雨降りの図書館で

のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます

第1話

「雨よ降れ」か‥

そういえば聖書のノアの箱舟 そんな文章があったような

ちょっとそんな事を思い出す私


最近、読んだ本では 黒海で紀元前よりもっと前に

洪水があったという史実とか本当かな?


ああ、そういえばメソポタミアの神話にも

洪水のくだりがあったとかなかったか‥ふむふむ


大学の提出レポート 調べものはネットで調べてもよかっただけどね。

だって図書館だと電気代が浮くし 此処の図書館、最新の図書館で

設備もいいし、自販機もあるから落ち着くわ。


それに‥うふふ

やったあ!彼が来ている ちょっと素敵な綺麗系イケメンな彼

すごく素敵だから、ほら皆もちらちらと彼を見ているわ


あ‥!

え、えええ!

「ここの席いいですか?」「あ、はい」


彼が あの彼が私に声をかけて 隣の席に

なんて素敵 ああああ!


自分の頬が赤くなってゆくのがわかる

ああ、どうしよう


「歴史の本がお好きなのですか?」

「あ、あの好きです それに大学のレポートで‥」


なんて素敵な声 うっとりしていまう


そうして会話が進んで 自販機のコーラまでおごってもらったり


ああ、このまま雨に閉じ込められて

二人きり

雨よ降れ‥なんてフレーズが頭の中をぐるぐると


「まだ雨降ってるね 大丈夫」「ええそうですね 傘を忘れてしまって」


「僕は傘があるから 駅かバス停まで送ろうか?

それとも近くならタクシーの停留所まで?」


「いいですか」「うん、かまわないよ」

「有難うございます」

一気に関係が‥ああ、なんて幸運 小さな声でその言葉、声が漏れてしまって


「ふふ、本当に幸運なのかな?」「え?」


ザーザーザアア 雨が降っている。 

「ぬれちゃうよ」「は、はい」

身体が近い 吐息が聞こえる。


雨よもっと降っていいから


「君の血 本当にいい匂い 僕くらくらしてしまう」

「はい?」


私の首筋に彼の顔が‥


カプ‥。


「あ‥」彼の口元には小さな牙 血が‥私の血にぬれて

彼の足元に崩れ去る私の身体


「ああ、美味しかった ありがとう うふふ」

綺麗な顔をした吸血鬼は微笑する。


雨の夕闇に紛れて彼の姿が消え去ったのだった。



 

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