第4話「魔力計測ですよ。魔王様。」
ギルドではたくさんのテーブルがならんでおり、そこでゆっくりと休憩している人もいれば昼間から酒を飲んでいる人もいる。奥にカウンターみたいなのがあり、何人かがなにかの手続きをしているのが見える。
とりあえずカウンターへいこう。
「すみません、初めてギルドに来たのですが…」
メガネを掛けたいかにも仕事早いですよっていう見た目の職員に尋ねてみた。
「あ、はい。職ぎょ…ギルドカードの発行ですね。
ちなみにどこの街から来られたのでしょうか…。」
まずいことを聞かれた。…これはとびきり田舎だってことにしておこう。
「山奥です。すごく遠くの。」
「そうでしたか。それでは説明が必要ですね。まずここは職業安定所…よくギルドと呼ばれています。ここでは個人や街、たまに国からだったりといろいろな所からくる依頼を受けたり、その依頼の報酬を受け渡しなどをしています。そしてあなたは田舎の方から来られたようなのでまずはギルドカードの発行からになりますね、ちなみに手数料として1500gが必要になりますが。」
え?職につくのに金が必要なの?詰んでね?
「あの今手持ちが無くてですね…」
金がない事を説明しようとした瞬間、横に袋が置かれた。その袋からはチャリン、とお金の音がしている。
「うん。いいね。君に30万g投資しよう。」
そういったのは高級感のある服を着た青年だった。
「あぁすまないね。ボクはディボス=フラメル、貴族さ。君からなにかすごいものを感じるんだ。なんというか…瘴気に近いようなものだけどね。」
あぁ、すっごくありがたい。でも瘴気って…
「あ…ありがとうございます。」
「いいや、礼はいらないよ。30万が少し少ないかって思うくらいだよ。」
そして5秒くらいの沈黙が続いたあと、職員の人は話が終わったことに気づいたらしく話し始めた。
「とういうことでそちらの方に払ってもらうということでよろしいでしょうか。」
「いいや、この30万は彼のものだ。ボクが払ったわけじゃない。」
なんだろうこの人。もはや優しすぎて怪しくなってきたんだけど。
「とりあえずギルドカードの発行のために魔力を測らせてもらいます。」
出たよお決まり展開。僕はどのくらいなんだ…?
「それではこちらの紙に10ほど触れてください。結果は数値でいうと100~500くらいの魔力を持っていれば紙が緑に、501~1000で青、そしてそれ以上だと紙が赤になります。」
紙に触れた。すると紙はみるみる…黒色に染まっていった。
「??????」
全員の目が点になる。
ん?どゆことだ?
「ちょっと…前例がなさすぎますね、これは。」
こうゆうのって異様に魔力が高かったり魔力がなかったりするみたいな展開でと思ってたんだけど。いやもちろん平均的かもとも思ったさ。えぇ…黒…?
これは不味くないか…?まともな職につける気がしないんだけど。
魔王?それならバッグについてますが 已己巳己心 @Ikomikigokoro
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