#2
さくらちゃんをひたすら応援し続けているある日、俺は親に呼び出され心配をされた。
いい加減仕事はいつするのだと親は言う。何を言っている、さくらちゃんをトップにする事が俺の人生においての仕事なのだ。
そう言うと親は「そんな事のために人生を無駄にするな」と言った。意味が分からない、人を見る目で良い人を見つけろと言ったのはそちらではないか。
訳が分からず家を飛び出す、どうやら親も俺の見る目には良いものとして映らないらしい。ならば関わらないのが一番だ。しかし人を見る目で良い人を見つけろという言葉だけは信じてやろう、それだけは納得できる。
やはり孤独な俺にはさくらちゃんしかいない、この胸にポッカリ空いた穴を埋めてくれるのは君だけだ、いつか結婚した暁には穴から溢れるほどの愛情が得られるだろう。
その時を楽しみに生きていくのだ。
だから今日も俺はさくらちゃんの応援のため地下のライブハウスに足を運ぶのだ。
ライブハウスは今日も熱気に包まれていた、さくらちゃんの最高の笑顔から溢れるパフォーマンス力と俺たちの声援。それが見事にシンクロして素晴らしい空間が作り出されている。
そして目に飛び込んで来るのは激しい動きに合わせて揺れる黒髪、そしてそこから飛び散る汗。その輝く汗は俺の所まで飛んで来て思わず叫んでいた口に入ってしまう。
少し塩辛さが舌に伝うがこれがさくらちゃんの味だと思えば高級珍味にさえ思えた。
そのまま流れるようにさくらちゃんを見つめていく。次に目に入ったのはヒラヒラの衣装の隙間から覗く肌色だ。綺麗な形のへそにも汗が少し溜まりそれが流れて伝った道はまるで川のようで更に視線を下に落とすと程よい肉付きの太ももにも汗が滲んでいる。
そのツヤツヤした肌色を客席から眺めているだけで涎が止まらなくなっていた。固唾を飲み込んで欲望を抑えた。
まだだ、今はまだアイドルとファンの関係でしかない。これから俺はさくらちゃんをトップスターにした後に結婚する。そうすればいくらでも味わえるではないか。
その時の楽しみを取っておこう、ただ想像するくらいなら良いよね。
そう自分に言い聞かせライブ後は近くのネットカフェに入りさくらちゃんのチェキを見ながら自慰行為に励んだ。
チェキに映るさくらちゃんの顔に白濁液を捧げてこの日の俺は眠りについたのだった。
つづく
僕だけの… 甲斐てつろう @kaitetsuro
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