[番外篇]向坂恒子について

 『遥か昔のエジプト精神』、『おばかさん』、『続おばかさん ぐちゃぐちゃ編』などに登場する向坂さきさか恒子つねこさんについて、ゴオルド様から「私は向坂先輩が好きです!」というメッセージをいただきました。

 また、恒子さんが登場する『遥か昔のエジプト精神』と『おばかさん』を紹介したのに、「主人公の他に注目して欲しいキャラクター」として恒子さんをまだ紹介していません。

 そこで、今回は、向坂恒子さんについて紹介します。


 向坂恒子さんは、瑞城ずいじょう女子高校の生徒会の役員です。

 なお、古原こはら瑠音るね岩瀬いわせ成美なるみはエリートコース「GS」の生徒ですが、恒子さんは普通科です。


 この地方のおカネ持ちの娘です。

 女子校の女子を引きつける美人で、自分の家がもっている別荘のうち、家族が使わない家を自分のものとして使っています。そこに気に入った相手を連れ込んで、セルフレイティングしたほうがいいような行いをしています。

 また、同じく、親の会社がキープしている高層ホテルの27階のスイートルーム「2703」を、親が仕事で使わないときには自由に使っています。そこにも自分の気に入った女子を招くことがあります。

 「2703」に招いてもらえた女子は、ただ別荘に招待されただけのメンバーよりも気に入られている、ということになっていますが、恒子の気もちとしてどうなのか、というとよくわかりません。


 自分の美貌には絶大な自信を持っていて、「自分が気に入ってやった相手は絶対に自分の魅力から逃れられないはず」と思っています。

 しかし、自分が「ゴミの一部になる」と言うほど、自嘲的になり、自信を失うこともあります。

 (『遥か昔のエジプト精神』第32話 2703(10))

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815/episodes/16817139557139000338


 高校一年生で生徒会の役員になったころはまじめで活動熱心な役員でした。二年生になると、何人もの生徒会役員と関係を結ぶようになり、そのグループが派閥のようになっていましました。

 しかも、派閥内でも恒子の寵愛を求めて競争が起こるので、恒子も生徒会活動どころではなくなっています。


 なお、恒子は瑞城女子中学校からの「内部進学」で高校に入りました。

 この中学校時代を知っている生徒は、恒子について「ぼーっとしてる子」または「特別な印象のない子」という印象を持っているといいます。中学校時代の恒子はとくに目立つところのない子だった、ということです。

 また、恒子の美人ぶりは瑞城女子高校の制服では目立たないため、いっしょにいる時間が長い生徒や、私服姿を見たことのある生徒が主として恒子の美人さに惹かれる、という話もあります。

 その結果、いっしょにいる時間が長い生徒会の役員に、いっしょにじゃれ合う相手も多くなった、ということです。

 (『続おばかさん ぐちゃぐちゃ編』第4話 ミッションの基礎知識)

https://kakuyomu.jp/works/16817330654152078628/episodes/16817330654152358676

 だから、恒子が「全校生徒あこがれの的」と思っているのは、瑠音の思いこみ、という面があります。


 母親はマーチングバンド部「瑞城フライングバーズ」のOGです。

 学年を一つ上がって3年生になった恒子は、生徒会役員を辞めて、マーチングバンド部部長に就任します。

 『遥か昔のエジプト精神』

https://kakuyomu.jp/works/16817139556810135815


 学年が変わるときにマーチングバンド部で騒動がありました。

 (『瑞城女子高校四月物語』「愛沙と桜とラーメンと」第22話 桜を遠くに見ながら(3))

https://kakuyomu.jp/works/16816927862088507961/episodes/16816927862472271230


 当時の顧問と、恒子の母を含む一部のOGとが、そのときの部長を追放してかわりに部長として送り込んだのが恒子でした。

 恒子はマーチングにも吹奏楽にも何の興味もありません。

 したがって、恒子は、マーチングバンド部では親たちの言うとおりに動くほかやりようがありません。しかも、途中から入ってきて、何の知識も技術もないまま部長になったのですから、もとからいた部員の多くからは反発され、部の運営は行き詰まります。

 マーチングバンド部に移ったその恒子を支えるのが、宮下みやした朱理あかり郷司ごうじ史美ふみ、一学年下の末廣すえひろ晶菜あきなという、生徒会で恒子にあこがれていたメンバーです。しかし、そのだれもがマーチングも吹奏楽も初心者なので、支えきれないところがあります。

 このことが『遥か昔のエジプト精神』の物語につながって行きます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る