第14話 帰還


 


 第三の世界「ピンクの世界」を後にしたアンディ王子と澪だったが、アンディ王子の生まれ故郷に無事帰還できた二人。


「やっと第四の世界『クリスタル世界』に戻って来れたわね。今度はアンディが最初に入って頂戴。だってアンディの住む世界でしょう」


 ”ヒュ————————ッ!”


「嗚呼……やっと帰って来れた。それでは早速城に戻り報告しないと……」



     ◇◇


 ダイアモンドのように煌びやかなクリスタル城の前に着いた二人は、王様と妃様の元に足を進めた。


「オオ……よう帰って来たのう。無事で何よりじゃ」


「本当に良かったこと……心配しておりましたが、こんなに元気で安心致しました」

 

「ところで……救済の方はどうじゃった?」

 

「一応問題を解決することが出来ましたが、不死身のサタンがいつ復活するやもしれません。でも……澪と力を合わせれば鬼に金棒!」


「そうか。そうか。これで私と妃も安心じゃ。ところで……この『クリスタル世界』の為に神様はどのような助言を下さったかのう?」


「嗚呼……収穫が有りました『それにはまず公共施設、特に刑務所を頑丈な鉄筋コンクリートで作って、悪事を働くものを牢獄に閉じ込める事じゃ。今までは牢獄に収監しても、クリスタルの建造物では倒壊して逃げ出してしまっていたのじゃろう?美しい景観だけが全てではない事を、悪人を牢獄に閉じ込めて取り締まる事で、そして…悪人が減った事で分からせるのじゃ。やはり頑丈な建造物でなければダメだと思い知らせてやるのじゃ』このようなお言葉を頂きました」


 大臣の中には「景観が乱れる」と言う理由から反対意見も出たが、半ば強引に刑務所建設に取り掛かった王様だった。


 そして一年の月日が流れた。

 半ば強引に事を進めたが、思いのほか功を奏して刑務所建設以前と比べて犯罪者が大幅に激減した。


 こうして…すっかり平穏を取り戻した「クリスタル世界」     



     ◇◇


 アンディ王子と澪は時間が空くと丘の高台に登り、この「クリスタル世界」唯一の自慢百万ドルの夜景を眺めながら、何ともロマンチックな夜景に照らされ熱い抱擁と、口付けを交わすのだった。


「澪愛しているよ💖💕💘」


「私だって……アンディ王子のことを愛しているわ💘でもね……聞いて欲しい事があるの。多分……夢に現れるのは『リンドーレティス王国』の事だと思うのよね?……でも……私には時々想像も出来ない幸と不幸が入り混じった出来事が、定期的に夢の中に現れるのよ?その正体が一体何なのか?それこそ……只の悪夢なのか?それとも……現実なのか?大切な人が残虐非道に殺害されたような?イヤ……もっと別の……何か……反対に……私のもっとも身近な人が……恐ろしい事を企てた張本人かも知れないのよ。そんな事見過ごせないでしょう?そして…両親の庇護の元、幼少の頃とても愛されて育った夢を見るのだけれど……突如誰かの地を裂くほどの悲鳴と共に真っ暗闇になったかと思うと、突然原色を帯びた真っ赤な血吹雪?『バサ――ッ!』とバケツをひっくり返したほど大量に飛び散ってくるの。それも真っ黒のモノトーンの世界から突如原色を帯びた真っ赤な……多分血だと思うけど……そこで私は夢から覚めるの」


「そんな夢を見るなんて……何故なんだろうね?澪は養護施設育ちで両親はいないって言っていたのにね。変な夢だよね?ところで……養護施設で育った夢は見るの?」


「だって……それは異世界転生する前の、私の現世の事だからすっかり思い出したわ。だから……夢には出て来ないのよ。だけど……リンドーレティス王国って一体……?そして…あのマーガレット姫は誰なのか……?」


「澪、じゃあ!その謎を解く為にも、その『リンドーレティス王国』を探しに行こうよ?」


「私の只の幻覚かも知れないじゃないの?そんな事に……アンディ王子を巻き込みたくないわ!」


「何を言っているんだよ。俺は澪の為だったらどんなことだって一緒に乗り越えたいんだよ」


「じゃあまた困難にぶち当たっている人達や生物を救済しながら『リンドーレティス王国』を探しに行きましょう」


「ず~っと死ぬまで一緒だよ💕」


「私だって💓」



 おわり

 

 そして…更に広がりを見せる別の世界がある。 



 お読み頂き、誠にありがとうございました。中編としては一旦完結となります。


 有難うございます!この度は本作を御目に留めて下さり嬉しい限りでございます。もし少しでも気に入って頂けたら作品♡★フォローをお願いします!










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DREAMS COME TRUE 夢*幻の世界へ tamaちゃん @maymy2622

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