。階段状になったグラフや渦巻や多角形に並べた絵の中に出現する素数が幾何学的に見えたりする。他にも乱数や無理数の話をしているが何の事やらさっぱり分からない。そもそも数式の中にギリシャ文字が出てくるとギブアップだ。ましてやギリシャ文字を囲むように周りに数字や複数のアルファベットが並びだすと、結果が大小どちらになるのさえ分からない。それは私にとって絵画の値段と同じくらい理解不能になる。数億円の絵画と幼児の描いた絵を並べ、どちらが数億円の絵かと聞かれるのと同じだ。高額である説明をされても理解できないし、絵画によっては4辺のどれが上なのかさえ分からない。もっとも幼児の親にとっては子供の絵はプライスレスだと思う。
次の球体では、数式の横にたくさんの動く図形や絵が並んでいる。学校の先生だろうか。算数の基礎を図式化しているようだ。マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる説明をしている。ポイントゲームを例にして説明している。自分のポイントは箱の中にあり、箱に入れる時はプラス、出す時はマイナス。得点のプラスカードと失点のマイナスカードが何枚か入っている。同じ数字カードが何枚かあれば掛け算し得点を計算する。当たり前と言えば当たり前なのだが、失点カードを箱から複数回取り出す時、失点が減るから、言い換えればマイナスをマイナスするから、得点が増える。つまりマイナスにマイナスを掛けるとプラスになるとはこういう事だと言っている。分数の割り算では、後ろの分数の分子と分母を入れ替えるのは、1より小さく分けるのは答えが1より大きくなるという事だと言っている。そんな事は当たり前だと思うのだが、小学生に説明するには難しい。割り算を掛け算に変換する意味を説明しなければならない。2つのパンを3分の1ずつに分けると6個になるのだが、計算式にすると2割る3分の1、2個のパンをそれぞれ3つにするから2掛ける3で6になる。割り算を掛け算で計算する時に3分の1が1分の3、つまり3になって掛けている。分母と分子を入れ替えるとはこういう事だと言っている。6以上の素数は 6で割って余りが1と5の時にしか出てこない説明もしている。余りが2又は4の時は2の倍数であり、余りが0又は3の時は3の倍数であるからだと言っている。2つの数列が縦に並んでいて、6で割った余りが1の7、13、19、25、31と続く数字と余りが5の5、11、17、23、29と続く数字が下から上へ縦に並んでいる。一番下の7と5の横には5、7、11、13、17と素数が並んでいる。余り1の塔の25の所には素数5の所に×、49の所には素数7の所に×、55の所には素数5と11の所に×が付いている。余り5の塔の35の所には素数5と7の所に×、65の所には素数5と13の所に×、77の所には素数7と11の所に×が付いている。素数5を縦に見ていくと余り1の7から始まる塔には25、55、85と5個おきに×が付いている。余り5の5から始まる塔には35,65、95とこちらも5個おきに×が付いている。同じように素数13を縦に見ていくと91、169、247と65、143、221に13個おきに×が付いている。×が付いているのは素数ではない。どの素数も縦に見ていくと19は19個おきに、23は23個おきに、29は29個おきに、その素数個おきに×が付いている。素数そのものの出現場所又は素数同士の掛け算でできた素数の出現場所から、その素数個おきに素数でない事が分かる。塔の高さを変えて10,000や1,000,000を見ると同じようにその素数個おきに×が付いていた。エラストテネスのふるいと同じ事をしているが、こちらの方が視覚的にも分かりやすいと言っている。見ていて感覚的にも分かりやすい。小学生の時にこの先生に教えられていたら、もう少し算数を勉強していたかもしれない。余り1の塔、余り5の塔は、どこかで見たような気もする。
次の球体では、分母の中に分数が沢山ある数式を話している。連分数の話だ、ルート2や黄金比は同じ分母が並ぶ。ネイピア数は超越数であり、その連分数展開は循環しないものの一定の規則性を持つ。パイや4/パイは正則でない連分数で規則性を持つ。言っている事がほとんど理解できないが、数式の分母の中の数字が、1、2、3、4と順番に並んだり、素数の並びだったり、フィボナッチ数列だったりする。数字が綺麗に並ぶのが面白い。なぜそうなるのだろう。すぐには役には立たないが、そのうちに使い道が出てくるトリビアがいっぱい出てくる。ピタゴラスは自分の定理が、GPSの人工衛星で使われるなんて考えもしなかっただろう。数学って不思議だ。知的ゲームの最たるものだ。
次の球体では、図形の拡大と縮小をしている。拡大しても元の形になるフラクタル図形の話だ。入れ子のようにどんどん小さくなったり外側にどんどん増えて行ったり、見ていて面白い。自然界の中にたくさん存在する例を挙げている。自然界は幾何学が好きなようだ。立体構造でも同じルールを繰り返すだけで、効率よく体積や表面積がどこまでも増えていく。等角らせんなど相似の追加と言えばそれまでだが、結晶から植物の育ち方まであらゆる所に現れる。自然の構造は素数、フィボナッチ数列からも成り立っている。植物の花、種、貝殻、骨の中の網構造など、数式を使って説明している。数式は全く分からないが構造は見ていて綺麗だ。補助線をつけて説明されると不思議なくらいシンプルなルールを、組み合わせただけで成り立っている事が分かる。まるで誰かが操作しているように幾何学的だ。自然界はこんなにアートになる事に驚きだ。
次の球体では、クイズのような確率のような物の考え方みたいな話をしている。酒場で1対1の掛け勝負をしている。引き分け無しで先に3勝したら、掛け金12を貰える条件だ。今2勝1敗である。負けている方は掛け金が惜しくなり、ここでやめようと言い出し、勝負はなかった事にして半分ずつ6貰うと言う。勝っている方は途中放棄するなら全額12貰うと言う。観客は勝敗実績と同じ配分で8対4と言う。酔っ払いはこのまま続けた時の割合で分けるから9対3になると言う。勝敗確率は半分だから4回目の勝負で3勝するのは2分の1。負けたら2勝2敗になり、5回目の勝敗も2分の1、つまり全体で見れば残りは4分の1ずつになる。4分の3と4分の1で分ける事になると言う。負けている方は卑怯な考えだと思うが、勝っている方の考え方はもっとも妥当だと思う。しかし観客の過去重視の考え方もありだし、酔っ払いの未来重視の考え方の発想はなかった。数学的には酔っ払いの考え方が正しい。何が正しいかなんて、何を基準にするかでこんなに違ってくる。数学ってなんなんだって思うのは私だけか。
次の球体では、1、2、3、4、5と順に無限に足していくと合計は、マイナス12分の1になると言う。しばらく見ていると解析接続の事らしい。解析接続がそもそも分からない。普通に考えたら無限大数になるのに、1より大きい数字を足しているのに1より小さくなるし、プラスしかしていないのにマイナスになるとは不思議な話だ。1+2+3+4+5と続く式をsとする。1-2+3-4+5と符号を交互に表す式をaとする。s-aは0+4+0+8+0+12・・・になり4でくくると4(1+2+3+4+5・・・)と言う式になり()の中は元の1+2+3+4+5が続く式sがまた出てくる。4倍になるという事は1+2+3+4+5と続く式sは1-2+3-4+5と続く式aのマイナス3分の1と言う事になる。つまりs-a=4sになり両辺からsを引くと-a=3sになり、sはマイナス3分の1aとなる。次に1-2+3-4+5と続く式から1-2+3-4+5と続く式をマイナス1倍したものを引く。つまり2倍にするのだが、項を一つずらせて計算すると1-1+1-1+1と符号が交互に続く式bが出てくる。1-1+1-1+1と続く式bから1-1+1-1+1と続く式bをマイナス1倍したものをまた引く。つまりまた2倍にするのだが、また項を一つずらせて計算すると今度は1になる。1-2+3-4+5と続く式aを4倍すると1になる。つまりa-(-a)=2a=bになりb-(-b)=2b=1になる。言い換えると4a=2b=1が成り立つ。4倍しなければ4分の1という事になり、最初にマイナス3分の1と出て来た結果から、1+2+3+4+5と続く式は、マイナス12分の1になる。さっぱり分からない。キツネにつままれたような話だ。そもそも1-2+3-4+5と続く式はどこからそんな数式が出てくるのか。4倍したり項をずらして計算したり、簡単な算数計算なのに結果を理解できない。そもそも1-2+3-4+5と続く式は、順番に足していくとマイナス、プラスと振り幅がどんどん大きくなっていく。2項目と3項目を足すと+1、4項目と5項目を足すと+1、続けて計算していくとプラスの無限大になる。しかし1項目と2項目を足すと-1、3項目と4項目を足すと-1、続けて計算していくと今度はマイナスの無限大になる。足し算は順番を変えても答えは変わらないはずなのに、途中経過だと最後の項の数値の半分くらいの数値でプラスマイナスの振り幅がある。単純な算数でさえ分からなくなってきた。
次の球体では、歪んだ2本の波のような曲線がxyz方向にそれぞれありその間の計算をしている。何をしているのかさっぱり分からない。サインコサインタンジェントなど高校で習ったような文字やギリシャ文字が沢山計算式の中に出てくる。微分積分や賞金の出る何たら予想など、数学の問題でもしているようだ。説明されても分かりそうもない。コスプレの女の子の説明と同じレベルだ。女の子が可愛いのは分かるが、何たらアニメの何たら学園の何たらちゃんの姉妹と言うように、日本語としては分かるが、何の事やら全く想像すら出来ない。
ここは諦めた。数学の話で頭が痛くなってきた。気を取り直して次へ行こう。
また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
こちらの球体では、縦横対角線の図形を使いながら、光速度は一定だが時間の進み方が違うのは間違っている。そんな話をしている。天動説 地動説と同じ過ちを犯している。天動説では惑星の見かけ上の逆行運動に周期がある事を発見し、軌道上の倒れた小さなリングの上を回るという摩訶不思議な動きを、計算して言い当てる。星座用の天球、惑星用のそれぞれの天球がありそれぞれの動きが予測できれば正しいとされてきた。光速になると縮んで見えるようにはならない。逆に薄く伸びると言っている。ゴムの様に伸びた状態で連続写真を何十枚も多重露光させたように見える。光速以上またはそれに近い速度で動く物が見えるのは、その場所での光の発光、又は反射を見ている事であり、光そのものが光速以上で飛ぶ事はない。例えば観測者とロケットが光速で1秒離れた場所にあり、同時に横へ1秒間光速平行移動し停止する動きをイメージする。部屋には点滅する明かりを上下前後左右の壁から等間隔になるように置き、壁に映る点滅の反射も観測する。移動前の観測者とロケットの距離を1秒の縦線、ロケットの移動前後の距離を1秒の横線、移動後の観測者と移動前のロケットを結ぶ距離、対角線はルート2で1.41秒は光の進む距離であり、移動後の観測者とロケットの距離は1秒の縦線である。観測者やロケットからから見る移動直後から1秒後に停止する世界は異様に見える。同時にスタートしたが観測者からもロケットからも相手の光が届く1秒では届かず、移動後停止した0.41秒後に相手が動き出す虚像が見え、0.59秒後つまりスタートしてから2秒後に移動直後の1秒前の相手が見える。お互いに相手は0.59秒で1秒分を移動した虚像が見える。どの壁にも映る点滅の反射は同時に見える。慣性系に関しては光速でも速度が加算される事になる。部屋の中央から出て上下前後左右の壁に当たる光の速度は変わらず、壁は同時に光っている。この観測者とロケットから光速で1秒離れた所、正三角形になるような場所から動かない第三者が観測すると、観測者とロケットは同時に光速で自分から横向きに離れていき1秒後停止する事になるが、1.41秒後に停止した映像を見る事になる。他にも半径が光速1秒の距離、円周2π、1秒で一周する光速ロケットから、一周ごとにカウントを表示させた場合、ロケットの速度は光速の6.28倍になり、それを円の中心から見ると一周ごとにカウントが上がっていくのが観察できる。縮んで針金人間になったり紙のように薄くなったりしない。半径の距離分1秒遅れた映像を見るが、見た目の形は変わらなく明るさが6.28分の1になる。乱暴な言い方をすると見た目は円周を描く帯に見える。ロケットから円の中心の観測者を見ると1秒間に1回転しているのが1秒遅れで見える。場所が変わらないから色が薄くはならない。地球と太陽の距離は光速で8分19秒。光速の16倍で移動するロケットで太陽を回って戻ってくる場合、1分後にロケットが戻ってくるから1分後にはロケットが目の前に現れる。加速減速はとりあえず考えない事にする。8分19秒後には実際には出発してから30秒後だった太陽を迂回しているロケット、明るさは16分の1で見た目の長さが16倍に引き伸ばされた帯のようなロケットの虚像が見える。実像と虚像に差があってもタイムマシンではない。見た目上のズレは単に距離と光の速度に比例しているだけである。何百万年もかかって届いた遠くの銀河の光を見ているのと同じである。基準座標なんてものはなく慣性系や加速系など数式でしきりに話している。興味津々であるが数式を使われると全く理解できない。次元時間のずれは計算で補正できるなど、水星の軌道、GPS、ミューオン、そんな言葉も出て来る。光速以上で動くものは「場」「ミューオン」以外にも宇宙には沢山ある。光速未満も光速以上も計算式は同じで、しきりにいくつかの数式を並べて話している。光速度不変の定理で、例えとしてロケットの直径が光速で1秒の大きさがあり天井の明かりが床を照らす縦の光の軌跡を考える話がよく出てくる。300万回反射させて長さ100mにする方が効率的ではあるがそれは横に置いておこう。ロケットが1秒間の光速横移動するのをロケットの外の離れた場所から見ると、光の縦の軌跡は横移動が加わり対角線になり1.41秒間を1秒で移動する必要が出てくる。対角線上の1秒地点は横移動では約0.7秒地点になり、時間を伸ばしたり時空を縮めたりしなければならなくなる。数字上成り立たないから存在しないと結論付けてしまうには残念である。光速移動の見え方は何となく分かった様な気がするが、それ以外はさっぱりだ。
次の球体では、数式が沢山あり、あちこちで桁違いに重力が不足している。未知なる話をしている。それぞれの銀河の中心には巨大なブラックホールがあり数千億の恒星を重力で引き付けている。渦巻型銀河の腕の回転スピードが内側と外側で同じでは重力が釣り合わない。恒星系では恒星から離れる惑星ほど遅い周期で回っている。公転周期が遅いと恒星に落ち、早いと恒星系外へ出てしまう。銀河の場合、周期の内側にも沢山の恒星がありそのお互いに引っ張り合う重力が作用している。恒星以外にも重力の元となる物質として、恒星の寿命後の形態、太陽の8倍までの白色矮星、30倍までの中性子星、30倍以上のブラックホールがある。それらすべてを加味しても内側と同じスピードになるには重力が足りない。その足りない重力を補う物質がダークマターだと呼ばれている。それは何か全く分かっておらず全体の27%を占めている。銀河の集まりである銀河団はお互いに加速しながら離れていくのが常識となっている。宇宙を加速膨張させている力はダークエネルギーと呼ばれ同じく何か全く分かっていない力が宇宙の68%を占めている。人類は残りの5%の物質しか判明していない。宇宙の5%しか分かっていないなんて不思議な話だ。100点満点テストで5点しか取れなくても、宇宙と同じ理解度だと思えば、落ち込まなくてもいいかもしれない。
次の球体では、場の力の話をしている。場とは3次元空間の土台の元をなす場の事だ。しばらく聞いているとエントロピーを最大にする力を持っている。物質を均一に存在させる力、反重力とも言っている。物質を構成する素粒子の引力は遠くまで影響作用があり 電磁気力、強い力 弱い力は表面にだけ影響作用する。物質が多量に集まると引力が強く発生し相互作用が働き近づけ合う。場は永遠ともいえる空間であり、その中にある物質を均一に広げていく。例えれば大きくなっていく球の上に砂をかけたようなもので、砂はまわりに広がっていく。球の表面には中心と言えるものは存在しない。球はあくまでイメージであり、そのまま進んで元の場所に戻ってくる事はない。場には地平線のようなものがあり地平線より先は光でも見ることが出来ない。場は力やエネルギーであるから形を変形させることが出来る。場に力やエネルギーがあると言うのならば、ワームホールは作れるという事なのだろうか。
次の球体では、地球の周回速度は秒速約7.9km、脱出速度は秒速約11.2kmである。脱出速度は惑星の半径分の質量にルートを掛けた速度である。周回速度や脱出速度の話をしている。同じ質量でも半径が小さくなれば脱出速度が速くなる。同じ大きさでも質量が増えると重力も強くなるから脱出速度が速くしなければならないのは感覚的に理解できる。押し固めて小さくすれば脱出速度が上がるというのは理解しがたい。分母と分子の関係だから算数的には理解できるのだが感覚的に難しい。太陽の30倍以上の質量を持つ恒星が超新星爆発した時に、極端に半径が小さくなりブラックホールになる。事象の地平線を超えると、光でさえ出て来られないのはこの理論からである。密度が極端に上がると重力も極端に上がる。質量がないと言われる光をも曲げたり取り込んだりする重力は何者なのだろう。極端な重力は時空をも曲げてしまう。時空を曲げてしまうとはどう事なのだろう。重力レンズは理解しているつもりだが、地球上で地上と人工衛星の時間の進み具合が違うなど僅かな差が起きる事自体が理解できない。GPSなどは高低差による重力差の補正を行うから正しく使えていると説明されても、そもそも高度差で時間がずれる事自体が理解できていないから、何を説明しているのさえ分からない。高低差で時間がずれるのなら、銀河の腕の公転速度、地球の公転速度、自転速度の組合せると、銀河から見た地球の表と裏では時間のずれが発生しているのではないか。そんな事を考えてしまうが、重力は表面でしか強く作用しないから、銀河の中心との距離と太陽との距離、地球の直径の比率を加味すると時間のずれはあってないようなものかもしれない。
次の球体では、真空中は何もないわけではない。水中で光の速度が秒速22.5万kmになるように、宇宙空間を何年も長距離飛んでいる間に小さな屈折をL繰り返している。光は減速するという話をしている。光速を一定としているから宇宙が膨張しているように見えるのであって、光速も見かけ上減速していると考えれば宇宙の膨張率も違ってくるのではないか。実は収縮が始まっているのかもしれない。そもそも光や電磁波は発生してからエネルギーの損失変化はないのか。エネルギーが何かに変換された時、速度だけは変わらないというのは不自然ではないのか。宇宙の基礎となる部分が根底からひっくり返りそうな話だ。アインシュタインの相対性理論やE(エネルギー)=M(質量)掛けるC(高速)の2乗、ハップルの宇宙膨張、ビックバン、背景放射など何かがひっくり返りそうな話だ。
次の球体では、4次元の世界は時間が加わるという説があるが、時間と場は0次元から存在する。そう言った次元の話をしている。0次元の点に色変化があれば時間が存在している事になる。点をも存在しない無次元では、変化する対象物がないから時間も場も存在しないという事はない。今は無次元でも過去、将来又は別の場に0次元が存在する事を考えれば、すでに時間も場も存在している事にはなる。無次元自体では時間も場も認識できないが、高次元から見た無次元では時間と場が存在する。話の中で出てくる場や次元は光速を超えて広がり、宇宙の端は現在、光速を超えて膨張している。宇宙の端から見れば、相対的に我々は光速を超えて移動する世界で活動している事になる。時間や場は当たり前すぎてコントロールできないが、コントロールできる高次元から見れば3次元世界は実は5次元世界である。そんな話もしている。時間、場、次元、光速を超えている世界の話など、なんか興味津々の話をしているが、完全に理解するには難しそうだ。
次の球体では、核融合・核分裂の発電の仕組みの話のようだ。核融合は恒星の中で起きている現象で、水素からヘリウムへと融合していく。核分裂は現在の発電所で仕組みを説明している。ウランやプルトニウムの話もしている。230番台の数字が沢山出てくる。20億年前にガボンのオクロでウラン235Uの濃度が3%もあるウラン鉱床があり、水と反応し自然核分裂現象が起きていた。45億年前の地球が出来た頃、ウラン235Uの濃度は17%であったが、現在は0.7%である。23億年前はまだ酸素濃度が低くウラン鉱石が酸化されず核分裂ができる濃度であったと考えられている。酸素濃度が高く放射能がない世界でしか生きられない今の地球環境は大切にしたいものだ。過去にはチェルノブイリやスリーマイルで原発事故があった。また事故が起こるかもしれない。事故か起きた時の連絡方法、避難方法、避難場所、避難先の生活などの対策はあるのだろうか。原発の近くに住んでいないから何も知らないが、原発近くの住民は知っているのだろうか。停電になり、情報弱者でも車を持ってなくても遠方に親類がいない人でも余すことなく政府は助けてくれるのだろうか。気になるところだ。
次の球体では、電子はマイナス、陽子はプラス、中性子はどちらでもない、アップダウン、ニュートリノそんな言葉が飛び交っている。素粒子の話だ。ニュートリノはニュー・トリノではなくニュート・リノと区切る場所を間違っていた事を最近知った。素粒子は十数種類発見されているが実は何十種類もある。未発見の素粒子は組合せによりまったく相互作用しない状態にある。銀河の衝突で惑星が衝突しないのと同じように、相互作用しない素粒子は重なり合い別次元の宇宙と多重になっている。元素の周期表から素粒子が考えられたように、素粒子もまたベースとなるものが存在する。それはたった一つの物質ではあるが順不同に3つの性質が入れ替わる。1つでも作用し、2つが接続した線状、3つが接続した三角形でも作用する。それぞれの性質として3、9、27パターンになる。線状態や三角形状態で、それぞれの物質の性質が全て同一になる時に、分裂や接続が起こる。1つ、線状態、三角形状態が互いに接続し、分裂や接続が行われ、新しい性質が生まれる。新しい理論の話か。自然は単純な作用の繰り返しで複雑性が生まれると考えられている。言っている事は単純で分かりやすいのだが、だからどうしたって感じだ。素粒子より小さいのが存在すると考えられていないのは、科学が未発達なのだろうか。
次の球体では、物質はどこから来てどこへ消えていくのかの話をしている。ビッグバンによって突然膨大な物質が現れた事になっているが、高次元から三次元世界へ移動してきただけの事である。また物質は常に変化し、状態により高次元と低次元を移動したり、ある次元に留まったりする。原子核の自転や電子の動きは誕生した時から減速しないのか。元素の劣化が起きる時、何を吸収するのか、何を放出するのか、何へと変わるのか。そういった話をしている。物を燃やしたらエネルギー変換で、熱や光を出す事は知られている。燃えカスを宇宙空間に数億年間放置しても何も変わらない。超新星爆発で放出された元素が、数億年間旅をしても何も変化しない。そんな事はありえないような気がしてきた。元素が持っていたエネルギーの事やダークエネルギーの事を言っているのだろうか。沢山の数式で議論しているが何の事やらさっぱりだ。
次の球体では、電磁気学、量子力学、重力やら、電気やらなんちゃらの法則が図解や数式でいっぱいである。銀河の動きや電子の動きや集まり方が同じように見える。周期表に行や列が増えたり、いびつな円柱になったり、3次元に並べられ、何かの基準でそれぞれの高さが変わったりしている、統一場理論、大統一理論の話題か。強い力と弱い力は電磁気力を基準にして強弱を決めている。磁石、電気、重力、素粒子、別のものの話か。プラスマイナス、N極S極のように反発するものがくっついたら消えたり、同じものが集まったら、増えたり消えたり反対側の性質のものになったり、片方からもう片方へ流れたり、図解や数式であれこれ話し数字を書き換えている。何かを混ぜたら、光や音を当てたら、ふりかけ、うまく表現ができないがなんかやったら性質が反転したりしている。何の話をしているのだろう。これは全く分からないな。
科学的な話は、不思議がいっぱいで見ていて面白い。少し疲れたから気運転換に他を回ってみる事にする。
また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
こちらの球体では、3年前windows95が出て、誰でもPCが持てるようになり、インターネットで知識の共有ができるようになった話をしている。今はAIの第2次ブームらしい。f分の1揺らぎ、ファジー、カオス、ナレッジ、小さな多数決の融合、そんな単語が飛び交っている。デジタルの0と1の世界から、アナログのこのあたりから向こうはあっち側という世界へと、認識させる方法論の話をしている。AIの仕組みの話だ。今はマークシートで線の有る無しなど、手書きの数字認識がやっと出来るレベルだ。19世紀後半に産業革命が起こり、製造業は一から十まで一人で作っていたのが、ベルトコンベアで分業になった。馬は自動車に代わり、馬乗りは運転手に、馬の世話人は工場労働者へ職種が変わった。今は自動化が進み、30年前より工場労働者は少なくなった。改札口の切符切りの駅員もいなくなった。銀行では現金の入出金や振り込みはATMになった。そこそこのAIが出来た時、手足が付いたロボットが動き回るようになると、お手伝いさんや警備員はいらなくなる。弁護士が言う第何条第何項は、電子化された六法全集などを文字検索すれば良くなり、法律をすべて覚える必要はなくなり、過去の判例も検索すれば出てくる。会計士の仕事は事務員が数字を打ち込めば、自動振り分けで完了する。お役所仕事は文字と写真だけだから、書類をweb形式にすれば自宅から申請して完了する。データをリンクしAIが扱うようになれば、人が行う仕事はかなり少なくなってしまう。視覚聴覚味覚などの錯覚の感覚と数値データの違いをAIに教える仕事やAIの扱いを教える仕事など、新しく生まれる職種で働くだけの事かもしれない。機械が発展してAIがAIに教えるような社会や、単純労働から知的産業まですべて機械が行う社会では、生活の為に働く必要が無くなり貧困の差は少なくなる。バブルがはじけてリストラされ職を探す心配もなくなる。自分の生活や家族の為に働く必要がなくなると、生きがいとは何かと言う新しい問題が出てきそうだ。趣味や芸術に生きる、何かを研究する、AIでは出来なくて人にしかできない発想など、新しい産業が生まれそうだ。生きている者にしかできない事で最後に残るのは愛かもしれない。困っている人が目の前にいたら、助けてあげようと思うのは自然な事だ。大富豪が慈善事業に行きつくのは自然の流れかもしれない。優しさと名誉が同一視されるような社会になっているかもしれない。未来は愛に溢れる社会になってほしいものだ。そもそも映画のように、機械が個人を認識し会話する世界がくるのだろうか。暇な時はおしゃべりしましょう。AIとデート。外見や性格はお好みに作りますよ。AIロボットまではいかなくても、照明、TV、ステレオなどを音声操作したり、質問したらインターネットで調べてくれたり、複数の検索結果の矛盾内容をまとめたり、SF映画のように機械と会話するなんて、私が生きているうちは実現しそうもない事は確かだ。
次の球体では、飛行機、ヘリコプター、気球のように空気を使うものではなく、浮遊する方法の話をしている。水害、地震などの災害で地面が使えない時、浮遊して救助に向かう乗り物の話だ。まだ完成できない事に非常に悔しがっている。重力と磁場の反作用を利用する反重力エンジンみたいな話をしている。宇宙空間では恒星と巨大惑星、重力線と磁場線を利用して三角測量の要領で好きな方向へ移動できる。今の技術でも効率が悪いが実現できるらしい。が、地球人の精神文化では時期尚早だと言っている。ジャングルジムみたいな構造体に高電圧をかけたら浮遊するのはTVで見た事がある。ただ電圧が高すぎて人は乗せらないそうだ。どういう仕組みなのかは知らないが夢のような話だ。
次の球体では、PCが普及してサンデープログラマーが増えると言う話をしている。プレイステーションでは攻撃ロボットを操縦するプログラミングゲームがある。プログラミングと言ってもプログラム言語で本格的に書くのではなく、進む方向、レーダー範囲の指定、武器の選択、撃つ、逃げるなどの指令タイルを繋げるだけである。感覚的にプログラミングするゲームだ。昭和中期に電子ブロックと言う、電子パーツのブロックを並べてラジオ、インターホン、トランシーバーなどを作るおもちゃがあった。それのソフトウェア版である。PCでサンデープログラマーが増えてくると、いたずらや悪用するものも出てくるが、中には新しい発想で新産業が出来るかもしれない。便利さや楽しさを求めて、時には意図せず法に触れる事もあるかもしれない。レコードレンタル業が立ち上がる時には著作権法が問題になった。新しい産業が生まれる時には必ず既存産業との問題が起きる。同じような事がソフト業界でも起きるだろう。その時に開発禁止や罰則は発展の阻害になる。既得権益が守られ過ぎない社会であってほしい。
次の球体では、クイズの様な話をしている。地球上で作られた砂時計を、宇宙空間で遠心力を利用し重力の半分と2倍で動かした時、動作時間は2倍や半分になるのか、または動作しないのか。静電気の影響は、重力を何分の1にした場合にでてくるのか。地球と月の間で反射率100%の鏡で互いに反射させ合った時、光は永遠に反射するのか。地球の公転上に反射率100%の鏡を3つ置き、地球から光を送り3つの鏡をリレーして地球に戻ってくる時、光の性質はどのように変わっているか。その他の方法などで、光の性質の話をしている。数式や飛び交っている言葉の意味は分からないが、なんか面白そうな話だ。
次の球体では、光速に近いスピードになると重くなる。光速は超えられない。時空、相対性理論、重力と光速の話をしている。ブラックホールの事象の地平線の向こう側とこちら側では時間の進み具合は異なるが、それぞれ観測者がいる時空内ではどちらも1秒は同じ1秒だ。ブラックホールの重力では光速でも出られなくなる。ブラックホールの外から中に落ちていく物体は、見かけ上だんだん遅くなり物体の先端と後ろ端の重力の差により引き延ばされ、ある時点で止まったように見え、その先は見えなくなる。物の見え方が違うだけで時間は変わらない。光と時間はどちらを基準にしているかで表現が違うだけである。為替レートのように時間レートが必要になるのではないか。目の前の砂時計と何万光年も先にある銀河は同時進行で時間は進む。望遠鏡で見ているのは数百万年前の銀河や恒星お姿である。光速の半分以上のスピードで移動できるロケットに乗った場合、真逆に遠ざかるロケット通しではお互いに見えない。お互いに近づくロケットでは突然現れ、後から軌跡が追いかけて来るように見える。ただそれだけの事でお互いのロケットの観測者も俯瞰している観測者も1秒は1秒で変わらない。どこかを基準にして相手が早く動くから、又は重力が強いから時間速度が変わる事はない。逆説な事を言えば、重力が強くなると光速も遅くなるなら、反重力なら光速は早くなる事になってしまう。光速移動は早いようで実は遅すぎる。隣の恒星まで数光年、小さな宇宙船の中に数年も閉じ込められるなんて気が滅入る。仮に大型の宇宙船を作り地球環境を中に作り1Gで加速すると、相対性理論では1年で光速の約77%、2年で約97%、3年で約99%になる。移動距離は順に0.37光年、1.85光年、4.22光年になる。時間経過は順に0.66年、0.87年、1.09年になる。宇宙船内の1年後では外世界は1.59年経過し、2年後は3.75年、3年後は7.09年になる。相対性理論では光速になるほど動きにくくなる。相対性理論を無視した単純計算では、1G加速を1年続けると光速の103%、移動距離は0.515光年になる。光速度と時間を無理やりリンクするからおかしな事になる。見える見えないで時間を計るからおかしな事になる。昼間、月が見えないからと言って、月の時間が止まっているわけではない。光速移動には莫大なエネルギーが必要になるが、それはまた別次元の話である。話を聞いていると分かったような分からないような、光速で宇宙旅行から帰って来た時、数世代後の子孫が迎えに来るというのは誤りなのかもしれない。
次の球体では、タイムマシンパラドックスの話だ。よく話題になる話で、タイムマシンに乗り100年前の世界に行き、祖父を殺害したらどうなるかという話だ。過去は変えられない派は、殺害しようとしたら妨害が入り殺害できない。逆に言えば現世界の未来はすでに決まっている事になり変えられない。努力の有無に関係なく結果は決まっている事になる。過去を変えると未来が変わる派は、まずタイムマシンの発明の前後で動きが変わる。発明前の過去へのジャンプは片道切符でしか行けない。戻る機械がないから当然である。タイムマシンから降りなければ空中から観光して出発点へ戻れる。発明後は過去へも未来へも行けるが、起動した世界の時間軸の移動しかできない。殺害すると親のいる世界といない世界の二つの未来が存在するようになる。そのまま未来へ行くと、親のいない世界では自分が存在しないパラレルワールドになっている。無人島ならいいが、都会ではIDがなく元の生活に戻すのが難しいだろう。1週間前後のジャンプなら自分が複数になり社会が混乱する。過去や未来の自分に近づいたらジャンプしてきた方が消滅する事もなく、会話もハグもできる。未来の自分は、過去に未来の自分と出会った記憶が生まれるだけである。親のいる世界に行くには、親の生きている時間帯の未来に行き、親のいる別ワールドへタイムマシンをパラレルシフトさせる。親のいる世界といない世界のワールド間の差異は、時間と共に収束消滅しワールドはやがて一体化する。発明などは邪魔をすれば無かった事にする事ができ、同じ目的の発明が異なる時期、場所、発想、人物で実現される。ただし、小さな流れは変えられるが大きな流れは変えられない。同じ時刻帯のパラレルワールド間の移動は、未来を変える事象を起こした場合、バタフライエフェクトが発生し、そのままでは行く事が出来ない未来や過去の時間軸が増える。バタフライエフェクトは、やがてマルチワールドを一つにする力が働き、同期化する動きが始まり 最小エネルギーを使う形で一つに統合する。散らばった落ち葉が、風で吹き溜まりに一つにまとまるように差異が消えていく。タイムマシンのジャンプやパラレルワールドのシフトに必要なエネルギー消費量は、ジャンプの時間差やその時間帯のパラレルワールドの数、差異の大きさに対して対数的に増える。過去に行き10回戻りピラミッドを建てる場所を10回変えると、10個のパラレルワールドを作った事になる。ワールドの場にはマルチワールドを一つのワールドにする力があり、パラレルワールド間の矛盾を解消させる力が働き、自然災害などの形で9個のピラミッドは一気に破壊する。9個のピラミッドのないワールドは、ピラミッドのあるワールドの世界に近づくように街並みが発展し、差が無くなったワールドは一つずつ統合され、ピラミッドのあるワールドだけになる。自然はすべてのピラミッドと周辺を含む差異を一気に壊して、複数のパラレルワールドを一つのワールドにする方法を選ぶかもしれない。マルチワールドは大きく分けて2種類あり、分岐して作られたパラレルワールドと、もともと別のワールドだ。分岐していくつも作れるパラレルワールドは、メインのワールドから分離した小さな高次元地域バブルのようなものだ。宇宙の全てが複数作られるわけではない。差異が無くなるとメインに吸収される。もともと別の世界とは、0次元から始まる別の宇宙と考えてよい。タイムマシンは未来では発明されていて、すでに現在や過去に何度も来ている。パラレルワールドの認知や変化の差異を発見できないから、何度も分岐・統合している事に気が付かない。努力すれば未来は変わる世界であってほしい。マルチワールドが統合するって事は未来が決まっているのだろうか。統合の仕方を変えれば未来も変わると言う事なのだろうか。未来が現在を、現在が過去を変えるとはどういう事なのだろう。現状が気に入らないから過去に戻って変更してくるのだろうか。未来の情報を持っていれば、過去時点での判断も変わるのは確かだ。近い将来の災害や戦争の情報を知っていれば、そこに家を建てない。タイムマシンのない世界では無理な話だ。今は過去へ情報を渡す方法はない。未来予測や兆候を見つける事しかできない。ガラス窓へ飛んでいくボールやドミノ倒しなどの直近の未来は分かる。周りのすべての要素を組み込めばもう少し先の未来は分かるのだろうか。バーチャル世界を作り、そこにすべての情報を組み込み、時間を倍速にすれば未来を垣間見られるかもしれないが、全ての情報ってのが無理な話だ。そもそも移動時間先の場所を見つけるのも大変だ。地球は自転し太陽の周りを公転し銀河を周回しているから、1秒で数百kmも移動している。ましてや銀河団の移動速度を加味すれば数桁上がってしまう。映画のように何十年も移動してしまっては、移動先で最初にするミッションは、宇宙空間の中で地球を探す事と移動になるだろう。また分岐させてしまったパラレルワールドでは、どの時間軸の世界なのか、別の次元の問題も出てくる。
次の球体では、タイムマシンの話だ。これは興味津々。話を聞いていると行くことはできないが見る事は出来る。ただ単位が宇宙規模だ。地球から見ている星々は数年前から数十億年前の姿を見ている。当たり前の事だ。その時差を利用するだけの事だ。10万年後の過去や未来を見るには、地球から10万光年の所に北と南の極方向と赤道から外方向に4つカメラを設置するだけだ。地球を見れば10万年前の地球が見え、反対側の宇宙を見れば10万年後の宇宙と現在の宇宙との時差から詳細な宇宙の動きが分かる。10万年後までの地球上で起こる宇宙レベルの事件を知る事が出来る。隕石衝突や太陽の異変が事前に分かるとそれに対応する事が可能になる。10万光年先にカメラを設置するとは銀河系の直径と同じ距離だ。他の知的文明との遭遇も終わっているかもしれない。ただそこに設置する方法など通信手段の話はもう終わっているようだ。その辺が一番気になり聞き逃したのが残念だ。地球で人類の農耕文明が始まったのは紀元前約11000年前、文字が使われるようになったのは紀元前3500年前。今後数千年文明が続いたとても2万年にも満たない。その6倍以上のスケールだ。はたして数千年後に人類はまだ存在しているのだろうか。今以上に文明が発達しているのだろうか。戦争して石器時代に戻っていないでほしい。来週の優勝馬を知りギャンブルで有利になる話などではなかったのも残念だ。映画のようにはいかないものだ。
次の球体では、ペアを組んだ相手に情報が光速を超えて瞬時に伝わる。2通りの性質を持ち観測した瞬間に相手はもう片方の性質になる。量子もつれの話をしている。もう何が何だか分からない。素粒子が一番小さい物質だと思っていた。そもそも素粒子と量子は何が違うんだ。実験自体がナンセンスな事かもしれない。ペアの状態を作る時、すでに互いの性質が決まっていれば、いつ観測しても結果は変わらない。2つを地球の両端に隔離して置き、片方を変更した時に同時にもう片方の変化を確認出来たら証明できたことになると思う。
技術的な話や空想的な話が続いた。夢があって面白い。六角柱の面によってカテゴリー分けされているようだ。
また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
こちらの球体では、薬で治癒力を高める話や外科手術の話をしている。失ったパーツを補う為、クローンからの移植、自己再生、機械と交換するなど、さまざまな方法を示している。近い将来の話か未来の話か分からないが医学の発展の話をしている。実現した場合は、オリンピックとパラリンピックとの区分けが難しくなりそうだ。機械と交換した方が圧倒的に有利だ。内臓まで交換できるようになれば、何歳まで生きていくことが出来るのだろう。脳を移植するようになれば肉体は服を着替えるのと変わらない感覚になるのだろうか。生きるという概念は今とかなり違う意義を持ちそうだ。
次の球体では、高温の温泉の中や南極の永久凍土の中にいる微生物、深海の熱水噴出孔の周りに住む生物、中でも金属のうろこを持つ生物、過酷な環境でも生き返るクマムシなどの話をしている。極限環境の生物の話をしている。人間の生活環境からかけ離れた極限環境でも生きていける生物は、活動範囲は狭いが多数存在する。水星や金星、天王星や海王星には微生物が沢山いるかもしれない。
次の球体では、ウィルスにかかったり寄生されたりして行動をコントロールされたり、麻薬などで幻覚を見たりする作用を、有効利用するウィルスと薬の話題だ。何かに興味をひくようなウィルスを作れば、それを知りたいという学習欲が高まる。勉強しなさいなんて言わなくても、知識を得ようとする本能が急激に活発になる、いわゆる頭のよくなる薬だ。そんな薬が出来たら、勉強で苦しむ事も無くなるだろう。
次の球体では、生物の集団移住のような話をしている。原因はいろいろあるだろうが、核や生物兵器の世界戦争で一瞬にして環境が変わったのならともかく、太陽の変化などが数万年単位で事前に分かるなら、テラフォーミングで移住先の惑星の生活環境を作り替えることで対応できる。しかし食物連鎖や工業製品の材料等、全部を移動する方法という問題が発生する。移住人数を制限するにしても 人類存続に最低何人が必要で多様性をどこまで求めるかが問題になってくる。狭い空間の中で何十世代も生活し、一部は冷凍睡眠するにしても一定期間毎にはリフレッシュが必要であり、エネルギー問題も発生する。もう一つの解決策として、惑星型宇宙船に作り変える方法もある。地下に都市空間を作り、太陽の熱から地球のコアの熱へとエネルギー源を変更し、地面の氷から水を作り生命維持をする。しかし惑星を移動させると言うまた別の問題が発生する。そもそも現在の地球環境が維持されているかと言う問題もある。単独で移動する系外惑星は、もしかしたら地下に高度な知的生命文化があるかもしれない。そんな話をしている。スケールの大きな話だ。50億年後の太陽が赤色巨星になる頃の話か、地球と巨大隕石群の交差の話か、かなり未来の話だ。それとも別の惑星の話なのだろうか。
次の球体では、酸素濃度と全球凍結の話をしている。地球は過去に少なくとも3回は全球凍結があった。原因は大量の宇宙線や火山噴火の連続などで雲が発生しで陽が当たらなくなり凍結していった。当然の事ながら生物の大量絶滅も起こる。二酸化炭素を酸素に変える生物はなく、二酸化炭素の濃度が高まり地球温暖化により氷が解け始める。シアノバクテリアなどの生き残った生物が二酸化炭素から酸素を作り出す。生物の進化がまた始まり酸素を使用する生物が増える。ミトコンドリアは全ての生物に引き継がれ、シアノバクテリアは植物の葉緑素として引き継がれていく。上空にオゾン層ができ生物は陸上生活できるようになる。酸素を扱うたんぱく質複合体として動物ではヘモグロビン、植物ではクロロフィルがあり似たような構造をしている。経緯が違っても目的が同じなら同じ構造になるのは当然である。外見に現れる収れん進化が細胞レベルで起きている。生物は酸素濃度が高くなれば巨大化し、酸素濃度が低くなれば小さくなる。節足動物の大きさが酸素濃度と比例していて分かりやすい。恐竜は低酸素時代の生物ではあるが、体が巨大化出来たのは気のうを使う呼吸方法に進化したからである。哺乳類は吸った時のみ肺に空気を入れる。気のうを使う方式では肺の前後に二つ以上の気のうを使い、吸う時に一つ目の気のうに空気を入れ気のうにあった空気は肺へ流れ、吐く時は二つ目の気のうの空気を出し肺の空気が流れてくる。つまり吸入専用気のうと排出専用の気のうの間に肺があり、吸った時も吐いた時も常に酸素を含んだ新しい空気で肺は満たされている。この機能を引き継いだ鳥類は酸素濃度の低い上空でも効率的に呼吸している。進化の多様性は見た目だけでなく構造も変化させている。22億年前の地球の全球凍結の後、一時的に現在の酸素濃度の状態が1億年続き元の酸素のない世界に戻った。酸素濃度は5億年前から現在の21%になり、10億年後にはまた酸素のない世界に戻る。主な原因は太陽の光量増加で、地球温暖化が加速し植物をはじめ酸素を生成する生物が生息できず大量絶滅が起きる。生息しているのは酸素を必要としない嫌気性生物やメタン菌である。地球上で次の知的生命体は、嫌気性生物やメタン菌から進化して生まれる。進化の基準や生態系、食物連鎖は今の常識が通用しなくなり、新しく再構成される。地球誕生後、最初の20億年の間も酸素はなかった。嫌気性生物の細菌や古細菌は、熱水噴出孔から噴出する液体中の溶解した各種の化学物質を、有機物合成し現在も生存している。周辺には食物連鎖の上位にチューブワーム、貝、エビ、カニ、魚類等が現在もいる。嫌気性生物は多細胞生物にはなりにくいとされているが、現在の生物が進化の過程で、酸素をエネルギー変換するミトコンドリアや葉緑体を取り込んだように、食物連鎖の上位の生物が、嫌気性生物取り込めば新しい進化が生まれる。30億年前に知的生命体がいたとしても、地上にあった文明の痕跡はマントルの対流で地殻ごと全て地下に消えてしまった。もしも宇宙に進出する文明まで発展していたなら、月や火星等に痕跡が残っているかもしれない。話の途中で化学式などが出てきた時は次の球体へ行こうかと思ったが、鳥類が恐竜の子孫である根拠を知る事が出来た。人類文明は、地球が太陽に呑み込まれるまで40億年の猶予があると思っていたが、酸素が無くなる10億年以内に地球を脱出しなければならない。現在の環境が出来て5億年、人類が火を使い始めたて12.5万年、人類はまだ月しか行っていない。10億年待たずに地球環境を壊してしまう文明なんてナンセンスだ。
次の球体では、地軸がずれているのはジャイアントインパクト説が有力とされ、現在は23.4度傾いている話をしている。地球の地軸は一定でなく傾斜は数万年かけてブレが一周する。止まりかけのコマがぶれるのと同じで歳差運動と言う。13000年後の北極星はこと座のベガになっている。8400万年前には月やマントルの動きで地球の重心がずれ12.5度以上傾き、ほぼ横倒しになりその後元に戻った。歳差運動でも両極の位置はほぼ変わらないが、多少のずれは発生する。高緯度の氷が解け、閉じ込められていた過去のウィルスやバクテリアが生き返る。新しい生物との共存または生存競争になり抵抗力がない生物は絶滅し別の進化が始まる。進化と絶滅はこんな形でも起きている。地球がほぼ横倒しになった時期があったなんて信じられない。何がどうなったら元に戻ったのかも不思議だ。インフルエンザの菌は解けた永久凍土から渡り鳥が世界へ運び、他の動物を経由して人間に移る。パンデミックは起きてほしくないし科学の力で何とか抑えてほしいものだ。
次の球体では、地磁気は常に移動しているという話をしている。太陽にも磁気があるが直径が大き過ぎて、地球でいう赤道と極のあたりでは太陽内部の流体速度が異なる為、磁場のねじれが起こる。N極S極が複数になり表面方向にも中心方向にも磁場が傾き、裏表を返すように一つに繋がる。これを11年ごとに繰り返し上下逆の双極磁場に戻る。地球では中心にある鉄の塊が回転し磁気が発生する。地磁気が移動したらGPSの計算式を修正し オーロラが低緯度で見られるようにもなる。地球の地磁気逆転の周期、つまりN極とS極が入れ替わる周期は数十万年から数百万年かかるとされている。極が存在したまま移動するのは問題ない。問題なのは極が存在しない又は弱くなる時期がある事である。磁場が弱まると宇宙線が降り注ぎRNA、DNAが傷つけられ突然変異が多くなり進化が加速する。長期化すれば、宇宙線が分厚い雲を作る原因になり地球凍結が起きて大量絶滅になる。地球上の生物は何とも不安定な環境に住んでいるのかと思う。進化は偶然の重なりだと改めて驚かされる。
次の球体では、ウィルスは生物である。生物ではないという定義が変わる話をしている。生物の定義として自己複製があるが、その機能を持っていなくても寄生した生物の機能を代用できれば生物として認めるという話題だ。RNAやDNAの様な設計図を持ち、設計図を宿主に移植し宿主を変形させ、世代交代なしで強制進化させる。例えば両生類の様に海洋生物から地上生物に変形させる。数億年かかる進化を数週間で行う。自分の体を惑星の環境に合わせるのではなく、すでに惑星にいる生物に寄生し、環境や食物連鎖を維持したまま自分の体に適合させる。現存する種から自分にとって都合のいい新種に変形するウィルスは生物と言えるのではないか。地球外生命探査で単細胞生物を発見した時、進化に数億年かかると思っていた生命体が寄生性物の場合、とても恐ろしい事になる。完全な環境分離など100%出来る技術が無い時は、宇宙へ出るべきではないと言っている。今の宇宙船ではドアで中間部屋を仕切り気圧の変化だけである。空気、チリ、水滴、宇宙服に付いたものはそのまま別環境へ移動してしまう。2つの環境の接合部分は、前の環境を完全に焼却処理するなどして完全に消し去り、新しい環境へ作り直す。環境間移動する度に毎回行う。環境間移動する物体は環境再作成の処理に耐えられるのだろうか。なんともNASAが好みそうな話題だ。
次の球体では、ゲノム編集、分子・原子構造編集の話をしている。出来る出来ないの技術的な話と倫理的な話をしている。ゲノム編集された生物で自然環境や食物連鎖が変わるように、分子・原子構造編集でも自然環境が変わる。今まで当たり前に使っていた道具が、突然意味をなさなくなるなど、そんな話をしている。例えば、石油を溶かす物質が発明された時、単独で使えていればいいが、何かのはずみで自己増殖を始め、何かと連鎖反応して制御できなくなった場合、石油だけでなくプラスチックなどの派生製品も溶かし始めたら、今の文明生活が成り立たなくなり石器時代に戻ってしまう。ゲノム解析で赤ちゃんの生態異常、発達異常を発見出来たり、生まれてくる前に治療出来たりするのは有意義だと思うが、肌、髪、目の色まで好みに作り替えるのは行きすぎだと思う。生まれてきた子供の欠点を補う為に、弟や妹を作る救生児やクローンなどは絶対反対だ。優生学も反対だ。多様性が無くなるし、ファッションの流行にように基準が変化する事も考えられる。行き過ぎるとかつてのナチスのように、人種を抹殺しようなんて事が起こりかねない。優生学まで行かなくても人種間の戦争は今でも続いている。悲しい事だ。
次の球体では、生物と宇宙は同じ構成要素で構造が変化しているだけであり、死とは何かを話している。呼吸が止まれば生物としての死ではあるが、記憶から消えるのは二度目の死である。哲学的な話をしているようでもあるが、構成要素の変化が止まった時は宇宙の死であるとも話している。生物が死ぬとバクテリアに分解され素材になるか、他の生物の餌になる。前世があるとすれば一部は素材であると言える。恒星で元素合成され超新星爆発により宇宙へばらまかれる。バクテリアの話やら宇宙の話やら、なんともスケールの大小の幅が大きすぎる話だ。
次の球体では、隕石衝突、巨大噴火、恒星異変、そういった自然現象以外で起こる種属の滅亡の話をしている。病気治療での人口ウィルスや遺伝子操作など、文明がもたらす自然介入の失敗で起こる危機の話だ。兵器にも治療にも使える技術は、ひとたび自然界に漏れ制御不能になると、食物連鎖の途切れ、生態系の破壊が起こりかねない。映画などでは地球外生物の侵略は文明の差があり過ぎ勝てなかったが、古くからあるバクテリアが侵略から守ったというのがある。将来ナノボット、ピコボットが出来た時の自然界に漏れ出して暴走した時を考えると恐ろしい。
次の球体では、染色体や環境ホルモンの話をしている。Y染色体はどんどん短くなり数万年から500万年後には人間のオスとしての機能が消えてしまう。また環境ホルモンの影響で精子の働きが弱くなってきている。自然界ではメスの魚の集団からオスに性転換して子孫を残したりする。Y染色体だけが持つ機能として「胎盤を作れ」と言う命令機能がある。進化してX染色体が肩代わりするようになるかもしれない。又は医学が発展しX染色体に埋め込むように遺伝子操作する事になるのかもしれない。もしかしたら未来人は両性機能を持つようになっているかもしれない。逆な発想をすれば体外受精出産が当たり前で、女性は出産の苦しみから解放されているかもしれない。
次の球体では、地球温暖化 海洋の酸性化 酸性雨などの言葉が飛び交っている。地球環境破壊の話だ。文明が発展すると必ず起きる弊害だ。自然環境を少しずつ壊し絶滅種が増え、限界値を超えバクテリアやプランクトンが生存できなくなっている事に気が付く。食物連鎖が崩壊し食糧危機に陥る。人類滅亡の危機だ。人口肉、人工野菜を作るのだろうか。開発製造する時間があるのだろうか。昆虫食になるのだろうか。昆虫はまだ存在しているのだろうか。世界的に食べるものがない。足元を見ない文明発展は自滅する。怖い話だ。
次の球体では、生物的進化は文明進化が止めている。極端な言い方をすれば退化している。そんな内容の進化と退化の話をしている。社会文明が進み衛生的になった事で、川の水を直接飲めなくなった。途上国の人はそのまま川の水を直接飲める能力が残っている。先進国の人がその水を飲んだらお腹を壊してしまう。免疫能力がかなり落ちてしまっている。PCを使うようになって漢字が書けなくなった。毎日食事ができるようになって栄養素を体にとどめておく必要が無くなったのに、過剰摂取して肥満体になった。いわゆる成人病や現代病にかかっている。本能が文明についていっていない。分かっているのにやめられない。数百年後、人類の文化と体はどうなっているのだろう。人口爆発での食糧危機、人口制御で食糧配給、自然破壊で限られた場所での生活空間。どれを選ぶか、どんな未来にするかは、今考えなければならない。そういう事なのだろうか。
次の球体では、争いで勝つためには強い武器が必要で、戦争の度に科学は発展してきた。人を殺す技術よりも、生かす技術の方を重要視すれば、医学はもっと発展する。そんな話をしている。確かにその通りだが動物の縄張り争いの様に殺し合いまで発展しなければ、別の選択肢も出て来たかもしれない。人類の戦争は恐怖の感情がある為か、将来の反撃にあわない為にも女性や子供まで殺してしまう。動物の縄張り争いの様にけがをした時点でやめるような戦い方なら、治療の医学が発展したかもしれない。
次の球体では、節足動物の中で空を飛べるのは六脚類の昆虫だけである。進化の途中でどうやって翅を手に入れたかを話している。ミッシングリンクの話のようだ。昆虫の翅は完成した形で突然、体に追加されて現れた。進化は突然変異や多様性の中で環境の変化に適した者、つまり、色、形、大きさなど環境に適切な部位を持つ者が世代をかけて自然淘汰されていく。翅に進化する前の部位が別の機能として存在するか、背中側に二対の何らかの兆候があったはずである。昆虫の成長の仕方として脱皮を繰り返すタイプと、さなぎになり幼虫から成虫へ変態するタイプがある。昆虫は外骨格だから脱皮するのは卵の殻から出るようなもので何となく想像できるが、変態タイプはさなぎになって体も食べ物も生活環境も全く違う別な生き物になる仕組みは、大きな卵になって作り直しの様な物である。オタマジャクシからカエルになる両生類の様に徐々に変化させず、さなぎ方式の能力はどうやって獲得したのか不思議である。
次の球体では、動物性プランクトンは捕食、植物性プランクトンは光合成を行うと単細胞生物の話をしている。単細胞生物には動物性と植物性の両方の機能を持つハイブリッド生物までいる。単細胞生物に脳はないが、捕食、分裂または交配で数を増やしている。同じように脳のない普通の植物やコケやシダ類も光合成で数を増やしている。食虫植物には脳はないが虫を採取する機能を持っている。単細胞生物の体には機能別な器官を持っており、多細胞生物は機能別の器官を多細胞で形成している。節足動物は脳と翅や手足を動かす神経の塊をそれぞれの部位の近くに持っているが、単細胞生物には神経に当たる器官もない。脳を持つ多細胞動物は脳がないと何もできない。食べる事、ましてや交尾する事さえできない。これはどういう事なのだろう。何かを失い脳が生まれたのだろうか。周りの状況を把握するために目、鼻が創造され、それを処理する脳が同時に創造され、効率よく捕食し捕食されないように逃げる。バクテリアやプランクトンは闇雲に動いて捕食しているのだろうか。顕微鏡で見ると明らかに意思を持って近付いているように見える。逆に抗菌作用のある所には菌は近付かない。どうやって生き延びているのだ。脳の代わりをするセンサーを持っているのだろうか。そのセンサーの結果判断はどうしているのか。センサーと筋肉のようなものが一体化しているのだろうか。センサーが反応すると好き嫌いを感じるなど進化とは何か。もっとも基本的な事だが解明されていない事が多い。環境に適応した者だけが生き残ると考えられているが、同じ環境に単細胞生物と多細胞生物が同時に存在するから優劣が付けられない。種を超えた多様瀬があり、食物連鎖の生活環境、コロニー、そんな言葉では片付けられない。この人の話はどこまで続くのだろう。生物の進化や環境の話をしている事は理解できるのだが。とりあえず地球は生物の宝庫で素晴らしいって事で終わりにしよう。
医学や生物環境の話が続いた。気分を変えて他を見てみよう。
また六角柱の外に出て右隣の面の真ん中あたりを選んでみた。
こちらの球体では、異文化の交流、言葉が通じない時のゼスチャーの話をしている。イエス/ノーで首を縦に振るか横に振るかが逆の文化がある。アフリカの一部の文化では親愛な挨拶で唾を掛け合う行為があるが、他文化では侮辱した事になり、まったく逆の解釈になる。日本では日光の三猿が代表するように「見ざる言わざる聞かざる」でトラブル回避の方法としているが、欧米では「見ろ言え聞け」で主張をはっきりさせ誤解を無くす文化である。のこぎりやドアも「引く」と「押す」で逆である。救助を求める時、離れた場所にいる人に「ここにいるよ」と言う意味の、両手を上にあげたり横へ水平に伸ばしたり飛び上がったりするゼスチャーは、自然界の動物の基準では体を大きく見せる威嚇行動と変わらなくなる。もしも地球外生物とファーストコンタクトした時、どんな行動をしたらいいのだろう。まずは身を隠してそっと覗き見るだろう、しばらく観察して大丈夫そうだと思ったら、手には「何も持っていないよ」と両手を挙げて「やぁ」って笑顔で声をかけ近づいて行く。熊が襲ってくる時と同じ動作だ。そしたらいきなり光線銃を浴びせられ、ビビビビ、漫画の様に白黒のガイコツの反転映像が何度か見え丸焼けになる。なんて事は避けたい。
次の球体では、生物だけでなく、思想、倫理観は違うからこそ、意見交換し発見や発展につながる。そんな多様性の話をしている。宗教が違えば埋葬の仕方も考え方も違う。例えば喪中期間中に祝い事がある時、おめでとうを言えず質素に祝うなど、故人が生きていれば誰よりも喜んでいるから一緒に盛大に祝うなど、行動が真逆になる事が多い。常識や習慣は場所や時代で変わる。集団と集団、個人と個人、意見が違うのが当たり前であり、お互いに尊重すればいいだけの事。55億人がアイデアを出し合い、身の回りの事でも社会の事でも話し合えば、世の中はもっとよくなるはずだ。でもそれには二つの条件が必要だ。一つ目は皆が教育を受けられる事、二つ目は意見が合わないからと言って殺しあわない事だ。二つ目は相当難しい。今日は世界のどこを見ても戦争や紛争がないって、聞いた事がない。
次の球体では、文明の定義や文明と文化の違いを話している。文明の定義は都市国家が存在する事。狩猟採集に加え農耕があり安定的に食料の受給、都市機能を保つ分担職業、公共施設や住居を立てる科学技術、文化を発展させる文字や学問がある事である。文明は数学、科学、社会制度などの物理的経済的公共要素を指し、文化は文明の中の宗教や哲学、道徳などの精神的生活要素を指す。人類文明の歴史は700万年前に直立二足歩行するようになり、260万年前に石器の使用開始し、180万年前にアフリカから出て、150万年前に野火から火の使用を始め、12.5万年前に火を起こせるようになり、日常的に火を使うようになる。10万年前に象徴表現をするようになり貝殻のビーズ、線刻のある石片、アワビに付いていた化粧の粉などが発掘されている。64000年前に洞窟壁画を残し、20000年前に氷期が終わり、11000年前に農耕が始まり、6000年前に文字の使用が始まる。生活様式で分けると、人類は旧石器時代に道具を使い狩猟採集生活を始め、新石器時代に土器を作り農耕や家畜を行う定住生活を始め、古代時代には都市を形成し文字を使い始めている。文字を使い始めた6000年前を文明の始まりとすればユーラシア大陸、南北アメリカ大陸で、時期はずれるが多発的に独立した文明が始まっている。メソポタミア文明では太陰太陽暦、60進数を使用。エジプト文明では天文観測、測量、幾何学などが発展。インダス文明では青銅器が使用され、建物は決まった規格のレンガで作られていたが文字は解読されていない。エーゲ文明では線文字を使い大理石で作られた女性の像が多く発掘されている。文字はまだ使用していないが、絵や単純なシンボルを使い住居を建て農耕や牧畜を行う11000年前を、文明の始まりとすれば文明発祥の地域はもっと増える。アンデス文明は文字を持たず縄の結び目を利用し数字や情報を表していた。長江文明では16000年前に稲作が始まっていた。最初の人類からホモサピエンスまで生物の分化・進化し、現在の文明まで発展した。文字を使い始めてまだ6000年くらいで文明の発展は加速している。親子の世代差でも道具が進化している事が分かる。20年前にインターネットや携帯電話は存在していなかった。重いダイヤル式の黒電話から電話を持ち歩く時代が来るなんて想像もしなかった。人間が月へ行くなんて明治時代はサイレント映画の世界だった。100年後の2100年頃の世界はどうなっているのだろう。
次の球体では、通貨は、文明交流の物々交換から始まり、貝や石、貴金属、紙幣と変わってきた。情報は長老の口伝や占星術から始まり、石板や本で情報伝達するようになった。通貨、占い、情報などの話をしている。情報の信頼性や詐欺の話もしている。情報は権力者のプロバガンダにより誘導される事もある。欠如した情報により善悪正誤真贋の判断が逆になる事も多い。見た目や権威者の発言に惑わされることも多い。同じ内容でも手書き文字より、ワープロやPCで印刷された活字文書の方が信用度は高くなる傾向がある。過激な発言をするコメンテーターやTV番組でこの食材は○○でXXだから健康に良いなどと放送されると、夕食はその食材を使った料理が出て来たり、翌日はスーパーからその食材が品薄になる。情報をそのまま受け入れる思考停止は危険だ。マスコミの表現は母数か変化の数の片方しか言わない事が多く、放送局の思想が混ざっている事が多い。2倍になったという情報でも、10万人中10人が20人になるのと1万人が2万人になるのでは、意味合いがまったく違う。選挙結果で50%に届きません、50%を超えてしまいましたと言う表現がある。その放送局が、超えてほしかったのか、超えてほしくなかったのか、どちらの思想を持っていたのかが分かる。時間を空けて連呼されるとその思想が、世間の声の様に勘違いしてしまう。インターネット検索では、検索した情報しか出てこないし、自分が気に入る情報しか見ない傾向がある。反対意見や違う見方をする意見は、別の検索をしないと出てこない。一方向の検索だけでは非常に危険だ。世間が自分の意見に賛成しているように誤解してしまう。AIが出来た時、AIだから正しいなんて、何の疑いを持たない人が出てくるのではないだろうか。例えば、占いを信じる人は、あらゆる占いから作成されたAIだからとますます信じ込んでしまう。統計情報に違和感がある時は、情報の欠如などの疑いを持つようにしておきたい。例えば乗り物の安全性は、飛行機、電車、車、自転車に分けた場合、利用時間、移動距離、利用人数、前回の事故発生からの経過時間などを、事故件数で割ると結果は違ってくる。発言者の意思や結果を出すまでの経緯や計算式を理解しないと思考操作されてしまう。情報化社会で思考停止は非常に危険だ。
次の球体では、ユーラシア大陸の河川地域に限定した世界四大文明という通俗的表現は、中国と日本でしか使用していないという話をしている。国際的には文明のゆりかごと表現され、文明の数を規定していない。ユーラシア大陸の大河川地域以外、南北アメリカ大陸を含めると10以上の文明があり、分類方法で地域、言語、文字、文化などの時期に重なりや差異が出てくるからである。例えばメソポタミア文明、エジプト文明は、まとめてオリエント文明や肥沃な三日月地帯と表現する。旧石器時代から続く定住した日本の縄文文化は最古の文明の一つではないかと思う。文字こそなかったが世界では旧石器時代に、土器、磨製石器を使う定住生活し、部分的に新石器時代レベルの文明に発展した。日本人として誇りを持ちたい。氷期が終わり海に囲まれ他の文明と争いが頻繁に起こらなかったのは幸運だった。明治維新で漢字、ひらがな、カタカナを整理し他の文化を受け入れて発展した文化は素晴らしい。今では仏教や神道の正月、イスラム教の断食、ケルト属のハロウィン、キリスト教のクリスマス等の多宗教の文化も受け入れている。しかも古くからある四季を愛でる日本の文化も残っている。しかし、他国を侵略した過去は残念である。半世紀もの間、戦争を行わず他国を尊重した平和国家を、今後も続けてほしい。
次の球体では、古代文明が滅亡した理由はほとんどが気候変動である。中にはアンデス文明やインカ文明の様に中世の大航海時代に滅亡したのもある。黄河文明の様に現在の中国まで続いているのは珍しい。いろいろな話をしているが、シュメル人の話が中心のようだ。世界最古のシュメル文明は都市国家連合でメソポタミア文明の基礎になった。くさび型文字の発明、高い建築技術、灌漑農業技術、数学は60進法を使用し後のバビロニア数学へと発展する。文字で知識を共有し一斉に発明合戦が起こり一気に文明開化した。時期は1000年くらいずれるが世界各地でその土地での文字が発明され、同じように建築や数学が発展する。今まで何の痕跡も兆候もなく土台となった文化もなく260万年以上続いた石器時代から、いきなり文明開化したのには何があったのだろう。最後の氷期が10万年続いたから農耕できないし天文学も数学も必要なかったと言えばそれまでだが、まるで誰かに教えられたかのように感じるのは不思議でならない。
次の球体では、農耕が始まったのは17000年前、世界各地で農耕を始めた8000年前から中世まで、あまり発展していない天文学や数学の歴史の話をしている。数学は徐々に発展していった。学校で教えている数学レベルは、大雑把に言うと石器時代の知識は小学校、古代の知識は中学高校、中世・近代の知識は高校大学で教えている。数学を使用する天文学は宗教が邪魔をしていた。地動説・天動説や医学等、宗教の教えと異なる現実は布教では害でしかなかった。数式が沢山並び、トリビアも沢山出てくるが、殆ど分からない。計算式の表記で掛ける意味のXより、ルートの表記が先だったのは驚きだ。割り算の表記は国によって÷、/、:が使われ ÷は日本、アメリカ、イギリスの3ヶ国しか使っていないのにも驚いた。
次の球体では、人類は180万年前にアフリカを出て地球上に散らばった。移住先では何から始めるか。そんな話をしている。集落はある程度の人数を超えると食量不足になる。動物の世界でも子は親離れして新しいなわばりを持つようになる。人類は移動しながら水や食料の確保、道具の手入れをしながら新天地を探した。石器時代では道具はそんなに持っていなかったから移住先では、まず住居を探す事から始めた。洞窟の岩場で石器を磨き狩りに勤しんだ。農耕が始まる時代では移住先に住居を建て季節を計るようになる。人口が増えれば灌漑用水を敷き集会用建築を作るようになる。現在の人類が片道切符で他の惑星で生活する事になれば何を持って行くのか。当然、移住先の惑星には人類が食用できる水、動植物がなければならない。なければ持って行くとしても、食物連鎖は維持できる量と種類は膨大になる。移住先で文明を維持できるのだろうか。知識は存続できても道具はいつか壊れる。代用品を作るのか。修理できるのか。ICチップが壊れる等、移住先で手に入らない物はどうするか。数世代も経つと持って行った文明物は全て使えなくなる。使えなくなった道具は使用方法も伝授されなくなり風化し朽ち果てていく。金属カバーなどは解体されナイフとして使われるようになるかもしれない。本来とは違う使われ方をする道具が沢山出てきそうだ。高度文明の知識は伝説となり、やがて神話となる。そう考えると古代からある神話は高度文明の名残かもしれない。シュメル人は宇宙人説なんてくだらないと思っていたが、SFの世界感から見るとロマンがあって面白い。
次の球体では、神話、伝説、世界中の童話や昔話は、子供に話せるように話が丸くなったという話をしている。伝承された元の話の内容は下ネタ、社会風刺から始まったと考えられている。特に社会風刺は絶好の酒の肴である。伝説は事実に基づくと言われるが古くなりすぎると神話と区別がつきにくく、神話は宗教と結びつける事が多い。神話は必ずと行っていいほど星座と結び付き、古代文明にはそれぞれの神話がある。神は人間をはるかに超越しているのに、神話に出てくる神はどれも人間的すぎる性格をしている。元は実話だったがやがて伝説になりいつのまにか神話になったと考えれば辻津が合うが、元が人間だとすると変身したり自然を動かしたり人間にはできない事が多すぎる。話半分として楽しめはそれでいいのだが、古代文明の人は発想が豊かすぎる。もしも実現できる技術があったとしたら、その高度文明の技術はどこからきたのであろうか。
次の球体では、壁画、石板、紙、写真、CD、DVDと情報伝達媒体の歴史や、未来へ情報を伝える方法が話題だ。消えてしまった言語の話もしている。書物は古くからあるが保存状態が悪いとすぐに朽ち果ててしまう。写真、CD等も紫外線に弱くパリパリになって砕けてしまう。インダス文明の文字などはいまだに解読されていない。放射能廃棄物や今後発生する長期保管物質は数百年から数万年もの間、管理する必要がある。数万年後も文明が継続していればいいが、途中で切れた場合、ここは危険だから近付くな。このメッセージを伝える方法を模索している。石板の文字は数万年ほど残りそうだが、風化して読みにくくなったり地表に埋もれたりする。インダス文明の文字の様に発見されても解読されないかもしれない。ピクトグラムも考えられるが、郵便ポストマークの様に文化が違うと通じなくなる。いろいろな図案を出しているが、どれも違った見方をすれば、マークがある事によりかえって興味を引き近づき地面を掘り返す行動をさせてしまう。ドクロマークなら、お墓だと思い何か一緒に埋まっているかもと、掘り返してしまう。厳重な箱に入れ中が見えるようにしてもしなくても、興味津々で開けてしまう。周りに死体の石像をたくさん並べておくと、かえって注意を引いてしまい原因を突き止めようと近づいてしまう。いっその事、海底からマントルまで穴を開けて混ぜて溶かして、穴を埋めて蓋をして、何もなかったように見せかけるか。いろいろな方法案が出るが決め手がないようだ。なんとしたものか。再利用する方法を探るしかないのだろうか。文明の発達と供に、いくつもの言語が消えてしまったのも残念だ。日本でも方言が無くなりつつある。方言は感情表現が豊かでニュアンスが伝わりやすい。多言語でも豊かな特徴があったはずだ。なんか寂しい。
次の球体では、古代遺跡では必ずと言っていいほど巨石を使用している。神殿の大きな柱もある。どの遺跡もわざわざ遠くからそこまで運んでいる。どうやって加工したか、どうやって運んだか、どうやって積み上げたか。そんな話をしている。単純に人数と日数を掛ければ出来るという話ではなさそうだ。坂道を作り石柱や木材でレールやコロを作りその上に乗せて移動させる説があるが、裏付ける壁画も石板もない。何十トンもある巨石を数百人で引っぱったのであろうか、レールやコロは重さに耐えたのであろうか、埋まって使い物ならないなど、現実的には考えにくい。中世ではレンガなどのブロックを積み上げる事で、巨石を使う技術が消えてしまったのは残念だ。サクラダ・ファミリアは100年以上かけても未完成だ。スペイン内戦で資料が散逸しガウディの弟子や職人の口伝、残った僅かな資料から思想を引き継ぎ作業されている。古代遺跡は何十年にもわたって口伝だけで構築できたのだろうか。設計図、建築技術、数学無くして作られたとは考えにくい。古代遺跡のある文化には農耕の知識があり、その為に天文学が発達した事は理解できるが、紀元前5000年の建築技術や数学が中世と同等レベルに見えるのは不思議だ。不思議ついでに世の中にはオーパーツと言われる物がある。壁画やヒエログリフの中にUFOやヘリコプターが描かれているなどの発言はナンセンスだ。浮世絵の中の人物が手に持った紙を見ているのを見て、携帯電話を使っていると言っているようなものだ。ただオーパーツの中にはその時代にそれをどんな道具を使い加工して作ったのか不明な物がある。殆どが巧妙な模造品であるのが残念だ。巨石遺跡のモニュメントの並びが30進法の表現の並びとなんとなく似ているのも気になる。順番にたどると何か新しい発見が、なんて考え始めるとロマンにあふれ眠れなくなりそうだ。
次の球体では、アイデアに行き詰まった時は、自然を観察する。そんな話題だ。物理学、医学、化学など、48億年の歴史が物語っている。動植物の形や機能は効率的に進化し無駄がない。沢山の例を挙げて会話しているが、どこもこれも数式が絡んできてさっぱり分からない。例を挙げて説明している結論だけは分かるが、途中経過が全く理解不能だ。
次の球体では、愛、優しさ、絆、仲間、家庭といった単語が沢山出てくる。文化、社会の歴史、発展の話をしている。アリや蜂は集団で教育や育児を行っている、教育の半分くらいは本能が占めるかもしれないが、コロニー毎に少しずつ異なる。役割分担があり、コロニーを守る為にすぐに戦闘態勢に持って行けるように、サボっているように見える兵隊役や救護役が何割かいる。一夫多妻制、多夫一婦制、一夫一婦制で子育ての仕方は変わってくるが、人間の場合、圧倒的に一夫一婦制が多いのは確かだ。離婚という問題もあるが、教育は学校の集団環境で行い、性格形成や育児は家庭が担当するのが基本だ。社会が発展してくると、一人であれもこれも教えるのは難しい。そもそも親が全て知っているなんて事はありえなくなった。文明社会では専門性が必要になり役割分担が発生してくる。だからこそ協力体制が重要であり絆が生まれる。愛や優しさだけでは生きていけないが持っていないと社会からはみ出してしまう。誰かを守るために背伸びして頑張るからこそ、個人も成長する。社会の発展も個人の発展も、結局は同じ事だと思えてくる。
次の球体では、錯覚が題材か、視覚、聴覚、味覚など。だまし絵から始まり長さ、色、遠近。大小や大きさ、高さ、映画などの効果音。これは見ているだけで面白い。暇な時にインターネットでよく見に行く分野だ。ずっと見ていたい。後でまた来よう。
次の球体では、クイズをやっている。赤い帽子が3つ、白い帽子が2つ、3人が暗室に入ってそれぞれ帽子をかぶり出てくる。自分の帽子の色は見えないが、それぞれの他の二人の帽子の色は見えている。自分がかぶっている帽子が何色か聞かれた時、一人目二人目が分からないと答え、3人目が何色と答えるかの問題だ。確率ではなく論理的に考える問題だ。分からないと答える理由を考えるクイズだ。一人目二人目が残りの二人の帽子を見た時に、両方とも白でないから分からない事に気が付けば良い。3人目が白い帽子をかぶっていたら、2人目が赤と答えてしまう事になる。3人がかぶる帽子のパターンを書き出し、順に消していくと3人目は赤しかない4パターンが残る。次のクイズは3枚のカードの中から当たりを選ぶクイズだ。3枚の中から1つ選び、主催者が残りの2枚の中からハズレカードを1枚だけ表にする。その時、最初のカードから裏返っているカードへ変更するか。という問題である。確率から言えば3分の1が2分の1になる。変更した方がいいのかそのままでよいのかどっちでもいいような気がする。考え方を変えれば、10億円宝くじを1000万枚の中から1枚選ぶと考えればよい。主催者は選ばれたカード以外のハズレを1枚だけ表向ける。これをずっと繰り返し最後2枚になった時、最初に選んだ1枚が当たりとは思えない。確率は関係なく感覚的に変更するだろう。次のクイズは5人の証言から誰が嘘をつき真実を導き出す問題だ。もういい。頭が痛くなる。
文化的な話が続いた。次は何があるのだろう。
また六角柱の外に出て右隣の面の真ん中あたりを選んでみた。
この球体では、理性、感情、本能に関する言葉が飛び交っている。極端に一言でいえば、理性は善悪、感情は好き嫌い、本能は肉体的行動である。理性では分かっているが感情に流されて失敗する事が多い。喜怒哀楽を動物の本能に例えると、喜は食事、怒はなわばりを守るための威嚇、哀は求愛行動の失敗、楽は狩りやその学習とも言える。感情がなくても本能だけで子孫繁栄は出来る事になる。他にも恐怖や驚きは逃げると言う生存本能そのものである。愛情の裏返してある嫉妬や憎悪は相手がいるからこその本能だ。単独行動では発生しない。ここは感情の必要性の話題だ。人間だから本能から発展して集団社会を円滑に進める為、相手の感情を読み取り音で複雑な意思疎通を図るようになり、言語や文字が生まれた。言葉を話す人間と霊長類と他の動物の違いとして片付けていいのか。犬や猫はペットとして飼われているから感情は分かるが、海洋生物、虫、植物はどうコミュニケーションを取るのか。将来、人型ロボットができた時に感情は必要か。出かける時に寂しがったり、家事を渋ったり、部屋を散らかしたら怒ったりする事は必要か。軍用ロボットなら感情が不要なのは確かだ。軍人は仕事として割り切って感情を殺していても、トラウマやストレスからPTSDに悩む軍人が多い。逆に軍用ロボットに殺人の快楽感情を与えるなんて恐ろしい。そもそも機械に感情を与える事なんてできるのか。感情からくる単語や言葉使いの出現回数から過去の回数と比べて今日の感情をくみ取り、心地よい単語でリラックスの表情、不快な単語で怒りの表情、ほめる単語でうれしい表情などは、作れるかもしれない。作られた表情の意味を理解させる事は難しそうだ。もっとも理解していなくてもロボットが人間の表情や感情を読み取り、ロボットが演技する事でコミュニケーションが取り易くなることは確かだ。物事の判断は理論的、感情的どちらを優先するのが正しいのか。善悪、正義、損得は立場が違えば逆転する。幼児や子供の教育用ロボットなら難しい言葉を並べて説得するより、感情をあらわにした方が伝わりやすい事は確かだ。人型ロボットへの感情搭載の有無はケースバイケースって事だろうか。
次の球体では、科学の為に人間を実験や娯楽のための狩りの対象にしないなら、動物も同じようにするべきである。動物実験や娯楽としての狩りの話をしている。動物に感情がないわけではないし、痛みも感じる。最近は動物愛護団体活動で、なくなってきているがゼロではない。科学が発展させシミュレーションで済むようになってほしい。
次の球体では、科学と宗教は互いに反発し、ある時は利用し発展してきた。科学技術が発展したら宗教は消えてしまうのか。愛、不安、恐れ、悲しみなど、精神面は科学では補えない。そんな話をしている。将来AIができた時にAIが言う事だからって黙って従うのか。そもそも人間が作ったもので完璧な物なんて有り得ない。神が作ったとされる人間でさえ、この有様である。人それぞれ価値観が違うのだから、AIが出す結論も設計者の数だけ出てくる。統合されたAIができた時に問いてみたい。一番偉い神様は誰かと。誰と答えるのだろうか。想像的な創造物は比較する事に意味がないとでも答えるのだろうか、それとも全く別の答えが返ってくるのだろうか。気になるところだ。
次の球体では、資本主義、社会主義、王国など、最終的にはどの制度が国民にとって幸せなのか、社会と哲学の話をしている。資本主義では貧富の差が存在し、弱者を救う為には社会主義的になる。今か未来か、現世代か次世代の子供たちか、どちらの世界を優先するか、選挙ではいつも話題になる。意見が分かれて決断まで時間のかかる民主主義。トップダウンで何事もすぐ決まる独裁主義は、暴走したり反対意見は抹殺される。権力は自己保身に走りがちになる。何が正義かずっと争ってきた話だ。国民の生活を第一に考える国王や独裁者が存在し、全国民が幸せな国家がするのも現実だ。忖度なしで心底幸せだと言う国民がいる国家もあれば、幸せ発言を強制される国民がいる国家もある。自己防衛や他者防衛で起こした犯罪の罰はどの程度か、自分が起こした暴力を倍返しの罰として受けさせるのは残酷で野蛮か。法律や倫理観は時代で変わるし、変わるべきだ。ただ多数決はある意味恐ろしい。反対意見はなかった事になるし、感情に流され易く社会の分断、内戦、戦争に発展する。国民投票や武力を使わないクーデターがいいとも言い切れない。最悪、無政府状態になり収拾がつかなくなる。たぶん複合体でアクセルとブレーキが同時に働き国民第一主義が正解なのだろう。何も決まらないのも困る。要はバランスの問題だが価値観は育ちで違ってくるから、永久に結論は出ないだろう。
次の球体では、グローバル化とローカル化 理想主義と現実主義。そんな言葉が飛び交っている。目的と手段の切り分けの話のようにも聞こえる。互いに真逆の事を言っているが、目指している方向は同じで手段は一緒だ。そんな話をしている。アプローチの順番、作業の順番が違うだけで最終的には同じ作業をしている。優先順位の付け方の違いである。戦争か会社経営の話か分からないが戦略、戦術の話をしている。優先順位が低いから無駄、価値が低いと言う事ではない。輸出する工業製品でいえば、共通部分はグローバル化、国別の差異はローカル化と両方必要である。理想と現実も目標と手順と言い換えれば、両方必要である。複雑な問題も細かく分けて単純化すれば解決しやすい。分かってはいるが、実社会ではしがらみが沢山あって、思い通り行かないのが現状だ。
哲学的な話が続いた。永遠に解決できそうもない問題ばかりのような気がした。
また六角柱の外に出た。側面6つ回ったから今度は上の面に回ってみた。この面は今までの底面や側面と違って凸凹している。とりあえず真ん中あたりを選んでみた。
この球体では、素材として有機物の存在、ハビタブルゾーンの中は当たり前なのだが、有機物の混ざった液体が混ざり合わないといけない。そういう生命誕生の話をしている。惑星起源説では、惑星の長楕円運動や衛星との重力変化で起こる潮汐や、地軸の傾きによる季節の変化で有機物を含んだ液体をかき混ぜるなど、そういう要素が必要だ。穏やかな海では有機物の合体は起こりにくく生命の誕生という奇跡は起こらない。惑星外起源説では、生命の元に当たる物または原生生物を含む隕石が惑星に漂着し環境が合えば進化していく。アミノ酸の構成物だけを集めさまざまな環境を作り無限に振っていれば、やがてアミノ酸が構成されそのうちにたんぱく質ができるなんてありえない。例えば縦横高さが5個の125ピースの立体ジグゾーパズルを永遠に振っていれば、いつかは完成すると言っているようなものだ。どちらにせよ最初の生物はどうやって発生したかが問題だ。SF小説では、高次元宇宙から高次元文明の高次元生命体が、低次元の3次元宇宙を作り、将来の為の冗長性、環境に対応できる汎用性、環境変化に対応できる自己改造機能を持つ、多種類の生命基礎の種をばらまいて実験していると言う話を読んだことがある。生命の共通起源であるLUCAの話もしている。そこから古細菌、細菌、真核生物へと分化し進化していった。生命のエネルギー源として酸素、水素、メタン、アンモニア、硫黄などがあり、それぞれに進化して今も生きている。そもそもの話として生物の定義の話もしている。外部と膜で仕切られている事、代謝する事、自己複製する事の3要素だ。そうなると鉄錆とカビの違いも難しい。もしかしたら鉄錆が進化したら金属生物になるのかもしれない。とりあえず言える事は地球上の生物の誕生は、ありえないくらいの偶然に偶然が重ならないと実現しない確率という事だ。
次の球体では、他の文明との接触する条件や時期を話している。無線が発明され商用ラジオが始まったのが1920年頃だから約80年前、実験を含めると宇宙へ電波が飛び出したのは100年前になる。SETIが人工的な電波を探している。100光年以内に電波を受信送信する文明があれば、向こうからの何かしらの信号が届くのは100年以内になる。まだ受信できないと言う事は、往復100年の50光年以内には文明がない事になる。受信しても発信していないだけなのかもしれない。100光年以上離れていても、100年以上前から電波を出していれば現在でも受信することが出来る。電波の発信方向は分かるが、発信時期は太陽周回の視差から割り出した距離から判断するのだろうか。PCにSETIソフトを走らせ、1件当たり1週間から10日ほど処理時間がかかっているが、これで見つけられると思うとワクワクする。知的生命文化の痕跡を見つけたい。気になるのは高度文明が無防備に宇宙へ電波を垂れ流しするのだろうか。自然界の動物世界では捕食されないように自分の存在を隠している。ここにいるよって気安く発信していいのだろうか。侵略的な文明に見つかったらと思うと不安になる。
次の球体では、宇宙の年齢の話をしている。天の川銀河はビッグバン後、数億年から10回以上の合体を繰り返して直径10万光年の今の形になった。銀河のディスク方向以外に10本以上の帯を持ち過去に合体があった事を示している。渦巻が壊れない程度の小さな合体を繰り返し今の形になった。40億年後には直径22万光年の渦巻型アンドロメダ銀河に呑み込まれ合体し、60億年後には一つの大きな楕円銀河になる。どの銀河も合体を繰り返し大きくなってきた。ビッグバン後から時間がたつほど合体の頻度は下がるが合体する規模は大きくなる。宇宙の年齢は138億年で天の川銀河もアンドロメダ銀河も10回から20回の合体を繰り返し大きくなってきた。平均して5から10億年に一度の間隔で合体している。最大の銀河は10億光年離れたIC1101で直径がハローを含めると500万光年もある。銀河系の50倍もある。銀河間の密度の高いところにいたのだろうか、一桁大きい。天の川銀河の合体形成と同じだとすれば10億年間隔で合体を繰り返し直径500万光年の大きさになるには、IC1101は100回以上合体を繰り返してきた事になる。直径2000光年の小さな銀河が毎回綺麗に2倍になる合体を繰り返したと考えれば十数回で500万光年にはなるがそんな偶然は考えにくい。宇宙は膨張して現在の実質直径は約940億光年である。実際に観測できるのが150億年ほどだから、940億光年先は光でも届かない距離だ。膨張を続ける宇宙は1000億年後にはそれぞれの銀河団は合体して一つの楕円銀河になると考えられている。IC1011は一足先に小さな銀河団が一つになったのだろうか。ビッグバン説の138億年では1桁足りない。中心のブラックホールは合体を繰り返して大きくなっただけなのだろうか。最初のブラックホールが出来るまでの経過時間が必要になるのではないか。桁違いの銀河があるなら桁違いのブラックホールも単体で存在するのではないか。宇宙年齢は1380億年であり現在の実質直径は9400億光年になっているのではないか。どう考えても距離と時間が合わない。どういう事なのだろう。
次の球体では、ブラックホールの中心は、押し固められ何物も動く事が出来ず、割れやすい絶対0度の個体である。あんなに小さくなる事が出来るのは、物質の隙間が単に無くなったからであり、重力をも寄せ付けない冷エネルギーが微動だにする事を許さない。冷エネルギーの周りに張り付いた重力エネルギーの一部は、180度反転し反重力エネルギーとして放出される。重力は距離に比例して急激に小さくなるが、反重力は非常に微弱な力であるが重力よりも遠くまで影響する。重力により銀河は構成され合体を繰り返すが同時に反重力も働いている。しかし重力の影響する距離では圧倒的に反重力は弱く、銀河内程度の距離ではそれぞれの反重力は相殺されて消えてしまう。銀河団程度の大きさになれば、銀河団間の反重力の向きがそろいお互いに離れていく。この力が宇宙を膨張させている。また冷エネルギーは重力エネルギーがある限り、わずかではあるが反重力エネルギーに変換される。時間をかければブラックホールは消えてしまう。物質の直径と距離の比率は、銀河団間も銀河間も惑星間も元素間も素粒子間も同じように1対13桁前後もある。約40億年後に天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突する時も惑星の衝突はほぼ起こらない。ブラックホールの衝突、冷エネルギーの合体は、押し固められた2つの物質も一つに一瞬で質量順に並べ替えられる。その時、周りに重力の乱れを多少起こすくらいだ。冷エネルギーの表面では、重力と遠心力でバランスを取っているが、回転する最大円周部と極部の重力バランスが壊れ、表面の熱エネルギーが冷エネルギーと接触すると、十数桁以上の温度差により巨大な反重力状態になり、宇宙構造のボイドになる。これはホワイトホールの話かもしれない。超新星爆発で元素を宇宙に放出するのとは違い、ボイドを作りその周りに素粒子レベルの物質を並べた状態にする。反重力で押しのけられた物質通しは、近づいたら重力が働き合体する。宇宙は部分的に絶えず破壊と創造を繰り返している。重力と反重力は、磁石のN極とS極に似ているが、力の大きさに大きな差がある。大きさが違うからこそ毎回結果が異なり、アンバランスだからこそ絶えず変化が起こり多様性を産むという事なのだろうか。
もう私自身、何を言っているのか分からなくなってきた。少し頭を冷やそう 六角柱から外に出よう。
何年か前に世界の人口が55億人を超えたというのをニュースで見た。球の数からすれば約45人に1人が連れてこられた事になる。文明の網球をみれば、古今東西、時代劇に出てくるような服装の人もいたから5000年前、文明らしきものが出来てからだと15000年以上前から来ている事になる。過去の地球上に人類以外の文明あれば、その文明の網球も作られているのだろうか。進化の樹木球を見れば40億年以上前から来ている事にもなる。そもそも中に入っているのは人間だけなのか。動物、植物、虫等あらゆる生物が入っているとすれば、これはノアの箱舟か。いや、ノアの箱舟なら私が選ばれる事はないから違うな。イルカ、クジラ、タコ、イカ、蜂、アリとも会話しているのだろうか。そもそも目的は何なんだろう。
六角柱に並んだ半透明の黒い球体の塊は、濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
球体の中の人達といつか話ができるのだろうか。名前も住所も知らない。この不思議な体験の記憶は消されてしまうのだろうか。もしも元の世界に戻るとしても、私は暗記が苦手で強制的に記憶を消された事を忘れた頃 何かを思い出し、この話しても誰も信じまい。こんな体験をした人いますかって、世の中に問うには無理がある。変人扱いされるだけだ。なんか疲れた。他の球体では数式を使い高等な会話をしていた。私は会話さえ出来なかった。話の相手はどんな姿をしているのだろう。そもそも何の取り得もない私がなぜここにいる。誰かの近くにいたから一緒に引っ張られたか。でもそれを知ったところで何も変わらない。何も解決しない。
銀色の球体、グラデーション円柱、文明の網球、進化の樹木球。これらはどこから出てきて、誰と会話しているのか、やっぱり気になる。こちらの考えは読まれ、向こう側は対応をするのだが、どうもしっくりこない。文明の差がありすぎると遅れた文明からは、進んだ文明が魔法に見えると聞いた事がある。今から500年前の世界に行き、髪でイアホンマイクを隠し離れた二人が会話すれば、テレパシーを使っているように見え、ビデオカメラを持って行き、昼間撮影したものを夜にプロジェクターで壁に映し出せば、時間を操作して過去を見せる魔法や、翌日に映像と同じ動作をすれば未来を見せる魔法に見せかける事が可能だ。
知的生命体は、この広い宇宙には多数存在しているのが通説だが、知的生命体自信がわざわざ何世代も時間をかけて地球へ来るくる事はなく、高度に進んだいわゆるAIロボットがくるだろう。そうなるとやっぱりおかしい。機械と私がテレパシー等で会話した事になる。サブリミナル効果、だまし絵、空耳、視覚聴覚味覚の錯覚、思い込み、プロパカンダなどで考えや思想を操作できる事は確かだが、これは何が起きているのだろう。
学生の頃 雑誌でハンググライダーを知った。いつかやろうと思ってまだ飛んでない。今やればいいじゃん。そう言われるかもしれないが、時間とお金の問題のせいにしてまだ飛べてない。最近では飛行をコントロールできるスポーツカイトがあり大型化してカイトサーフィンやカイトライドで遊んだりできる。
春の花吹雪、秋の落ち葉。重力に逆らって風に乗ってふわっと、ずっと水平に飛んでいるものがたまにある。中にはどんどん上昇していくものである。ましてや台風で飛ばされる屋根はどう見ても飛ぶような形をしていない。強風だからと言えばそれまでだが、通常は屋根も壁も剥がれればそのまま落ちる。多少は風で流されるが、どういう状態になれば100m以上飛ぶのか知りたい。共通点はなんだろう。
動力飛行機で最初に飛んだのはライト兄弟だと知っているが、人工翼をつけて最初に飛んだのが、ヘザルフェン・アフメト・チェレビだったと知ったのは最近だ。ずっとオットー・リリエンタールだと思っていた。今から400年も前にダビンチや鷲を研究し3000mも飛びボスポラス海峡を飛び越えていた。ただ設計図やイメージ図のような物さえ残していればチェレビや、江戸中期の浮田幸吉も、もっと知名度が上がっていただろう。気になるのは浮田幸吉の場合、空を飛び大騒ぎになったことが罪に問われ、住んでいた所から追放された。追放先でも飛行しまた追放されてしまった。大騒ぎを起こしたから、空を飛ぶ発明がダメだなんてありえない。増してや騒ぎを起こした発明だからと、罰を与えられるなんて現代ではありえない。後押ししていれば航空産業は日本発祥になっていたかもしれない。もったいない事をしてしまったものだ。
最近、ずっと飛び続ける紙飛行機をTVで見た。紙飛行機のすぐ下に大きな板を斜めに持ち、歩きながら上昇気流を起こし板からの気流に乗せるのだ。
凧の発明は紀元前4世紀の中国が定説だ。糸で引っ張る力と風力のバランスで空高く上がる。糸に重りをつけ、その糸をどんどん短くして凧の重心とのバランスを取れば自立して飛びそうだ。鳥のように上昇気流に乗りソアリングして、風に乗れば上昇するかも。空ing、soraing、rとaを入れ替えてsoaring。なんて覚えたかな。滑空する猛禽類や渡り鳥は1kg以上、大型であれば15kg以上もあり、A4サイズの紙は数グラム。重さだけを比べれば、絶対紙飛行機の方が有利だ。発泡スチロールと重りで鷹や渡り鳥の模型を作れば空を飛びそうだが見た事がないのはなぜだろう。1回飛ばしたら降りてこず視界から消え行方不明になり、コストに見合わないなどの理由なら悲しい。紐をつけて鳥型の空を飛ぶおもちゃがあってもいいはずだ。進化したスポーツカイトだけになってしまったのだろうか。羽ばたかないで飛ぶのはグライダーだけなのか、フラップのない紙飛行機では風に対する微調整ができないから上昇気流に乗れないのか。飛距離や滑空時間のギネス級の紙飛行機は力任せで飛ばすから方向性が違う。投石距離と紙飛行機の飛行距離の差が本来の飛行距離になると思う。
私は今でも数年おきに、何かに取り付かれたように暇を見つけては紙飛行機を折っている。生まれて初めて紙飛行機を飛ばした時は衝撃的だった。弟がどこかから仕入れた槍型紙飛行機の折り方の知識だったが、自分で作った物が空を飛ぶ。後ろの角を上に曲げ強く投げれば宙返りもする。小学生の頃は友達と長距離飛行を競争し、全体を細くしたり先端を折り返し重くしたりして、改良を楽しんだ。中学生になると多少の知識が付き、紙飛行機の折り方の種類も増え、新しいタイプがよく飛ぶと嬉しかった。中には考えだけが先行し、期待していたより飛ばないのもあった。なぜだ。それが楽しかった。紙飛行機は遊びであり、メモを取り研究するような真面目な性格ではなかったから、似たような失敗は何度もしている。毎回、基本からやり直し、細かい事は覚えていないから思い出し半分、新しい発想が半分。メモを取らないメリットはここにある。過去の発想にとらわれずに済む。まずは折り目を付けない紙を落とす。当然くるくると舞ってどこへ落ちるか分からない。1回だけ折る方法。強く折る、緩く曲げる、半分に折る、片寄って折る、斜めに折る。どんな折り方をしても折り目を付けない時とほとんど変わらない落ち方だ。片寄った折り方をすれば落ち方も片寄ると思っていたのは間違いであった。1回だけではどうにもできない。ただ対角線に半分に折り、両端を繋げるように差し込み筒型にすると真下に落とすことが出来る。またクシャっと丸めても真下に落とすことが出来る。筒型に差し込む手間をカウントしないとか、丸めた時は折れ線が無数にでき、1回だけ折った事にするのかは判断が分かれる。次に2回折る方法。クロスするように折る、平行に折る、平行にならないように折る、幅を変えて折る、角度を変えて折る等バリエーションは一気に増える。2回折った時も折り目を付けない時と変わらず殆どがくるくると舞ってどこへ落ちるか分からない。今度も片寄った折り方をすれば落ち方も片寄ると思っていたが、2回だけでも片寄らす事は殆どできない。左右対称性を持たせれば、回転せず安定した落ち方をするのがいくつかある。その一つに紙の短辺をハの字に上向き90度に折る方法だ。水平にしてそのまま手を離すと、回転せず少し前へずれながら落下する。多少雑に折っても回転しないのは不思議である。水平以外の落とし方だと回転しどこへ落ちるか分からない。次に3回折る方法。3回も折れば方法は無限になる。短辺を長辺方向へ2回折り正方形にしてから縦に半分に折る。3回折る事で重心を付けられ、滑空させることが出来るようになる。紙飛行機を折っている時は毎回何かの目的があり、滑空時間を延ばす事を目指す、槍のように真っ直ぐ飛ばし的に当てる、折る回数を減らしどこまで単純化するか、見た目の格好良さを目指す、奇異な形を目指す、飛ぶ事よりも鳥、戦闘機、スペースシャトルに似せた形重視だったりした。そこそこ目的を果たせたり1ヶ月ほどしたら飽きてしまうのか急に興味が無くなりやめてしまう。いつの日か海に浮かぶヨットのように、風に乗せてふわっと浮かぶように飛ばしたい。動力のない紙飛行機に揚力を持たせたい。後ろの角を上側に丸みを帯びたように少し曲げると下向きに力が働き、紙飛行機の重心より前半分が上がり、迎え角が付き揚力が発生する事は知っている。紙飛行機には推力が無いからこれを積極的に利用して空中に浮かせたい。
誰でも作れる単純構造の小型風力発電も作りたい。水平回転の360度タイプで板を組み合わせるだけの構造で、形は上から見るとZ型、上下2段にして90度ずらして取り付ける。単純構造だから誰でも作れる。上側に光発電をつければなお発電効率が上がる。乾電池充電には利用できるだろう。発展途上国では一家に一台、すべての街灯に取り付けるなど、公共施設に常設しておけば災害時などに蓄電池の充電など、エネルギー問題に少しは社会貢献できるかもしれない。
私が紙飛行機を好きなのはなぜだろう。人は空を飛べないけど、作った物なら気持ちを乗せて飛ばせるから。一人遊びで楽しめるから。心地よい風が吹く晴天の屋外でも、雨の日の室内でも遊べるから。同じように作っても同じ飛び方をしないから。失敗しても何の影響もないから。材料費がほぼかからないから。理由はいろいろありそうだがこれといった理由はない。好きになるのに理由はいらないが、嫌いになるには理由があるとは、よく言ったものだ。好きこそものの上手なれ。でも大抵が思い通りにならない。紙飛行機を飛ばすのは上手ではないが、あれこれ角度を変えたり幅を狭くしたり広くしたり、考えて試して原因を探って、そういうプロセスが楽しい。
ある意味、人生と同じだ。PDCA、VSOP、おい悪魔と表現される。PDCAはPlan Do Check Actの事だ。4プロセスが一般的だが、私はPDTの3プロセス派だ。改善のActはCheckに含まれると思っている。わざわざ4段階にするのは時間と手順の無駄である。Checkは出来た出来ないの判断だけではない。例えば出来た場合はもっと効率的な方法、出来なかった場合は原因と対策など、課題を見つけるプロセスである。課題を解決するために新しい課題も出てくる。新しい課題の為に想定していなかったCheck項目を見つけ再評価したりする。CheckとAct一時的にループするから1プロセスと考える。新しい視点、発想、時には感覚等から結果を再評価する事が重要である。TはThinkの事で8W4H(昔は5W1Hと言われていた)の改善、過去現在未来の社会変化、社会の状況判断、あらゆる意見を聞く。もちろん反対意見も聞き見解を広げる。そもそも目標やPlanが現状に合っているかを含めてのThinkである。よくあるのが、作業に疑問を持ちながら実行されている事がある。作業工程に無理無駄ムラが存在していても、改善点を思いついても、上が決めた事だからといって発言を潰す思考停止の上司がいるのも現実だ。成功と失敗は紙一重だ。成功しても後から見れば、遠回りだったり無駄が多かった事を発見する。失敗してもその方法ではダメだったが、手を加えれば成功へ導かれ得るものが多い。蛇足ではあるが、こうなったらこうしなさいと言う、あらかじめ決められたDo的なActionは、想定外に対応できないし、想定外かどうかも考えない思考停止状態であり、安易に行動を決めてしまう事が多い。大きな失敗をした時や人生の選択が迫った時、どうしようって悩むことがある。そういう時は10年後の自分自身が、今の私になんて言うだろうかと。きっと「好きなようにやれ」と言うだろう。好きなように歩んで成功していればokだし、失敗していてもやる事やって失敗したのだから満足しているし、何かを学んでいるはずだ。やらないで後悔するのは何も得られない。必ず失敗すると分かっていてこれからの苦労や努力が全て無駄になるとしても、やめろと言われて止めるものだろうか、やれと言われてやるものだろうか。未来の自分だから言葉を信じて言う事を聞くのだろうか。そんなに聞き分けがよい性格か。未来は分からないから面白いのかもしれない。VSOPはブランデーではない。Very Special One Patternと言う親父ギャグでもない。Vitality Specialty Originality Personality。物事を習得する過程だ。例えば20代はどん欲に学び吸収し、30代は専門性を磨き、40代は独創性を発揮し、50代以降はそれまでの人脈で解決する。人と違う事に意味があり、一人では問題解決できなくなる事が多くなる。世の中は理不尽で不合理で、正しいと思って行動したのに、世の中の風当たりが強くなりねたみ、うらみ、くやみ等、感情の七みを買ったりする。考えると憂鬱になる。そこで、おい悪魔の出番である。あいうえお作文みたいなものだ。怒るな、威張るな、焦るな、腐るな、負けるなである。順に簡単に説明すると、怒りの原因を突き止め再発防止、態度を改め信頼を得よう、落ち着けばケアレスミスはなくせる、失敗しても再チャレンジ、昨日の自分に勝って行けばいつのまにか成長している。三日坊主は一般的にはマイナス表現で使われるが、私にとっては取捨選択の手段である。センスのない事の発見、無理やり計画を立てても実行できないなど無駄な努力が勿体ない。他の事にチャレンジする方がいい。一年間に120回以上もチャレンジしてよい事になる。そもそも当人が楽しんでいれば三日坊主にはならない。鳴かぬなら鳴くのを探そうホトトギスである。優しすぎてお人よしで、利用されたあげく騙されたり裏切られたり、学校でいじめられて悔しい思いをしている者たちに言いたい。まずは「助けて」と声を出そう。あなたの声が周りに届いていないだけかもしれない。届いていても傍観者になり下がっている人がほとんどなのが現実である。それでも「助けて」の声を聴いた人は直接的に助けてくれなくても、間接的に何かしようと勇気が出る。誰も守ってくれない学校なら行かなくていい。あなたのいる世界はまだ小さい。悔しくて悲しくて寂しい時は、浴槽に顔を沈め言葉にならない叫びを吐き出そう。泡と消え誰にも聞かれないから、心のままに叫ぼう。どうしていいか分からないもどかしさ、そんな時は声を出して思いっきり泣こう。昨日も今日も同じ事をしていては、明日も同じ事を繰り返す。何かを変えよう。今日までと違う明日がやってくる。あなたの未来の為に、肩にある翼を育てよう。雑魚を相手に翼を羽ばたかせてはいけない。傷つけられないように隠そう。羽ばたくのは今じゃない。広い世界へ羽ばたく時が来るまで翼を守ろう。翼はあなたの為にある。人に評価されるものではない。他人の価値観は無視しよう。人と違っていい。自分を信じよう まだ自分の翼を見つけていないかもしれない。見つけるにはいろいろな事に挑戦して沢山の失敗をしよう。挑戦して失敗した事は誰も非難しない。むしろ、いろいろな事に挑戦していく姿勢をほめる人の方が多い。人が苦労してやっている事を、あなたならさらっとさくっとひょいと難なくやってしまう事がいずれ見つかるだろう。勉強はどんな形でもできる。まずは興味のある事から広げていけばいい。まずは本を読もう。学問書や文学作品でなくてもいい。推理、SF、冒険、恋愛、何でもいい。本がだめなら漫画、ドラマ、映画でもいい。そこにはいろいろな立場の登場人物、沢山のシチュエーションがある。言葉や考え方を学び論理武装をしよう。周りの流れに逆らうのは怖いし難しいが反論する少しの勇気があればいいだけ。目覚めよう。自我を持てば人生が変わる。何をしていいか分からなければ趣味的な事から始めてもいい。今は役に立たない知識かもしれないが、未来の自分か、周りの誰か、まったく知らない他人か、誰かには必要になる時が来る。学校で習う様な常識は知らなくても周りが教えてくれる。必要になった時に順番に覚えて行けばいい。社会に出た時、学校の知識はトリビアにしかならないが、生き方の選択肢が増える事は確かだ。皆が知らない知識こそ価値が出てくる。そもそもいじめてくるような低レベルな人間は相手にしなくていい。堂々と逃げよう。いじめる側の言い分なんて聞く必要ないし理解する価値もない。原因はどこにあるが分からないが見た目や発想・思想が人と違っていていい。その個性が役に立つ時が来る。生き抜け。出来る事から少しずつ始めればいい。人と比べなくていい。他人は他人。親と子、男と女、都会と田舎、母国と世界、世界は広い。考え方が180度違う人が集まって世の中は出来ている。最後は自分で解決するしかないが助けてくれる人は必ずいる。努力は報われないが成功した人は必ず努力していた。何かを成し遂げなくてはならないと思わなくていい。神様は努力している人の後押しをする。夢を追いかけて学校をやめようと考えている人に言いたい。結論から言うと学校はやめるな。夢に破れた時に卒業証書は就職に有利な事は当然だが、そんな事を言いたいのではない。そもそも卒業証書には有効期限がある。例えば転職を考えた場合、卒業後の実務経験が重要であり、どこを卒業したのかは意味がない。夢を追いかけて生活できるようになるのはまだ先の事だ。勉強時間は融通が利く。夢を追いかけている間は生活の為に働いているはずだ。仕事時間は融通が利かない。融通の利く勉強時間を作る方法を知らないと、融通の利かない仕事時間に振り回され、夢を追う事が出来なくなる。夢を追う予行演習として学校は行くべきである。
順風に風に乗っても、逆風に逆らって飛んでもいいのは紙飛行機くらいだ。失敗しても誰にも文句を言われないし、ちょこっと改良してまた飛ばせる。何度でもリセット、リトライができる。風向きや強さは変えられないけど、紙飛行機の折り方は変えられる。楽しめればそれでいい。何度でもやり直せる。他の趣味は映画鑑賞だ。SFやアクション系、裁判系が好きだ。映画館の大きなスクリーンと大音響の迫力がたまらない。古い映画好きで印象に残った言葉はパピヨンの「生き抜いてやる」、ロッキーの「勝って」、タッカーの「次は何をしようかな」だ。チャレンジャー物、小が大に勝つ逆転劇物、そういうストーリーが好きだ。ボクサーの連勝記録更新や試合後でもディフェンスが完璧で顔に傷がなく、無駄な動きもなく、しかも一発KOで相手を倒す。そんなチャンピオンは素敵だがあまり興味がない。そこまでの努力や苦労なら興味はあるけど、チャンピオンに立ち向かうチャレンジャーの方が好き。何度倒されても立ち上がり、顔がぼこぼこになっても、手足がプルプル震えていても、立っているのがやっとの状態でもファイティングポーズをとる。ダサくても、不器用でも、愚鈍でも目的の為に何度でも立ち上がる、そういうのがかっこいいし輝いているから応援したくなる。もっとも精神論だけでは何も解決しないのが現実なのだが、それでもそういう不屈の精神を持ちたい。何かとすぐに諦めてしまう私にとって、八方ふさがりになっても糸口を掴む事ができるかもしれない。アニメの影響かもしれないが、小さい頃の夢は恒星間タンカーのパイロットになる事だった。行き先々で観光し食べ歩きして文化を楽しむ。戦艦や探索隊でなく、タンカーなのは安全が確保されている事を子供ながらに感じていたのだろう。小さい頃から競争が好きではなかった。ほぼ勝つと言う事がなかったからである。いつも後ろから数えた方が早かった。流石にこの夢は時代を先取りしすぎた。平均5光年離れている恒星間を行ったり来たりする技術は、かなり先の未来の話だ。飛行機のパイロットになる事さえ難しいのに、宇宙飛行士だなんて、競争に勝てない私には到底無理な話だ。夢が叶わぬ事を薄々感じていたからこそ、自分で作れて空を自由に飛ぶ紙飛行機が気になるのかもしれない。少し休んでから飛ぶという事に関して、文明の網球と進化の樹木球で調べてみよう。また見る事が出来たらの話だが。
ボワ~キ~シ~ 低音から高音へ連続的に変化するスィープ音と共に目の前に妙な物が現れた。左から順に赤から紫のグラデーションの真っ直ぐな縦のパイプ、それをα型に曲げたパイプ、ト音記号の様に曲げたパイプ、連続した虹がさざ波のように次々と色が変わっていくグラデーションの四角い板、それをα型に曲げて交差した板、メビウスの輪の様にねじって交差した板、同じように色が変わっていくグラデーションの立方体。その立方体を半透明にして入れ子になり回転したり裏返ったり斜めに伸びたりしてグニャグニャに動く訳の分からない物体。どれも空中に浮いている。真っ直ぐなパイプの中には黒いピンポン玉のような物が端から端まで行ったり来たりしている。中央上方の半球にはその黒球から見た映像が映っていて、移動する黒球の場所のパイプの壁の色に次々に変わっていく。しばらく見ているとα型の中にも黒球が出てきて一筆書きのように端から端まで行ったり来たりしている。真っ直ぐなパイプとα型の黒球は同じ色の位置にいて連動している。黒球から見た映像の壁の色は赤から紫へ、紫から赤へグラデーションして変わっていく。行ったり来たりしているから当然だ。だから何なんだ?
α型のパイプが移動し始めた。グラデーションの四角い板の上に置かれた。中央上方の半球がオレンジ色の時に急に青に変わった。そして紫へ。紫から青へグラデーションして行き、突然オレンジ色に、そして赤にグラデーションしていく。途中の色が抜けた映像が続く。どうした、バグったか。
真っ直ぐなパイプの中で黒球はオレンジ色から青へ瞬時に移動し端まで行って折り返していた。α型のパイプの中では立体交差している所が十字路になり、角を曲がり移動していた。オレンジ色と青のところだ。真っ直ぐなパイプ、α型、四角い板。何を伝えたいのだろう。グラデーションに意味があるのか。今までの黒いピンポン玉は1、2、3の数え方から始まり二進法や立方体を作っていた。そっか。線、面、立体。次元の話か。パイプは1次元。板は2次元。中央上方の映像は1次元での映像だ。α型パイプは2次元の中での1次元世界だ。2次元の中では交差する角を曲がっただけなのだが1次元の中では瞬間移動したように見えるという事か。
ト音記号の中にも黒球が現れた。ト音記号のパイプが移動し始めた。グラデーションの四角い板の上に置かれた。α型のパイプは元の場所に戻った。ト音記号のパイプも立体交差している部分がすべて十字路に変わり角を曲がると、真っ直ぐなパイプ、α型パイプの黒球は瞬間移動している。1次元世界の中では交差する角を曲がったと説明されても、前後の概念しかないから、「角を曲がる」事は理解不能だろう。
ト音記号のパイプが、元の位置に戻った。白い四角い板はまたグラデーションの四角い板に戻った。全てのパイプをつなげて、真っ直ぐなパイプの世界の人とα型パイプの世界の人とト音記号型パイプの世界の人が、瞬間移動の事象の話をしたら場所や回数のタイミングも同じで、なぜそれが起きているかは理解できない。ましてや違う形の1次元世界なんて想像すらできないだろう。グラデーションの板、α型の板、メビウス型の板、グラデーションの立方体、それぞれに黒球が現れ動き回っている。すべて同じ色の場所に存在していて連動している。同じ事が2次元世界と3次元世界でも起きているという事か。2次元世界を折り曲げたり、メビウスの輪のように重ねたり、数回折って重ねて串刺のような瞬間移動ができるという事か。2次元世界の人には天井や床の概念がないから、それを通り抜けた事を理解するのは困難だろう。そもそも高次元世界の者が低次元世界をねじ曲げる事が出来るのか。紙についているバクテリアやカビなら、紙を半分に折れば、私でも瞬間移動させる事が可能だ。世界地図は無理やり2次元に落とし込んでいるから、形、方向、面積等、何かの情報が抜け落ちてしまう。高次元から低次元に落とす時は、何を基準にして何を捨てているのか理解しないと利用できない。3次元以上の世界と行き来した時の戻ってきた物体の見え方は、縦横高さの軸が保たれていれば変化はないだろうが、軸の比率が変換、回転したり、他の軸で表現されたら物体の変化の意味は理解できない。いや、もしかしたら2次元の地図を組み合わせたら、CADのように3方向からの設計図から立体を知るように、物体を並べたら高次元の物体が想像できるのだろうか。例えば、丸、三角、四角、星、4方向から同時に光を当てて影に移す。これは違うな、間違えた。2次元に落としている。影じゃなくて、この物体の、あっちとこっちは一緒とか、グニャグニャに線を引いて表面や中を突き抜けたりしているように見えているけど実は直線とか、丸めた紙が立体交差しているように見えるけど実は複数点が重なっているとか、逆にこの点はあちこちのこの場所と一緒とか。難しい。部分的には想像できるが。全体像が思い浮かべられない。
ポーン エレベーターが来た時のような音と供に、目の前に直径約30cmのグレーの円板が現れた。真ん中に右手を開いた黒い凹みがついている。
合わせろ、又は押せという事か。凹みに手を合わせてみた。何も起こらない。少し押してみた。足元のスライムと同じような感触だ。手首まで押し込むと柔らかく暖かく何かに包まれている。円板は半透明で向こう側はゴム手袋のように見える。どこまで伸びるのか指先を奥に向けもっと押し込んだ。
シャララララ~ン ウィンドチャイムみたいな音がして、同時に周りからこちらに30本近い数の手が伸びてきた。驚いて手を抜き飛びのいたからふら付いて尻餅をついた。ホラー映画か。伸びてきた手は全て消えている。上下左右、手のあった場所にはそのままグレーの円板が沢山浮かんでいる。なんだこれは。心臓が止まるかと思うほど驚いた。もう一度再現できるのだろうか。
最初に出てきたグレーの円板に指先を立てて入れてみた、手が伸びてきた沢山のグレーの円板から指先が出てきた。抜いてみるとすべての円板も平面になった。もう一度指先を入れてくるくると回してみた。沢山のグレーの円板から指先が出てくるが、同じようにくるくると回っているのもあるが、回転が逆だったり太くなったり細くなったり、上下左右に振っていたりと、様々な動きをする。中には数本の指が出てきているのもある。そのまま手首までもう一度入れてみる。出て来た手のようなものは、殆どが斜めに伸ばしたような歪んだ形にねじれている。中と外が裏返ったような形まである。まともな形をしている方が少ない。指や手首を動かしてみると一斉に妙な動きをする。それぞれの円板は好き勝手に傾き始めたり、大きくなったり小さくなったりする。円板の向きや大きさはコントロールできないようだ。気が付くと手の数はさっきより増えて倍以上になっている。向きや大きさもばらばらだ。現れては消え、時間差で過去の動作を繰り返したりもする。気になる動きをする普通の形をした手がある。手を左右に振り、手のひらを広げた状態から4、3、2、1と指を減らしていき 最後の一本になった人差し指をこっちへ指さし 手のひらを上に広げ、軽くこちらへ突き出す。「あなた、どうぞ」と言わんばかりだ。なんだろうと思いながらも意味が分からないから無視した。
思い切って肘まで入れてみた。ぐるぐる回したりグーチョキパーしたり影絵のキツネの形をさせたり。腕を動かしていると何かに触れた。手探ると指先が薄い物に触れた。何回か引っ張ってみたが見失ってしまった。また何かないかと動かしていると、柔らかい円柱な物をつかんだり柔らかい板を押さえつけたり、そんな感触がある。しばらく触っていると感触が消えた。他にはないかと探っていると、円板の奥には堅い板があった。ポンポンポンと何回か叩いてみる。手を振り回すと棒みたいのに当たった。もう一度手探ると小さな丸いものをつかんだ。よし! 引っ張り出そうと手を抜いたら円板からこっちに来る直前に消えた。手には感触だけが残っている。もう一つあったら左手も入れてみたい。左右の手でしっかりとつかみ取りたい。そう思ったらもう一つグレーの円板が目の前に浮かびあがってきた。早速左手を入れてみる。円板の向こう側で両指を組んだり手を叩いたりしてみた。が、手が合わさらない。見た目では合わさっているがすれ違っていく。合わさる感触もない。幽霊とすれ違うようなものだ。そうだ。さっき見た気になる手の動きをまねてみよう。グレーの円板の中で、両手を高くあげ、まず「注目」と手を振り「待て」と手をパーにして少し前に出し胸の高さまで降ろして、気が付くかなと思いながらも指で4、3、2、1とカウントダウンし「お前が」と人差し指で刺し「やれ」と掌を上にして軽く押し出す。
しまった。確実に私がしていない指の動きだったのに。もしかしたら他の人からのメッセージだったかも知れなかったのに。過去に見た行動を、無意識にまねしてしまった。逆に言えば、未来の行動を誘導したとも言える。過去があるから今があり、今の行動が未来を導くと言えば当たり前の事なんだが。そういえばグーチョキパーは、私から始めたのか、何かを見て、又は似たようなものを見て無意識に始めたのか、どっちだったろう。どちらかが先であっても、見た時と行動した時との時間差がある事は確かだ。こじつければ、これは私が過去にメッセージを送った事になるのか。未来の行動を過去に見てしまった事になるのか。過去と今が同時に繋がってしまったのか。同じ動作でも過去と今で意味合いも違う。やらなければ別の意味を持ち、後でこの事かって分かったかもしれない。どうすればいい。何をいつ確かめるようにするには何をすればいい。考えろ。思い出せ。グレーの円板が現れてから何をしたかを。ここで目覚めた時、私と自分そっくりな人達との同時期の別行動、自分そっくりな人とのゼスチャーの意味、そして統合意識。しばらく考えたがループしてまとまらない。そもそも何を体験しているのだろう。手を入れた先が、こっちに出て来た時には、形が歪んだり、場所、数、中と外や向き、大きさ、時間差が一度に同時進行する。どういう事だ。円板が何かを通り抜けて来た事は確かだ。
チュンチュン スズメが鳴くような声が右から聞こえた。生物がいるのかとそちらの方を見ると、目の高さに蛍のように小さな白く輝く光が現れては消え別の場所に出現する。光のすぐ上には白文字で0と表示され、白文字の周りの背景はグレーだ。白文字は小さな白く輝く光と同時に現れては消える。しばらく見ていると白い光は同じ場所にとどまり消えなくなった。手を伸ばしたら届きそうな距離だ。白い点が赤く点滅し始めた。その上の数字は白い時は白文字で0、赤い時は赤文字で1を表示している。赤い光が二つになり一つが赤い半透明なラインの軌跡を残しながら右に約10cm横移動した。赤い半透明なライン上のランダムな場所に赤い光の点が現れ、明るく点滅した後その場所はオレンジ色に変わる。やがて赤い半透明なラインは全部オレンジ色になり両端は赤いままだ。さっきまで1を表示していた赤文字は2に変わり、右側にオレンジ色文字の1が現れた。
オレンジ色のラインが二つになり一つがオレンジ色の半透明な面の軌跡を残しながら奥へ約10cm垂直移動した。オレンジ色のラインは半透明な面になった。両端の赤い半透明な軌跡を残したラインは点滅した後オレンジ色のラインになり四辺はオレンジ色で囲まれ、四つの角は赤い。オレンジ色の半透明な面上のランダムな場所にオレンジ色のラインが現れ、明るく点滅した後その場所は黄色に変わる。ラインは平行移動した場所だけでなく斜めに表れたりもする。やがてオレンジ色の半透明な面は全部黄色になった。さっきまで赤文字の2、オレンジ色文字の1を表示していた数字はそれぞれ4、4に変わり、右側に黄文字の1が現れた。
黄色の面が二つになり一つが黄色い半透明な空間を作りながら上へ約10cm垂直移動した。黄色の面は半透明な正立方体になった。正立方体の周りの角は赤く、赤い軌跡を残したラインは点滅しオレンジ色のラインになり、オレンジ色の軌跡を残し面になった部分は点滅し黄色になった。黄色の半透明な正立方体の中のランダムな場所に黄色の面が現れ、明るく点滅した後その場所は緑色に変わる。ラインの時と同じように面は平行移動した場所だけでなく斜めに表れたりする。やがて黄色の半透明な立方体は全部緑色になった。さっきまで赤文字の4、オレンジ色文字の4、黄色文字の1を表示していた数字はそれぞれ8、12、6に変わり、右側に緑文字の1が現れた。
緑色の正立方体が二重になり一つが緑色の半透明な空間を残しながら幅約30cmの半透明な正立方体に拡大した。中央には元の幅約10cmの緑色の正立方体が浮かんでいる二重立方体になった。今までと同じように赤い軌跡のラインはオレンジ色に、オレンジ色の軌跡の面は黄色に、黄色い軌跡の立方体は半透明な緑色に変わっていった。大きい方の立方体の表面は黄色いままだ。黄色い面で区切られた緑色の半透明な立方体は、ピラミッドの上半分を切った台形が6面に合わせて張り付いた形だ。中央と外側の正立方体の間、半透明な部分のランダムな場所に緑色の立方体が現れ、明るく点滅した後その場所は青色に変わる。いままでと同じように立方体は平行移動した場所だけでなく斜めに表れたりする。今度は大きさが様々な立方体も現れる。やがて隙間の半透明な緑色だった部分は全部青色になった。しばらくすると内側と外側の立方体の間がまた半透明な緑色に戻った。中央にある緑色の正立方体の6面からそれぞれの面に対して垂直に膨らみ、緑色の正立方体が6個張り付いた形になった。緑色の正立方体は風船のように膨らみ始めると青くなりどんどん大きくなり台形の立方体にぴったり収まった。外側の正立方体が幅約10cmに小さくなり、中央の正立方体の周りを青い軌跡を残しながら上下左右前後にぐるぐると回りだした。2つの正立方体の間には同じ位置の面を四角いチューブで繋げたような形になっている。チューブの色は表面が黄色く中が緑色だ。6本の四角いチューブは絡まる事はなく最短距離を保ちながら重なったり交差したりする。時には面の間をくぐったり、大きくなったり小さくなったり中央の正立方体の中に入ったり外側を包んだりしている。動きが止まると青い軌跡は球を描き出していた。直径は辺が約10cmの立方体の対角線を3つ合わせたくらいで50cm以上ある。真ん中には緑色の正立方体が浮かび、それぞれの面に緑色の正立方体が張り付き少し離れた所にもう一つ緑色の正立方体が浮かんでいる。全てが青い球に中にある。さっきまで赤文字の8、オレンジ色文字の12、黄色文字の6、緑色文字の1を表示していた数字はそれぞれ16、32、24、8に変わり、右側に青文字の1が現れた。数字と色は10cmを基準にした次元の表記で順に頂点、辺、面、体、胞を表していた。各次元の大きさは、点、10cm、100平方cm、1000立方cm、10000胞cmっていう事になる。
4次元を表す胞は知っていたけど、それってなんだよって突っ込みたくなる。基本単位の10cmの次元乗数なのは分かるが具体的にどのくらいの大きさになるのだろう。4次元の世界では、元の3次元の立方体と各面に立方体が表体として6個、各面を共有する立方体で8個になる事は分かるがそもそもどういう事なのだろう。立方体が8個だから8000立方cmではなく10000胞cmというのが重要なのだろう。各面を共有し離れた所にある立方体、無理やり3次元で表現した部分が2000立方cmある事になる。いや、間違えた。立方体を作る時、100平方cmの板を10cmずらせた。元の場所、移動先、軌跡で作られた4面の表面積は600平方cm。体積は1000立方cm。次元が違う。同じように4次元の立方体を作ったから3次元の表体積が8000立方cm、4次元の胞積が10000胞積cmになる。頂点、辺、面、体、胞はそれぞれ比べられない。1次元上がると10cm単位の区画の中に前の次元が無限に存在する事は分かる。拡大した二重立方体と青い球は同じ意味合いの4次元空間なのだろう。見る方向が違うだけなのかもしれない。立方体を2次元の影絵にした時、四角形や六角形になるし、光源が近づけば大きくなり、離れれば等倍になる。そもそも縦横高さの3軸に垂直な第4軸なんて3次元世界では表せない。半透明な色が重なっても色が混ざらず見えるのも不思議だ。無理やり3次元に投影したからこうなるのだろう。これが4次元の超立方体なのだろう。
ニャ~ン 猫が鳴くような可愛い声が右から聞こえた。見ると目の前に縦に1mくらいのオレンジ色のラインと光る紫色の点が現れた。紫色の点がラインに触れると カンアンアンアン 金属がぶつかるような音の後エコー音がして、明るいオレンジ色の光がライン上を上下に走った後、元のオレンジ色に戻った。紫色の光は何かに接触すると音を出すようだ。
目の高さに1m四方の黄色い板が水平に現れ、ラインを上下に分断した。紫色の光が板の上側のラインに触れると カンアンアンアン 先ほどと同じような音がして、明るいオレンジ色の光がラインを走ったが板で止まった。紫色の光は接触するたびに音を出すようだ。紫色の光は板を超え下側のラインに触れ、また明るいオレンジ色の光がラインを走り板で止まった。接触した明るいオレンジ色の光はライン上の場所から黄色い板は超えないようだ。紫色の光が黄色い板の中で強く光った。黄色い光の波紋が板やラインにも広がった。
オレンジ色のラインが消え黄色い板だけになった。黄色い板に幅約30cm長さ約1mくらいの緑色の四角い筒が突き刺さり途中で止まった。紫色の光が筒の外側の板に触れると、明るい黄色い光が波紋のように広がるが筒の中へは通り抜けない。紫色の光は筒の中に入りが筒の内側の板に触れると、明るい黄色い光が波紋のように広がるが筒の外へは通り抜けない。接触した黄色い板上の場所から緑色の筒は超えない。紫色の光から出る光は塗り替えたりしないようだ。紫色の光が緑色の四角い筒の中で強く光った。緑色の光の波紋が筒や板にも広がった。
黄色い板が消え緑色の筒だけになった。緑色の筒は拡大し約1m四方の箱になった。上から幅約30cmくらいの青色の箱が降りてきて緑色の箱の中に潜り途中で止まった。青色の箱の中は緑色だ。緑色の世界に青い箱が浮かんでいる状態だ。紫色の光が青色の箱の外側で強く光ると、明るい緑色の光が球状に広がるが青色の箱は通り抜けない。紫色の光は青色の箱の中に入り箱の内側で強く光ると、明るい緑色の光が球状に広がるが青色の箱は通り抜けない。緑色の場所から青色の箱は超えない。
青色の箱は拡大し約1m四方の箱になり緑色の箱は縮小し約30cmになった。青い世界に緑色の箱が浮かんでいる状態だ。紫色の光が緑色の箱の外側で強く光ると、明るい青色の光が球状に広がり緑色の箱を通り抜けていった。紫色の光は緑色の箱の中に入り箱の内側で強く光ると、明るい青色の光が球状に広がり緑色の箱を通り抜けていった。青色の場所からは緑色の箱などなかったように青色の光は超えていった。
紫色の光は高次元移動ができ、放つ光は次元に対応する色で移動範囲を表しているようだ。つまり低次元は高次元を超えられないと言う事だ。これは説明しなくても殆どに人は分かっている事だと思う。なぜ説明したのだろう。
ワン 小型犬の吠える様な可愛い声が右から聞こえた。見ると直径約5mの青い球が浮かんでいる。その球が近づいてきたかと思うと中に呑み込まれた。左に約30cm四方の緑色の集合立方体が浮かんでいる。約10cm四方に区切られ縦横奥行きに3個ずつ密接した27個の小さな正立方体が集まった形だ。右には約30cm四方の二重立方体が約10cmの間隔をあけ上下左右前後に3個ずつ27個並んでいる。二重立方体の中央には約10cmの緑色の立方体が浮かびそれぞれの面にも緑色の台形の立方体が張り付いている。外側の大きな立方体は緑色で表面は黄色だ。それぞれの立方体の頂点、辺、面、中身は順に赤色、オレンジ色、黄色、緑色だ。二重立方体のないところは青色だ。
集合立方体も二重立方体も外から見てこの配色が見えるのは不思議だ。現実ではありえない。反対側の頂点、辺、面、空間の色まで見えるには手前側が全て半透明でなければならず、手前側が半透明だと反対側まで到達するまでの色が混ざってしまう。どういう仕組みなのだろう。3次元世界では正面しか見えないが、4次元世界では側面、裏側、内側まで見えるという事か。斜めから見た正立方体を2次元に写すと90度の角度ではなくなるのと同じ事か。正立方体の展開図からこの頂点と頂点、辺と辺が同一である事と同じように。二重立方体の頂点、辺、面はどれも直角、直交であり、頂点、辺、面は同一である事を頭の中で組み立てるのは、なかなか想像しにくい。
紫色の光が左の集合立方体の中心へ移動して強く光った。緑色の光が球状に周りに広がった。同時に右側の同じ位置の二重立方体の中からも緑色の光が球状に広がった。隣の二重立方体では、中心の正立方体の近い方の面から反対側の面へ緑色の光が流れていく。周りの二重立方体も中心の正立方体の中しか光っていない。左右の正立方体の光り方に時差はない。
紫色の光が右の二重立方体の中心へ移動して数秒おきに光だした。今度は青い色の光が球状に周りに広がった。右の二重立方体が並んでいる空間では青い光はきれいに球状に広がった。左の集合立方体では中心から外側へ青い光が球状に流れていくが連続していない。右の二重立方体の中心の正立方体を通った時に青く光り、左の集合立方体の中では隣の立方体へ行くのに時間がかかっている。青い光が二重立方体の左側の台形、正立方体、右側の台形、青い隙間、右側の二重立方体の左側の台形と進む時、集合正立方体では、左の黄色い面、緑の立方体、右の黄色い面、光が消滅、右の正立方体の左の黄色い面へ順にタイミングを合わせて移動していく。
紫色の光が右の一番上の二重立方体のさらに上、青い球体の頂点、極部へ移動して光った。今度は薄い紫色の光が面として上から下へ精査するように流れだした。薄い紫色の光は、青い部分のみ紫色に強く光っている。二重立方体の正立方体の周りの台形の部分も紫色に強く光っていた。集合立方体には何も起こらない。薄い紫色の光が青い部分の一番下の極部分へ到達した。
また薄い紫色の光が上極部から下極部へ流れ始めた。緑色の部分のみ紫色に強く光っている。二重立方体の台形、正立方体の部分を上から下へ水平面として紫色の光が流れた。二重立方体の中心の正立方体と集合立方体の正立方体は同期して紫色に強く光っていた。二重立方体の台形の部分を通過した時も、集合立方体の面の部分は光っていなかった。薄い紫色の光が青い部分の下極部へ到達した。
また薄い紫色の光が上極部から下極部へ流れ始めた。今度は黄色の面の部分のみ紫色に強く光っている。二重立方体の同じ高さの中心の面は同時に強く光り、4次元として作られた斜めや垂直面は通過していく。二重立方体と集合立方体の同じ面は同期して紫色に強く光っていた。薄い紫色の光が青い部分の下極部へ到達した。
同様に薄い紫色の光は精査するようにオレンジ色の辺、赤色の頂点を同じように紫色に強く光らせていった。紫色の光の動きは4次元の青い世界、4次元に拡大された緑の立方体や面に接している台形の立方体から中心の正立方体、面、辺、頂点と高次元から低次元ごとに移り場所を示しているようだ。薄い紫色の光が上極部から下極部へと、次元の説明を繰り返している。
何を見せられているのだろう。そもそも紫色の光の意味はなんだ。4次元世界までしか展開していないし、紫色の世界が高次元なのは分かるが何次元なのだろう。色の順番から行けば5次元と言う事になる。5次元世界はもう3次元世界では表わせられないという事は理解している。どの次元の住民でも1次元上なら何とか想像できるが、2次元上がると物理的な表現は難しくなる。そもそも紫色の光が突然、面の動きになったのはなぜだ。1次元ではオレンジ色の線、2次元では黄色の波紋、3次元では緑色の球状、4次元では青色の球状、もっと高次元な紫色の面の妙な動きだった。4次元世界を面で扱える世界、つまり2次元世界として扱える世界という事か。違うな、面に広がった訳ではなかった。動きとしては1次元的な動きで1方向にしか紫の光は進まなかった。二重立方体のある4次元の世界を1次元的に扱う事は、相対的に7次元の世界から見ている事になるのか。どう考えたらいいのだろう。紫色の光は、二重立方体と集合立方体での時間のずれや、飛び飛びに移動する光があったからどの次元でも扱えるという事か。白い光が現れた時、時間と場所を変えて点滅していた。もう一歩進ませると無次元時空の時、時間と場を切り離すと、どの時間、どの場と表す事が出来る。数字的には0次元の先に2つの次元がある事になるから、さらに2次元増えると9次元になる。赤色から紫色の6色と今まで出て来た白、黒、グレーを合わせれば9色になる。単なる偶然かこじつけか。9次元の世界では時間と場をもコントロールすることが出来るという事か。量子力学のトンネル効果、ビッグバン前の世界、過去現在未来を参照したり、マルチバースの世界を行き来したりすることが出来る。超弦理論では11次元と言うから数字的にはまだ足りない。高次元世界と3次元世界では物理法則が基本的に違う。思いつくままあれやこれやと想像が飛躍しすぎたか。
紫色の光を実際に動かしてみたい。上極部から下極部へ流れる紫の面の光が下極部に達した時に、紫色の光を見つめて集中してみた。すると動きが止まった。目の動きに合わせて動かせることが分かった。二重立方体の前列中段真ん中、中央の緑色の正立方体の中へ紫色の光を移動させた。左の集合立方体の中央手前側の正立方体の中にも紫色の光がいる。右の二重立方体の中央の緑色の正立方体から、右側の台形の中へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の正立方体の中では右側の面の中に紫色の光がぼんやりと見えている。試しに左側の正立方形から見てみると左側の面からは光は見えない。右側の台形の中から、二重立方体間の青い部分へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の正立方体の中では紫色の光が完全に消えた。完全に4次元にいる事になっている。青い部分から、右隣の二重立方体の中央の緑色の正立方体の左側の台形へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の中の右隣の正立方体の中では左側の面の中にまた紫色の光がぼんやりと見えだした。スタート地点の正立方体の右側の面からは光は見えない。左側の台形の中から、中央の緑色の正立方体へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の正立方体の中では右隣の正立方体の中に紫色の光がいる。3次元世界に戻ってきたようだ。
3次元世界をただ隣に移動だけだった。4次元空間を通ってきたから途中に壁があっても通り抜けて来た事になるのだろうか。2次元や3次元の時のように何かで囲って、「ハイ通り抜けました」みたいな演出をしてくれるのかと期待していたが、当たり前すぎてそんな事はしてくれないらしい。それにしてもなんかイメージと違う。ドアを開けるとその先の部屋にはドアを開けた私の後姿を見るような何かを期待していた。
もう一度右に移動してみた。右の二重立方体の中央の緑色の正立方体から、右側の台形の中へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の正立方体の中では右側の面の中に紫色の光がぼんやりと見えている。先ほどと同じ動かし方をしたのだから当然だ。今度は奥の台形へ移動させてみた。ここからだと台形に見えるが台形の中にいると45度に傾いている面も、4次元世界では真四角な部屋に見えているはずだ。二重立方体の正立方多の周りの台形の面を通り抜け、ぐるっと回って元に戻ってみた。右の集合立方体の正立方体の面の中が、左回りに順番に光りぐるっと回って元の右側の面の中で光っている。4次元的なイメージでは、四角い部屋を直進し壁を4回通り抜けたら元の部屋にいた。まっすぐ水平方向に進んでいるのに3次元では途中は左方向へねじれている。正立方体の右側を東とした場合、部屋に窓がついていたら同じ方向の窓なのに東側、北側、西側、南側が見えていた事になる。2次元世界の生物が円柱の表面を湾曲方向に真っ直ぐ歩いただけなのに、四季の天空風景が変わりいつの間にか元に戻ってきた。そんなイメージに近いかもしれない。面白い。
今度は、今の右側の台形から上の台形へ進み中央の正面体へ紫色の光を動かしてみた。左の集合立方体の中では右側の面の中から上の面へ紫色の光が移動しぼんやりと見えていた光が、元の正立方体の中に紫色の光がいる。3次元世界に戻ってきたようだ。右天井左。3次元の世界だと東側の部屋から天井の面、西側の面と進むから上の正立方体にいる事になるが、4次元の世界を通ると東側の部屋へ行き天井を抜け、床と接している西側の壁を抜けると、中央の部屋の天井から降りてくる事になる。面白い。4次元で作られた見かけ上の台形、正立方体は重力方向が複数になりそうだ。このとき重力の向きは、急に変化するのか徐々に変化するのか、どちらなのだろう。3次元である緑色の立方体から4次元で作られた隣の台形へ行き、入った方向と違う面へ真っ直ぐ突き進むと、3次元の正立方体に面している周りの台形を次々に回る事になり出られない。重力も当てにならない。間違った方向、青い部分に到達してしまうと第4軸の方向へ行き、どこに行き着くか分からない。そういう事なのだろうか。
考えれば考えるほど分からなくなる。何の根拠もなく勝手な想像だけが独り歩きしている。まったく理解できない事にむしゃくしゃしてきた。右側の二重立方体の中からはみ出すように縦横斜め奥や手前、無茶苦茶に紫色の光点を動かしてみた。二重立方体からはみ出し始めると次から次へと新しい二重立方体が現れ、二重立方体の中心から離れるほどその動きは加速し早く動く。左側の集合立方体も同じように動くが、整列が壊れたり塊になったり飛び飛びになったり理解不能な動きをする。しばらくしてお前は猿か。何にかんしゃくを起こしている。冷静になってみた。無意識な行動が馬鹿に見えてきた。いやいやこれは4次元の動きを試しただけさ。誰かに言い訳する訳でもなく自分に嘘ぶいた。今の軌跡を3次元世界で表してみようなどと考えてみた。
紫の光点が遠のき。今動かした青い軌跡が空間いっぱいに広がり現れた。思っていたより縦横無尽に動いていた。青い軌跡の周りには緑の立方体が絡んでいる。緑の立方体は、青い軌跡の最初の方では整列して絡んでいたが、青い軌跡が加速したら間隔が離れ、急激に曲がった時には近付いたりしているようにも見える。青い軌跡の周りの緑の立方体は水平を保ちながら、固まっていたり重なり合っていたり飛び飛びになっていたりする。無茶苦茶な動きをしたのだから当然な事だ。突然、縦横無尽に走っていた青い軌跡が目の高さで水平直線になった。周りの緑の立方体もそれに引きずられ右回り左回りに絡んでいる。もう水平は保たなくなり大きさも大小さまざまに変化し立方体の形もしていない。角が取れ丸みを帯びた形に変形した楕円球のような形をしている。3次元と4次元を表しているのだろうけど意味が分からない。青い軌跡の中を青い光が走り出した。動きは一定ではなく遅くなったり早くなったりする。奇跡の動作を再現しているようだ。近くの緑の立方体も緑色に光るが青い軌跡の光の流れと同じ順番ではなく多少前後している。青い軌跡と緑の立方体がそのまま3mほど上昇していった。両端が目の高さまで降りてきて大きな馬蹄形を作った。緑の楕円球も引きずられて周りに絡んでいる。両端は30cmくらいにまで近づいた。光る紫のラインが現れ両端を繋いだ。4次元でも迂回しなければ超えられない壁を、5次元が繋いだという事か。高次元世界では、空間を曲げる事は日常的な技術なのだろうか。青い軌跡の馬蹄形の下の部分と紫のラインが拡大され、青い馬蹄形は離れて上の方で浮いている。
拡大され、直線で3mほどになった紫のラインの両端が光った。両端には少し離れて直径10cmくらいの大きさの銀の球が浮いている。銀の球の表面には周りの風景が写っている。紫のラインと銀の球の間には何もないが、銀の球には紫のラインの反対側、一番遠い部分に穴が開いている。穴を覗きこむと、穴を覗きこんでいる私の姿が見える。試しに手を振ってみたり、こちらを刺すように腕を回してみた。片方の銀の球から見た風景が見えている。試しにもう片方の銀の球も覗き込んでみた。思った通り反対側から見た風景が見える。紫のラインが両端に銀の球をつけたまま上昇し馬蹄形に曲がり、両端が1mくらいまで近づいた。今度は銀の球は互いに反対側を向いている。銀の球の間に入り穴を覗きこむと、穴を覗きこんでいる私の姿が見える。後ろにあるのに正面から見た私の姿だ。光は馬蹄形にそってねじられて来ているのだろうか。馬蹄形だった紫のラインが元の直線に戻り目の高さで浮いている。両端に銀の球はついたままだ。しばらくすると紫のラインが上昇して、銀の球が消えた。頭の上の方に銀の球が現れた。紫のラインとは全く関係ない場所だ。どうしてここに現れたのだろう。そう思った瞬間、あちこちに同時に現れたり消えたりした。大きさもバラバラでピンポン玉からスイカサイズまである。いやスイカではない。遥か彼方にあるのは惑星サイズだ。遠すぎて大き過ぎて月とも惑星とも言えるサイズだ。いつでもどこでもどの大きさでも繫げられるんだ。目の高さに10cmくらいの銀の球がいくつか並んだ。それぞれに穴が開いている。順番に覗いて驚いた。横断歩道の手前で見上げている私、ここで起きた事、私と自分そっくりな人たち、色々なパズルから、今覗き込んでいる姿までが見える。録画されているのか、それとも・・・。キョロキョロとしているとすべての銀の球が消えた。ここは3次元の世界ではない。2次元以上高位の世界だ。
5次元の世界なのか、何次元の話か分からなくなった。4次元で壁を抜け、5次元で空間を曲げ距離を超越し、5次元でも超えられない何かを超越し、その次の次元の銀の球が現れた。あれこれと3次元を超えた後の事を思い返したが、何を超越したのか分からない。距離は速さと時間で決まる。距離を超越したと言う事は、速さや時間は意味がなくなるのか、又はどちらも超越することが出来るようになったのか。どちらに考えればいいのだろう。距離を超越すれば何百光年もの先を、今見る事も行く事もできる様になるが、速さや時間を超越したと言えるのだろうか。安易に時間も超越したと言いたいが根拠がない。時間なら時間を超越する何かを示したはずだ。3次元世界では理解不能な事を超越しているのだろう。
先ほど円板に手を入れた時、グーチョキパーが時差で動いていた。高次元空間を通って何をしていたのだろう。母船が近くにいるのか、中継点または母星と通信していたのだろうか。積み木、バー、カードのパズルをしたり30進法、新しい文字や高次元空間を垣間見たりした。文明の網球、進化の樹木球を見たが、これらは学者が見た方が有用で私が見ても楽しむだけで意味がない。せいぜいトリビアとして話のネタになるくらいだ。ゲームは暇つぶしになったが、学んだ事はいつ使うんだ。使われる事のない30進法や数字の表記、行くことの出来ない高次元の世界などどうでもいいような気がしてきた。
360度に並んだグラデーションのバーや板、円板、色付きの3次元立方体、集合立方体や二重立方体、上の方にある青や紫のライン。全てが濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
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パカッ 足元にぽっかりと直径10mほどの穴が開いた。落ちる! 身構えたが何も起きない。白い床が透明になっただけだ。見えているのは地球だ。綺麗だ。ゆっくりと変な方向に回転し小さくなり始めた。移動しているのだ。当然上を見ると、期待通り10mほどの穴が開き透明になっている。広大な宇宙が見える。デフォルメされているのかプラネタリウムの中にいるようである。星の数にはいつも驚かされる。斜め方向に天の川銀河もはっきりと見える。
いつのまにか水平方向には、10mほど先に直径10mの半球状に球体が並んで浮いている。球体の大きさは直径30cmくらいで100個以上がハニカム構造状に並んでいる。半球状の中心は目の高さにあり、下半分は本来なら地面の下になるのだが、さえぎる物がないから見えている。改めて私が浮いている事に気づかされた。くるっと見渡すと左、右、後ろの3方向に、固まって並んでいる。300個以上ある事になる。球体の手前半分は透明で中には3D映像が映し出されている。
左側は宇宙の多様性など、宇宙に関するいろいろな映像、図解、数式が流れている。どこかで見た事のあるような星雲や銀河の映像が見える。右側は生物の映像だ。動植物や山や海の映像が見える。後ろ側は文化、儀式、生活様式の映像だ。建物、乗り物、お祭りや儀式などの集団行動の映像が見える。
左側の半球状に並んだ球体の宇宙のエリアに入ってみた。近づくとハニカム構造状に並んでいた球体は1層ではなく、後ろにも重なって並んでいて背景の白い空間は見えなくなっている。
もっとよく見ようと一歩近づくと、突然並んでいた球体が一斉に襲ってきた。球体の映像が大きくなり、それぞれが重なり合い、上下左右前後、360度囲まれた。ものすごい数だ。「まてまてまてぇ~」思わず叫んでしまった。情報量についていけない。同時にこんなに沢山の映像は見られない。球体は元の半球状のハニカム構造状態に戻った。音だけで音声の説明はないから、3つずつくらいなら同時に見られそうだ。適当に3つ選び三角形に並べてゆっくり見る事にした。
最初に見た球体は、銀河や銀河群、銀河団、ボイドが拡大縮小されたりする映像だ。一つの光の中に数千億個の恒星があり、その恒星には数個の惑星を持ち、惑星には衛星を持つ映像だ。まるで宇宙旅行をしているようだ。
次の球体は、恒星の生と死が新しい元素を産み再構成する映像だ。星の一生と原子の作られ方を説明しているようだ。
次の球体は、ビッグバンから現在までの成り立ちの映像だ。4100万光年離れた場所から放たれた光が、138億年かけて届いた見かけ上の宇宙は、膨張して半径470億光年の現在の実質的な宇宙を写している。銀河の合体や銀河団、ボイドの成り立ちの映像も映している。驚く事に最初の数秒が何億年もかけて描かれている。膨大な質量とエネルギーが時間を歪めているのだろうか。ブラックホールの事象の地平線を外から見ると吸い込まれていくものは止まって見える。逆にビッグバンは反転して爆発するから点に見える中では膨大な時間が外からは数秒に見えているのだろうか。宇宙のとてつもなく長い歴史を感じる。
次の球体は、ビッグバン以前からビッグバンまでの映像だ。ビッグバン以前の映像なんて考えた事もなかった。小さな点があちこちに現れては消えていく。たまにあちらで、こちらで点がいきなり巨大な球になり宇宙の始まりがある。やっぱりビッグバンは複数回あり、宇宙は多数存在していた。
次の球体は、宇宙は膨張して素粒子レベルまで引き延ばされる映像だ。重力、電磁力、強い力、弱い力は成り立たなくなってしまうのか。バラバラになった後はどうなってしまうのだろう。静寂が永遠に続くだけなのか。何も変化しないのは考えにくい。
次の球体は、宇宙の膨張はどこかで反転し収縮に変わる映像だ。数百年単位で周回する惑星、銀河の端を周回する恒星など、重力はどこまでも影響しているように見える。数式も一緒に映し出されていて、何かと比較しているようだ。数字は増えたり減ったりしているが、意味は分からない。
次の球体は、膨張と収縮を繰り返す映像だ。数式が沢山出ている。パラメータの一つが0か無限大になった時に反転するものかと思っていたが、組合せが沢山あるらしくどこかの複数のパラメータが一定量を超えた時、または足りない時に事象が変化するようだ。数式が理解出来たらきっと楽しいだろう。
次の球体は、複数のビッグバン宇宙映像だ。果てしなく広い無の空間に球状の宇宙が沢山浮かんでいる。同じ大きさ、形の宇宙はない。潰れた球体の方が圧倒的に多い。大きくなる宇宙もあれば小さくなっていく宇宙もある。部分的に膨張縮小している球体もありぶよぶよと変化している。何もない所で何かが点滅し他の所でまた点滅している。たまに点滅していた物が突然大きくなり宇宙が誕生している。宇宙の球どうしは十分に離れていて球と距離の比率は10桁くらいだが2桁くらいで表示されている。この時間軸は1分を100億年単位で表しているのだろうか。複数の宇宙を表示する時は時間の概念は成り立たないのかもしれない。たまに宇宙の球が突然巨大になり色が薄くなり、近くの宇宙の球と接触すると、白く光って大きい方の球が消えてしまった。異なる物理法則は同時に成り立たないと言う事なのか。消えてしまったというよりは、スイッチがoffになったという感覚だ。薄く引き伸ばされた素材が、そこにはあるが広大な空間ができただけとも言える。ビッグバンはスイッチを入れ、周りにスイッチonがリレーしていくという事なのだろうか。
次の球体は、光を超えるスピードで膨張する宇宙の端は直接観測できないが、宇宙に全くの無の場所はなく、光速以上で移動した物質や重力に、引っ張られた物質を観測すれば間接的に発見できる。そんな説明映像だ。地球から見た夜空は星で一杯だが、遠い将来の夜空の星が半減した時には、見えない先に存在している物質を発見できる。遠い将来の話かと思うが、もしかしたら現在見えていないから存在しないと思っている事が、実は存在していて理解しようとしていないだけなのかもしれない。
右側の生物のエリアに入ってみた。
進化の樹木球をバラバラにして見ているようだ。でも何かが違う。極限環境生物の映像が多い。地球上の動植物が生活するには無理な環境でも、微生物の世界では快適環境に見える映像だ。生活環境は地球上で進化した生物を基準にしてはいけないという事か。
銀河団を示す地図のような球体があり、生命の分布を示していて、星の数だけあると言えるくらい沢山ある。小さな球体が沢山浮かび、中心から放射状に8本の太さと色の異なる針が出ている。なんとなく銀河団、銀河、恒星、惑星で4本使用すると推測できるのだが、残りの4本の意味は分からない。小さな球体のすぐ隣には茶道に使う兼山を円柱にした様な物がゆっくり回転しながら浮いている。針の高さはバラバラでこちらもカラフルだ。化学式が沢山浮いている。
いくつか見ていると、放射線耐性菌や有機溶媒耐性菌は、宇宙空間でも地球の動植物が生きる通常環境でも、生活している映像がある。複数の生活環境を持つ生物がいるという事か。地球でも水中と陸上で生活できる生物がいる。人間が地上で道具を使うようになり工場を作るように、海中や高圧力の空中や宇宙空間が生活環境の知的生物は、その場所で工場を作るように進化するようだ。やがて違う環境への進出する為、密閉空間を作り、ドライスーツや潜水艦、宇宙服や宇宙船を作るようになるのだろう。海洋知的生物なら密閉空間の中は液体で満たされ、高圧力の空中知的生物なら高圧力空気で満たされ、真空知的生物なら真空で満たされる。同じ地上知的生物でも、惑星の直径が違えば空気の成分比率や圧力、重力が違い宇宙服を着る事になる。重力が違いすぎる惑星に降り立つ時には、パワースーツ機能やもっと進んだ技術、例えば重力加減スーツ機能を付けた宇宙服を着るのだろう。人間と形が違うのだから、宇宙服なのか密着型宇宙船なのか区別さえつかないかもしれない。もしも知的生物と出会った時は、宇宙服越しでコミュニケーションする事になり、AIロボットなのか中に生身の生物が入っているのか判断は難しそうだ。
SF映画に出てくるようないろいろな宇宙人の映像も沢山ある。地球上のあらゆる生物を擬人化したような形をしている。目、耳などの情報入力器官や手足は1対になっているとは限らず、奇数だったり複数対だったりする。視聴覚器官などの型は様々で、表示されている数式の意味は分からないが、周りに浮かぶ小さな球体が、図解で人間とは違うものを見たり聞いたりしている事を表示している。地球上でも可視光線の範囲、聴覚範囲は生物によって違うし色素の受容体の種類も違うから当然ともいえる。音波を視覚として使ったりコミュニケーションとして使ったり、未知な感覚器官をもっていたりする。情報入力器官は体の上部や前面に多いが、後ろや背中下側、通常の進行方向とは逆の位置に付いているのもある。脳や心臓は体の中心にある事が多いが、一ヶ所にまとまっていたりそれぞれの器官の近くに分散していたり複合型だったりする。
子孫繁栄の方式も様々だ。アメーバのようにクローンを作る自己分裂型、哺乳類のように雌雄の直接接触型、魚や植物のように放精放卵型があり、それぞれに体内受精型、体外受精型がある。中には体外受精型で沢山の受精卵の中から一つを選び体内で育てる方式まである。将来の学習能力の差、または専門性の得意不得意の差で選択しているのだろうか。子孫繁栄に自然淘汰や環境淘汰ではなく、優生学や将来の専門方向性を取り入れ人口淘汰をしているのだろうか。性の種類は雌雄だけでなく3種類以上あるものや中間、性転換をする種属がある。地球上の生物と違ってどのタイプも生存期間が長く非常に子育て期間が長い。それだけ教育する必要があるという事なのだろう。知的生命属に言える事はどれも脳の割合が大きい。そして動くことが出来る。移動できる足 翼 ひれ 作業する手、指をもっている。当たり前と言えばそうなのだが、弱肉強食の世界で生き残るにはまず被食者にならないように逃げる事、そして捕食する能力がある事。それには移動する事、周りの状況を把握する事が重要だ。まずはそこから始まってやがて知能を持つ事になるのだろう。
地球の大陸上で人の血液型の割合が違うように、銀河の中でも子孫繁栄の方式、生活場所が空中地上地中海中と偏りがある。生命の分布は、銀河の場所による素粒子の存在割合のバラツキと関係している事を示す映像と、沢山の数式や化学式が並んでいる。
地球とは進化の過程が違い、カテゴリー分けの属性、種目も分け方も違う映像もある。動物界、植物界、菌界、細菌、古細菌など、銀河の場所により進化の順番も違う映像もある。惑星により食物連鎖、エネルギー元、エネルギー効率が違ってくるのも当然の話だ。地球上でさえ極限生物は、人とは違うエネルギー代謝を行っている。地球生物のアミノ酸とは違う構造だったり、酸素ではなく硫酸、メタン、金属系をエネルギーとして生存する映像もある。地球上の極限環境は、その惑星では標準環境であり温度、水素イオン、塩度、圧力、放射線量の値も違う。進化の過程が異なり、生物の多様性が重要である事を示す映像もある。地球の歴史でカンブリア紀などに生物の多様性が生まれた理由として地球環境の変化がある。一つ目の理由として地球内的要因、植物の大量発生、酸素濃度の変化、オゾンの発生、地軸の変化、S極N極の入れ替わりなどで大量絶滅、新しい環境で生き残る自然淘汰の進化がある。二つ目の理由として地球外的要因、太陽、超新星爆発などが原因で、紫外線、エックス線、ガンマ線、宇宙線などが地表や海底にまで届きRNAやDNAの突然変異がある。同じような事が他の惑星系でも起きている映像が沢山ある。素粒子の存在割合のバラツキと地球外的要因が子孫繁栄の方式に偏りを決めている映像も沢山ある。地球上の生物は4種類の塩基からなるRNA、DNAの2重らせん構造だが、9種類の塩基からなる三角柱のような3重らせん構造だったり、構成要素がまったく別の構造の生物がいる映像もある。見た目の違いなら楽しめるが生物学的な話や化学式が出てくるともう理解出来ない。
後ろ側の文明のエリアに入ってみた。
文明の網球をバラバラにして、ガラガラポンと並べ替えたような地球外の知的生命属の映像だ。生物エリアで見た生命の分布図と比べるとずっと数が少ないが、それでも星の数ほどある。
上の方は宇宙、空中、目の高さ当たりには地上、水中、下の方は地下、海底と環境の生活圏別に並んでいる。球体の中にも球体があり、エネルギー源、住居、移動手段、食、武器等の映像が並んでいる。こちらにも中心から放射状に延びた8本に伸びた針のある球体がある。地図の出発点は、この地的生命体の惑星なのだろうか。地図以外にも何かの指標を示しているのだろう。球体が上下前後左右に重なり、区分けされた生命体が写っていて、何かの関係を表示した映像がある。家系図か政治構造か指揮系統か分からない。上にいる生命体の数は少ないから先祖か指導者なのだろう。球体の中に宇宙の映像がないのは、宇宙進出していない種属なのかもしれない。エネルギー源と一口に言ってもいろいろあるようだ。水力、火力、地熱の惑星エネルギー。光、核融合、重力、恒星エネルギー。ブラックホール、中性子星、超新星爆発等の銀河上にあるエネルギー。銀河団を結びつけるダークエネルギー。それぞれのエネルギー効率の高さで文化のレベルがあるようだ。エネルギー効率の高い文明はエネルギー変換と回収を繰り返し宇宙進出しているようだ。
一番気になる空中都市のある映像の球体を見に行った。ガス惑星で気圧が高いのか風が強いのか、都市が空中に浮いている。空中にはいろいろな形の生物や小さなものが飛んでおり、竜巻の中にいるようだ。全てが飛んで流されているから、相対的にそれぞれの速度差は思ったより小さい。物の形や向きにより動きの速さが異なるようだ。遠くから見ると、低い多角柱や球をつなげた様に見える。知的生命体のエネルギー源は風力発電や光発電がメインのようだ。住居は平べったい。ミルフィーユの様に隙間を空けて縦横無尽にいくつも繋げた都市構造をしている。外壁には絵か文字か判断できない図形が描かれている。住居、食堂、畑、工場、職場は平面ではなく立体構造につなげているから、都市内では移動距離が少なくて効率的だ。移動する乗り物は大きな凧だ。風上へ向かう時は上昇し羽を少しすぼめ滑空し目的地に行く。地球では資源は地下から採取するが、ここでは連なった大きな鯉のぼりの様に、筒状の工場が沢山浮かび、口から資源を取り込み加工している。すべての建物や連結している通路の屋上部分は、光発電や畑が作られエネルギーや食糧を得ている。家の中では蟹歩きをしている。部屋の大きさの割に廊下が狭いのは体の構造上蟹歩きののせいなのだろう。部屋の中には壁が映像を出していて部屋の隅に大きな三角形のベッドあるだけだ。食事や仕事は他でするようだ。ここの生物の形は全てが薄い。住居の持ち主はムササビ型で手が2本、足が4本持つタイプや、エイ型で表裏に2つの顔を持ち手が2本、足が4本の12本の手足を持つタイプだ。屋外に出る時は、銀の服を着て頭のあたりにフイルム状のシールドを付けている。この惑星ではこの2種類だけが高い知性を持っているようだ。
次の球体は、文化が理解不能なほど発展していて、SF映画の未来都市を見ているようだ。建物も都市構造も幾何学的な形をして浮いている。都市間は直接つながらず、翼も浮遊機能も見えない小さな卵型の乗り物が列をなして飛んでいる。長距離都市間の移動は、一度宇宙へ出て放物線を描くような飛び方で移動している。惑星のあちこちに巨大都市が点在しているが、とても自然を大切にしている文化で、どこからも人工的な煙が出ていない。惑星の周りには宇宙都市が沢山浮かんでいて、他の惑星への移動に使っている。ここの知的生命体は鳥のような体だ。前半分が柔らかい丸いうろこ、翼と背中側は羽毛、側面は針のような細長いうろこだ。目はやや前よりの左右に大きいのが1個ずつ、小さいのが前に2個、後ろに1個ある。生活映像によると、前方の目は捕獲用で望遠型、後方の目は捕食者発見用で広角型だ。耳は前よりの左右と後ろの3個ある。手が4本、指が4本、足が4本ある。地上や海にも生物は多種類多数存在し、他にも鳥型の生物がいるが、この惑星ではこの種類だけが高い知性を持っているようだ。
次の球体では、二重惑星で小さい方に住んでいる知的生命体だ。大きい方とは光の束でつながっている。光の束の意味は理解不能だが、こちらも非常に進んだ文明だ。大きい惑星と向き合う側が生活エリアになっている。歴史映像によると、この知的生命体は重力が低い惑星で生まれ生活していたが、恒星の状態変化が惑星の環境変化を起こし生命維持出来なくなる事が判明した。いくつの恒星を周り元の環境と似た惑星を探査し、ハピタブルソーンにある2つの惑星を、移住前の惑星と同じ重力になるように二重惑星に作り替え、移住して来た文明だ。都市構造は、巨大な宇宙船をつなげたような形で浮いている。地上にも海上にも海中にも宇宙にもある。いくつもの地上の都市は宇宙船の周りに幾何学的な模様を作っているが自然と調和している。こちらも人工的な煙は見当たらない。ここの知的生命体は太いトンボのような体だ。目は前に2個、上前方に2個、左右後ろに1個ずつの7個もある。耳は前よりの左右と上方と後方に計4個ある。6本の細長い手、縦に並んだ6本のゼンマイのような指がある。尻尾に当たる部分は6本のみみずのような足があり、直立歩行をする。歩く時は6枚の羽は縦になり背中に沿うような形になる。羽は体の動きに合わせて縦にも横に曲がる。地上や海にも生物は多種類多数存在するが、この惑星では移住してきた種類だけが高い知性を持っているようだ。
どちらの生命体の文化も非常に進んでおり、宇宙へ進出している。空中都市にまで発展する文化は、空を飛ぶ生物だからこそ空中都市ができるのだろうか。宇宙へ行く発想は、空と宇宙の境界線が曖昧だから起こりやすいのだろうか。小説では19世紀半ばに大砲に乗って月まで行った。ライト兄弟が動力飛行で空を飛び、60年以上を経て人類は月へ行った。空を飛ぶ事が現実にならなければ、宇宙へ行く想像すらしないのだろうか。空中以外にも生物がいるが、地上海中地中の生物は文字を持つ文化にまで発展していないのは、ただ単に時間の問題なのだろうか。
次に水中都市の映像の球体を見てみた。こちらの知的生命体のエネルギー源は波力や水流発電がメインのようだ。海面では光発電もしている。住居は流線形だ。水底に張り付いている物もあれば水中に浮いている物もある。水中に浮いている物は平べったい楕円球型が多い。建物は膜構造が多く柔らかい。障害物がぶつかっても軽く跳ね返すようだ。深度が深く光が届かない場所では建物の屋根や壁部分が光って周りを照らしている。人工物で光らせたり発行生物が張り付いている。乗り物はイカやタコのようなジェット推進装置を複数付けたカジキのような形をしたものに乗っている。フグの様に膨らむ機能があり重い物も浮かせて運ぶ。資源採集は大きなワームのような機械が海底を這い口から資源を取り込んでいる。時々地下にももぐり移動した後の穴はふさいだりそのまま住居や倉庫に変えたりしている。採取した資源は海底の大きなドームに持って行き加工している。すべての建物の屋上や外壁は、植物が張り付き小さな生物がいて天然の畑を作り食物を得ている。木漏れ日のようになってキラキラしている。住居の持ち主は魚型に近い。目は左右と上部に前後の計4個ある。首があり手が4本ある。首の前の口の横あたりに小さな長い手と首の後ろに太い手がある。泳ぐ時は首を縮め手足は体に沿ったくぼみに収納し、なだらかな流線形を作っている。足はなく大きな尾ビレがあり縦型と横型があり人魚のようだ。他にもイカやタコ型で、目が左右とやや上部に前後の計4個、細長い手が4本と太い脚が4本あり吸盤は先端にだけ付いている。服はカムフラージュの為か周りと同化するような服を着ている。この惑星での知的生命体はこの2系統だけのようだ。目が6個やとても大きな一つ目の生物もいるが、道具を作るほど知能は高くないようだ。
次に地上型の都市の映像の球体を見に行った。脊椎動物型、節足動物型、軟体動物型、植物型、その他の形容しがたい型。地上型は形状の種類が圧倒的に多い。地球人間型の目耳手足が一対ずつは非常に少ない。SFの映画やドラマに出てくるような目が大きくて皮膚や服がグレーや緑色の姿の知的生命体は見つけられなかった。都市の形状も人工物で固めたビルの乱立や、自然を利用し知的生命体がいる事を隠している文明もある。資源はその惑星の地下から採取しているのがほとんどであるが、近くの惑星へ取りに行っている文明もあり、中にはエネルギーを恒星から直接吸い取っているのもある。資源の加工では、形を変えるだけでなく、分子や原子の構造を変えたり組み替えたりして新しい人工物を作る文明もある。発電は惑星内の自然エネルギー変換だけでなく、恒星の近くまで行き、光以外のエネルギーも採取している文明もある。中にはブラックホール、中性子星、白色矮星を人工的に作り出し長距離移動のエネルギー源にしている文明もある。コミュニケーション方法は、動物系知的生命属は音や光で意思疎通し思考は個人中心文化が多い。意見の食い違い、理解度の差などの理由や知識の蓄積の為に文字文化が発達している。一方、植物系知的生命属にも目耳鼻口手足がある。当然、一対から多対まで多種類ある。エネルギー源は光合成が中心で、活発に動く時は動植物を食用する。知識を持つと重力の大きさにもよるが3m以内の大きさになる。栄養素が大きさより知能の発展や維持に使われる様になる。一斉に花咲かせたりサンゴが一斉に放卵したりするように一斉に同時行動するのが多い。意思疎通はフェロモン放出、電磁波通話やテレパシーでも使うのか、一瞬で多数決し思考は共有文化中心の文明が多い。思考や記憶は分担され、必ず誰かが必要な情報を持っている為か、文字文化はそんなに発展していないのに知性の高い文明もある。節足動物系知的生命属の中でも、昆虫系知的生命属は医学が特に発展している。さなぎの変態機能から発展し身体再生技術を持っている。怪我をすれば溶液を上に塗り、身体の一部を失えば内臓や義手義足のようなカプセル型の医療器具を付ける。この技術は一部の動物系植物系の生物にも有効であり、恒星間貿易の品目にもなっている。地上型生命は気象のブレが大きく生活環境も変わりやすく、生物の種類も多い。何かに対応する場面が多くなり、道具を使い始めるようになる。同時に知能が発達し道具を改造生産するようになり、やがて惑星外まで行く種属が多くなるようだ。
知的生命属に共通して言える事は、手先が器用であり、言葉等でコミュニケーションを行い、文字で情報を蓄積し、服を着ている。服を着始めたのは寒さ対策、カムフラージュの理由だけではなく、様々な理由から勲章のような化粧、戦利品の装飾から始まり、権威を表す装飾品や服装を身に着け、身分や役割分担ができ社会が発達していったのだろう。この宇宙は生命の材料であふれ、生存環境を探し求め、定住し進化するタイミング待っているという事なのだろうか。
ボォ~~~ 遠くで船の汽笛のような音が聞こえた。足元の地球がかなり小さくなった。上を見ると写しだされていた星が放射状にこちら側に流れ出した。中心から次々に星が現れ外側に流れていく。中には赤っぽいのや青っぽい線が時々現れる。放射状の線が一面に広がった。やがて流れていた放射状の光線の外側の端が赤くなってきた。進行方向中心の星の線は青っぽい。下を見ると赤い放射状の線が中心へ流れていく。中心が暗くなってきた。だんだん大きくなり、闇が追いかけてくるようだ。光速になりつつあるのか。過ぎ去った光が追い付けないのだろう。上を見ると外側にあった赤い淵が中心に近づくように小さくなっていく。赤の外側の周りは真っ暗だ。中心の青と周りの赤までが綺麗なグラデーションになり小さくなって消えてしまった。黒一面の中にグレーの点が現れ大きくなり一面がグレーになった。中心に黒い点が現れ広がり黒だけになった。何度か繰り返し筒の中を通っているような感じだ。だんだん間隔が早くなり筒が短い筒の連続になり、筒がリングになり、リングとリングの間隔も短くなり、連続したリングの中を通っているような感じだ。リングの色はグレーから赤色になり紫色へグラデーションしていく。
これはなんだ。イメージ映像か、知的生命体の演出か。光速以上で移動しているって事は、もう地球に戻っても時代が変わっているのだろうか。それとも多次元世界から1次元世界を見た時のように、角を曲がっただけと言われたようなものなのだろうか。
ドォ~ン 遠くで大太鼓を叩いたような音がした。リングの色が紫色から赤色へのグラデーションになりやがてグレーになった。リングの流れが遅くなり、筒の連続になり、黒とグレーの繰り返しになり、黒から中心が青で外側が赤の小さな放射状のグラデーションが現れ、それが大きくなり、沢山の放射状の光の線になり、線が流れる点になり広大な宇宙になった。下を見ると真っ黒で何もなかった空間に、真ん中がロート状に飛び出た歪んだ広大な宇宙が見える。ロート状はどんどん低くなり歪みが消えた。ワープが終わったのか。
下は3次元空間、上は高次元空間、今いる場は上の高次元空間をコントロールしている超高次元空間という事なのだろうか。
右半分は上下を貫いて大きな渦巻状の銀河が見える。天の川なのかアンドロメダなのか別の銀河なのか。銀河の中心の膨らんだあたりの回転軸上にいる。天の川銀河なら3万光年、アンドロメダ銀河なら250万光年もワープした事になる。上を見ると何か大きなものに近づいている。銀の球体だ。惑星くらいの大きさで周りの宇宙が反射して写っている。大きな穴が一つ開いている。どんどん近づいて行き、穴の中に入った。穴の中は真っ暗で球体の裏側と思われるあたりに超銀河団が沢山浮いて並んでいる。文明エリアの分布図よりさらに数が少ない。何を基準に選んでいるのだろうか。並んだままの超銀河団が一方向に動き出し、いや、こちらの向きが変わり一つの超銀河団に近づいて行った。多数の銀河団が一面に重なって見える。
突然暗闇から宇宙へ出た。超銀河団の移動だから数億光年から数十億光年移動した事になる。いろいろな色の星と虹色ガスで一杯の宇宙が現れた。どこかのガス星雲の銀河にたどり着いた。近くにゆがんだ渦巻銀河や楕円銀河がある。楕円銀河の端っこに向かっているようだ。下を見ると黒い穴が開いた銀の球体が小さくなっていく。放射状に星が後ろへ流れ、先ほどと同じ流れの光景になった。光の収束、早くなるリング、音、遅くなるリング、光の発散、放射状の線から点へ。
近くに3つの恒星がある。くっつきそうな2つの恒星と離れた所に3つ目の恒星がある。いつのまにか半球状に並んだ球体は離れ、この恒星系の惑星地図を表示する球体が一つだけになっている。この恒星系は中心に二重連星の恒星のあり、3つ目の恒星は中心から離れた場所で垂直に交差した形で細長い楕円公転している。ハビタブルゾーンは二重連星の恒星の周りと3つ目の恒星の周りにあるのだろう、3つ目の恒星の位置により、惑星には夜がない時期がありそうだ。大小合わせて30近くあり3色に色分けされている。惑星は衛星をいくつか持っているのが多い。土星のようなリングを持っている惑星もいくつかある。ただそのリングは実際にはほとんど見えない。説明されたからわかる程度だ。太陽系の小惑星帯みたいなリングがいくつもある。どうやら二重連星の恒星の円周上で、3つ目の恒星の垂直公転軌道より内側に行くようだ、白と黒と6色のグラデーションでまだら模様の惑星に近づいてきた。昼側の部分はホワイトオパール、夜側の部分はブラックオパール、境目はファイヤーオパールのように見えとても綺麗だ。どんな生物、文明と出会えるのだろう。白い雲の中に入って行く。わくわく。
ん、何だ、何が起きた? ここまで来て、もうすぐ到着なのに・・・。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、・・・。
眠い! もう朝か。目覚まし時計は嫌いだ。いつも寝ている時に起こす。あとチョット、あとチョットで。
ん? 何があとチョットなんだっけ。
2020年 夏 東京都渋谷区
久しぶりに紙飛行機をいくつか折ってみた。まずは三角形に近いプロトタイプ改良版A型からだ。これは中央後方に下向きに力を与え迎え角を持たせるようにした形だ。頭の上へ手を伸ばし垂直に下向けに落とす。重力に従いそのまま体に沿って落下し、腰のあたりからクイッと前方に曲がり滑空していく。期待通りの動きだ。次はアスペクト比を高くした横長のB型だ。これは翼の前半分を上向けに曲げ空気を下側に流す方法だ。上昇するのに下側へ力を与えるような無駄な力を無くした形だ。同じように落とす。胸のあたりで前方に曲がり滑空していく。予想していたより早く滑空を始めたが思った通り直進性が弱い。風見鶏のような尾翼をつけられれば風上に向いて飛んでいくだろうが、簡単な折り紙飛行機ではなくなってしまう。それにグライダーと似たような形になってしまっては面白みがない。A型の改良版で折る回数を減らしたC型、見た目はかなりすっきりしている。翼の前面一部を上向けに曲げ空気を下側に流す方法だ。B型と同じように下側への力を無くした形であり、重心も中央寄りになっている。これも同じように下向けに落とす。腰のあたりからクイッと前方に曲がり滑空していく。こちらも期待通りの動きだ。強度不足を補う為、新聞広告の中でも厚みのある堅い不動産広告を使っている。もっと柔らかい用紙でも作れないか、揚力が効きすぎて失速しないか、風の弱い日と強い日の折り方の違い等、課題はまだたくさんある。室内はともかく、外で飛ばす時は、風を読んだり微調整の箇所が多いが、それが楽しい。ここに住んで十数年になり、近くの低階層のビル群は数年前に大きな駐車場になり、最近高層ビルに変わった。ビル風が吹くようになり、家の前の道路は言わば風洞実験室のようになった。それでも外で飛ばす時は天候次第なのがもどかしい。
2023年 春 東京都渋谷区
反り返るように折ったいくつかの紙飛行機を持って外に出た。室内では頭の上から軽く押してやると、5mくらい前に着地するように調整しておいた。紙飛行機は尖った方を前にして飛ばすのが多いが、あえて前後を逆にして尖った方を後ろにし、水平を維持したまま足元に落下するタイプもある。季節の割には風が冷たい。いつもの事だがわくわくする。左側を風上に立ち、伸ばした右掌の下に風で紙飛行機が張り付いている。掌を45度から水平に倒していきながら指先をすぼめ紙飛行機の上側にも風が流れるようにする。手から離れ落下するが、そのまま下へゆっくりと水平を保ったまま落ちていく。先端が上を向いて縦になる時は揚力が効きすぎている。後ろへ水平のまま流されるように飛ばしたい。風に乗れない時は水平を保ったまま、パラシュートのようにその場か少し前に落ちてくのが理想な飛び方だ。風を受けやや上向きの状態を保つようにしたい。風の強さにより紙飛行機の折り目の位置で幅を変えたり角度を変えたりして何度か調節する。風の強さにより浮遊する紙飛行機の種類が違う。風に乗ると前側が少し上向きその場にとどまるか後ろへ流される。前には飛ばない。無風になった時は室内で飛ばした時と同じ動きで、水平を保ったまま降下するか斜め前へ滑空する。ゆらゆらとふら付きながらも少しずつ高度を稼ぎ、風下上空へ浮遊する。出来た! 完成だ! 嬉しい! ここまで来るのに長かった。上下逆、重心の前後、飛ぶ方向の前後逆、羽の広い方を前にするか後ろにするか、風の有る無しでの飛び方の違いなど、ダメ元でやってみて新しい事に気づくことが多かった。上昇気流のある山腹等では、きっと風に乗って上昇しやすいだろう。でもまだ風上に向く力が弱い。新しい課題が出て来た。
ただ、この紙飛行機は上昇気流にうまく乗った時、一度しか遊べないのが欠点だ。小さくなっていく紙飛行機を想像しながら思った。
PS
都会は迷路だ。地下鉄の出口を間違えると手元の地図は役に立たない。間違いに気づくまで、存在しないキーとなる建物を探し回ったりしてしまう。
下町や昔からある住宅街は道路が碁盤に走っておらず、道なりに歩いていると方角がずれていく。
渋谷界隈も同じである。毎年の春の花見で代々木公園から帰る時、迷子を楽しんでいる。知っている道を通ってもつまらないので毎年違う道を通り、新しい店を発見したりして散歩を楽しんでいる。曇りの日は方向が分からなくなりとんでもない方向へ歩いていたりする。「渋谷駅はどちらの方向ですか?」と道を尋ねると、とんでもない方向を指さす場合がある。それはそれで驚く事が楽しいのだが、せっかく見つけた店へたどり着けないのも残念である。帰宅後ネットで調べておくのだが月日が経つと店の事も忘れてしまう。さらにコロナの影響で閉店した店も多い。でも毎年、今年はどんな店と出会うのかと楽しみは尽きない。小さな楽しみである。
付録
話の中に出て来たカードの作り方(2進法で考える)
正三角形 9枚
底辺、右上辺、左上辺の順に半円の有る無しを表記する
(●が黒い半円を書く場所)
ー ー ー ←このパターンは2枚
ー ー ●
ー ● ー
ー ● ●
● ー ー
● ー ●
● ● ー
● ● ●
正四角形 16枚
左辺 下辺 右辺 上辺の順に半円の有る無しを表記する
(●が黒い半円を書く場所)
ー ー ー ー
ー ー ー ●
ー ー ● ー
ー ー ● ●
ー ● ー ー
ー ● ー ●
ー ● ● ー
ー ● ● ●
● ー ー ー
● ー ー ●
● ー ● ー
● ー ● ●
● ● ー ー
● ● ー ●
● ● ● ー
● ● ● ●
正六角形 64枚
左上辺 左下辺 下辺 右下辺 右上辺 上辺の順に半円の有る無しを表記する(●が黒い半円を書く場所)
ー ー ー ー ー ー
ー ー ー ー ー ●
ー ー ー ー ● ー
ー ー ー ー ● ●
ー ー ー ● ー ー
ー ー ー ● ー ●
ー ー ー ● ● ー
ー ー ー ● ● ●
ー ー ● ー ー ー
ー ー ● ー ー ●
ー ー ● ー ● ー
ー ー ● ー ● ●
ー ー ● ● ー ー
ー ー ● ● ー ●
ー ー ● ● ● ー
ー ー ● ● ● ●
ー ● ー ー ー ー
ー ● ー ー ー ●
ー ● ー ー ● ー
ー ● ー ー ● ●
ー ● ー ● ー ー
ー ● ー ● ー ●
ー ● ー ● ● ー
ー ● ー ● ● ●
ー ● ● ー ー ー
ー ● ● ー ー ●
ー ● ● ー ● ー
ー ● ● ー ● ●
ー ● ● ● ー ー
ー ● ● ● ー ●
ー ● ● ● ● ー
ー ● ● ● ● ●
● ー ー ー ー ー
● ー ー ー ー ●
● ー ー ー ● ー
● ー ー ー ● ●
● ー ー ● ー ー
● ー ー ● ー ●
● ー ー ● ● ー
● ー ー ● ● ●
● ー ● ー ー ー
● ー ● ー ー ●
● ー ● ー ● ー
● ー ● ー ● ●
● ー ● ● ー ー
● ー ● ● ー ●
● ー ● ● ● ー
● ー ● ● ● ●
● ● ー ー ー ー
● ● ー ー ー ●
● ● ー ー ● ー
● ● ー ー ● ●
● ● ー ● ー ー
● ● ー ● ー ●
● ● ー ● ● ー
● ● ー ● ● ●
● ● ● ー ー ー
● ● ● ー ー ●
● ● ● ー ● ー
● ● ● ー ● ●
● ● ● ● ー ー
● ● ● ● ー ●
● ● ● ● ● ー
● ● ● ● ● ●
カラーバージョンカードの作り方
・正三角形、正四角形、正六角形、正立方体、どれも考え方は同じ
・カードの場合は上下が分かるように、真ん中に上向きの矢印をつける
・立方体の場合は3方向の向きが分かるように、上辺に矢印をつける
・カードの枚数は(色の数+1)に辺の数の乗数になる
(色の数に1を足すのは色を付けない辺があるため)
・正立方体の個数は、面につける色の数に面の数(又は+1)の乗数になる
例 正四角形のカードで、4辺に4色を割り当てる場合、4色と色を塗らない背景の
色で5(色パターン)の4乗(辺の数)になる = 625枚
1 4桁の5進法の表を作る
2 桁と辺の対応場所を決める
1桁目=上辺 2桁目=右辺 3桁目=下辺 4桁目=左辺
3 数字と半円の対応色を決める
0=色なし 1=赤 2=黄 3=緑 4=青
4 桁と対応する辺、その桁の数字から対応する色を、辺の中央に半円を塗る
遊び方
・遊び方のルールを考えるゲームとも言える
・話の中にあったように まずは半円を合わせる接続ゲーム
まずは矢印の方向を決めないで全部繋げてみる
矢印の方向を決めないで大きな四角形の形になるように作る
矢印の方向を決め大きな四角形の形になるように作る
・黒を赤黄緑青に塗り替えて、4色セットでトランプのように遊ぶこともできる
・トランプはマーク(又は赤黒)と数字の2要素 話の中のカードは半円の色、
数、場所で3要素
1要素増えた分 単純なルールを複数作る
複雑なルールを少なく作る
・2進法が理解できれば、半円の位置に重みを付けて遊べる
・半円の有る無しの場所や数、色で ポーカー、ブラックジャック、
セブンブリッジのような遊びができる
プログラミングができる読者へ
答えが出ても賞品はありません ただの興味です (完成形を見たいだけ)
正方形カード
問A1 正四角形カードで半円が黒の有る無しパターン(16枚)を、
黒い半円で全て繋げる時、回転や上下左右反転で同じ形になるのを
1パターンとすれば何パターンできるのか
問A21 正四角形カードで半円が4色のパターン(256枚、1辺16枚)を、
同じ色の半円で繋げ、一番外側の辺の半円の色を1色にする時、
大きな正四角形になるように作れるのか
問A22 問A21が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問A23 問A22が作れる時、回転や上下左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
問A31 正四角形カードで半円が4色+色なしのパターン(625枚、1辺25枚)を、同じ色の半円で全て繋げる時、大きな正四角形になるように作れるのか
問A32 問A31が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問A33 問A32が作れる時、回転や上下左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
正六角形カード
問B11 正六角形カードで半円が黒の有る無しパターン(64枚)を、
黒い半円で全て繋げる時、点対称の大きな正六角形ぽく作れるのか
(枚数的に大きな正六角形にはならない)
問B12 問B11が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問B13 問B12が作れる時、回転や上下左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
問B21 正六角形カードで半円が6色のパターン(46,656枚)を、同じ色の
半円で繋げ、点対称の大きな正六角形ぽく作れるのか
(枚数的に大きな正六角形にはならない)
問B22 問B21が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問B23 問B22が作れる時、回転や上下左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
問B31 正六角形カードで半円が6色+色なしのパターン(117,649枚)を、
同じ色の半円で全て繋げる時、点対称の大きな正六角形ぽく作れるのか
(枚数的に大きな正六角形にはならない)
問B32 問B31が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問B33 問B32が作れる時、回転や上下左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
正6面体
問C11 正6面体で面が黒か白のパターン(64個、1辺4個)を、
黒の面で全て繋げる時、大きな正立方体になるように作れるのか
問C12 問C11が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問C13 問C12が作れる時、回転や上下前後左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
問C21 正6面体で面が6色のパターン(46,656枚、1辺36個)を、
同じ色での面で繋げ、一番外側の面の色を6色に分ける時、
大きな正立方体になるように作れるのか
問C22 問C21が作れる時、特定の色で包むように外側のすべての面を
同じ色でそろえ大きな正立方体になるように作れるのか
問C23 問C21、問C22が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問C24 問C23が作れる時、回転や上下前後左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
問C31 正6面体で面が6色+色なしのパターン(117,649個、1辺49個)を、
同じ色の面で繋げる時、大きな正立方体になるように作れるのか
問C32 問C31が作れる時、特定の色で包むように外側のすべての面を
同じ色でそろえ、大きな正立方体になるように作れるのか
問C33 問C31、問C32が作れる時、矢印の向きを統一してもできるのか
問C34 問C33が作れる時、回転や上下前後左右反転で同じ完成形になるのを
1パターンとすれば、何パターンできるのか
本編の目次とあらすじ(発表予定なし)
前編
ファーストコンタクト
月の軌道より内側に巨大な三角形の物体が現れ、4つの三角形に分離し
等間隔に地球を囲んだ。
国連は先制攻撃しない様に各国に提言する。
その後数年間、年に数回、多数の巨大な球体が地球表面を周回するが何もしない。
複数の国家や団体が、球体や三角形に攻撃を始めるが、破壊できないし
反撃もしてこない。
複数の都市に直径3mの球体を置かれ、各国は調べるが何も分からない。
目覚め
太陽フレアの危機、未来に地球と衝突する隕石の通過、巨大な自然災害等から
人類は助けられる。
球体は、全ての攻撃はエネルギー変換され、吸収される事を伝えるが、
人類は理解できない。
圧倒的な文明レベルの差を知り、人類は球体への攻撃、全ての戦争や紛争をやめる。
球体から新しい発想の基礎数学、基礎物理、基礎化学を学ぶ。
球体は三角形の中に戻り、4つの三角形は合体して消える。
後編
旅立ち(1万年後)
球体から学んだ知識を発展させ、人類は高度文明に進化する。
宇宙空間で1G加速が出来るようになり、太陽系内なら2週間で往復できる
ようになる。
資源は他の惑星からも採取するようになり、惑星上の閉鎖空間へ移住する者が
出始める。
進化(10万年後)
さらに進化し、天の川銀河内や衛星銀河まで往復できるようになる。
宇宙に散らばった人類は、移住先で人口を増やしていく。
移住した人類は、身体も精神も文明もそれぞれの環境に特化した形態進化する。
元人類や既存の知的生命体が、進化レベルの異なる文明と出会う時、対応が分かれる。
自己優先交流系の破壊型、奴隷型、強制移住型、身体同化型等。
継続交流系の貿易型、救助救援型、知識提供型等。
非交流系の観察型、放置型、資源採取型、逃避型、潜伏型等。
エピローグ
セカンドコンタクト(100万年後)
アンドロメダ銀河の近くに縦筋のある巨大な円柱が現れ、長さの異なる円柱に
分裂した。
分裂した円柱は周りの銀河へ飛び、近付くと7本の六角柱に分裂した。
それぞれの六角柱は、薄い六角形、6個の三角形と分裂し、4つの小さな三角形に3回分裂を繰り返した。
知的生命体のいる惑星に行き、三角形はさらに4つの三角形に分離し等間隔に
囲んだ。
三角形は恒星、惑星の環境、知的生命体の歴史、文明、文化レベルを調査する。
進化の秩序を乱す知的生命体か、未来行動も分析する。
生き残り
ミトコンドリア、葉緑体、その他のエネルギー変換機能を停止された知的生命体が
いる。
遺伝子や知能を機能低下させ、低文明レベルで他惑星へ移住させられた知的生命体がいる。
進化の秩序維持や他の目的の為に、問題はあるが教育して存続された知的生命体がいる。
生き残った知的生命他は、継続交流系か非交流系に分類される。
三角形は、作業が終わると次の知的生命体のいる惑星へ行くか、合体して戻る。
最後に
白い空間の記憶はあなたも持っている 分けるゲームでは、どこまでできた?
未来の子供たちの為に人類は一つになり、現在の地球環境を維持しなければならない
昨日より素敵な明日に出来ますように
<終>
スカイヨット マスヨーニ @holly001
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