第9話 『空飛ぶクジラ』について


ご著書について質問します。


【Q1】紹介したい作品を1作、タイトルを上げてください。(URLも可)


 『空飛ぶクジラ』

https://kakuyomu.jp/works/16817330649060061809



【Q2】カクヨムのジャンルに縛られず独自に言うとどんなジャンルですか?


 思い出が現在につながる物語……かなぁ?

 昨年の「角川武蔵野文学賞」に応募した作品です。



【Q3】おおまかな内容を教えて下さい。


 昭島に住んでいたころ、中学校の同級生に小菊こぎくという女の子がいた。

 いまのことばで言えば超絶「空気の読めない」子だった。その子が、「将来の夢」を聞かれて、「昭島の海にクジラが泳いでいるのを見ること」と言って、教室じゅうの生徒たちに笑われてしまう。

 昭島はたしかにクジラの化石で有名だけど、海ではないいまの昭島で、どうやってクジラが泳ぐんだ?

 「おれ」は、そういうのは、教室で聞かれた「将来の夢」ではないと説教しようとする。

 しかし、そのとき、「おれ」が大瀧詠一の「空飛ぶくじら」という曲のタイトルを言ったことで、小菊の想像力はさらに先へと進んでしまうのだった。

 「青春」の入り口で中学生たちがかわした話の行方とは?



【Q4】主人公について教えて下さい。


 語り手は「おれ」ですけど、「小菊」という少女がお話の中心だと思います。

 いまのことばで言えば「空気の読めない」子で、教室でもズレた発言を平気でやります。ハズレたことを言ってしまったときには恥ずかしい思いをするのですが、「ズレている」という自覚がないので何度も繰り返します。また、そういうとき以外は目立たない子らしく、「目立つ女子」たちに連れ回されて不愉快な思いをすることもよくあるらしいです。

 それが昔の小菊で、いまは……。



【Q5】主人公の他に注目して欲しいキャラクターがいましたら紹介してください。


 語り手「おれ」のほうなんですけど……。

 小菊が気になっているだけあって、「おれ」のほうも、内気で、あまり人づきあいが得意でない、という面があるように思います。



【Q6】作品中で好きなセリフまたはクダリ(一節)を紹介してください。


 「できるできる」

 小菊はうきうきして言った。……

 「だから、やろうよ! 何年かかるかわからないけど、やってみよう!」



【Q7】[完結済作品の場合] 執筆期間はどれくらいでしたか?

   [連載中作品の場合] いつから連載していますか?


 2022年11月1~3日連載 執筆もほぼ同時です



【Q8】この部分にはチカラを入れたという個所はありますか?


 「昭島らしさ」を描きたいと思ったのですが、このときはまだ昭島にあまり行ったことがなくて、地域の個性とかあまりわかってなかったかな、といまでは思います。

 ちなみに昭島で発見された化石のクジラ「アキシマクジラ」は「エスクリクティウス・アキシマエンシス」と名づけられています。廃校を利用した、図書館を中心とする複合施設「アキシマエンシス」もあり、クジラ化石のレプリカが飾ってあります。



【Q9】苦労した点はありますか?


 角川武蔵野文学賞の制限字数に収めること。

 あと、大瀧詠一の曲を確かめずに書いて「空飛ぶクジラ」というタイトルをつけて、あとで確かめたら曲名は「空飛ぶ」だった、ということもありました。



【Q10】どんな方に読んでほしいですか?


 すべての方に、です。

 「武蔵野」について関心のある方に向けて書いた作です。ですから、「東京」といっても、地域ごとに個性があるわけで、とくに、そういう「東京らしさ」に関心のある方に読んでいただければ嬉しいです。

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質問集 vol.1 -作品について- への回答 清瀬 六朗 @r_kiyose

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