転移少女の知識を駆使した復讐劇第一巻
- ★★★ Excellent!!!
高校受験を終え、晴れて志望校に入学が決まった日本の少女が古代中華に転移し、その見ず知らずの少女でありながらも、知り合えた邑人が生活の面倒をし、少女も邑人からの親切や優しさから、親から生き別れた寂しさが薄れ、自身の知識を駆使して邑人の手助けをしていた矢先、邑が交易を断っていた遊牧民から強奪にあい、難を逃れた少女が、その邑人強奪犯に対して復讐すべく、遊牧民追撃に派遣された軍の副官の勧めもあり、当座の生活と復讐費用捻出の為に、後宮で働くこととなったが、その後宮に復讐相手の遊牧民が襲撃を仕掛け、すんでの所で少女の仕掛けた罠で、後宮内の侵入は防げたが、誅殺すべき遊牧民の首謀者には、後宮の貴妃を盾にされ、逃げられてしまった。
只、その遊牧民との諍いの最中、嘗て転移間もない時から寄り添ってくれた同輩と再会し、同輩と共に憎き遊牧民殲滅すべき後宮を後にする。
何ともスケールの大きい物語なのでしょうか。
後宮の描写も解り易く、特に宦官の自身を呼ぶ一人称の言い回しと人によって変えている妙には、数多ある後宮譚でも今作だけでしょう。それだけで感動しました。
登場人物も個性派揃いで、ヒロインである、麗央那は勿論、翔霏の生い立ちとその武力には驚きです。
兎に角第二幕を楽しく読みたいと思います。