届け

トム

届け



 ――大好き!



 幼く、無邪気だった頃、家族に常に伝えていた言葉……。



 ――好きです。



 恋を知り、焦がす想いに誠意を込めて、相手に初めて告げた言葉……。



 ――愛している……。


 互いを求め、遂げたい想いを込めて、心を奪いたくて告げた言葉……。




 駆け引きを知り、素直に言えなくなった気持ちを誤魔化して……それでも求めた結果、その言葉は装飾されて……。言い訳じみた音の羅列になっていく。



 心の底にあるのは同じ気持ちなのに――。


 無垢で混ざっていないのに。


 どうして汚れていくんだろう……。



 ホントのホントの気持ちはね。


 

 ――なんにも変わってないんだよ。


 

 ただアナタと居たいのです。


 ずっと傍に居てほしいのです。


 それが叶うなら、ボクはどんなに辛くても。



 ――きっと笑っていられるから。



 だから……キミに伝えるよ。



 ――ダイスキ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

届け トム @tompsun50

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る