第33話 変わらぬようで変わり始めた新たな生活

 翌日、祐樹と泉はいつも通り大学へと向かっていた。

 講義の教室に入り、友人である大輔と挨拶を交わす。


「はよーっす」

「おっすー。昨日は珍しく休んだ祐樹君」

「別にいーだろ? まだ本格的な講義始まってないんだからよ」

「まっ、それもそっか」


 そんな他愛のない会話をしてから、今度は右隣にいる青葉ちゃんへ声を掛ける。


「青葉ちゃんもおはよう」

「おはよう、祐樹君」


 一昨日の一件があって、ちょっぴりぎこちない雰囲気が漂うかと思いきや、青葉ちゃんは飄々としていた。

 どうやら、先日の件は青葉ちゃんの中では吹っ切れている様子で安心する。

 そして、祐樹は青葉ちゃんのさらに奥へ座る彼女へ挨拶を交わす。


「おはよう……泉」

「おはよう祐樹」


 相変わらずクールな態度で接してくる泉は、表情一つ変えることなく挨拶を交わしてくる。

 まさか、昨日大学をサボってまで、二人で愛の言葉を囁き合っていたなんて、誰も想像してないだろう。

 あれから、祐樹と香奈はお互いを確かめ合って、そのまま寝落ちした。

 起きた時には日が暮れていて、アルバイトに遅刻したのはご愛嬌。

 一日ぐらい、そんな日があってもいいだろう。

 きっとこれから、泉との生活は続いて行くのだから。


「そう言えば祐樹君聞いて! 大輔ってば酷いんだよ⁉」


 そこで、青葉ちゃんが大輔の愚痴をこぼし始めて、祐樹は話を聞いてあげることにする。

 祐樹が泉と付き合い始めたということは、いずれ言わなければならないだろう。

 けれど感づかれるまでは、二人だけが知っている秘密を独占していたいという気持ちもあって、泉も同じ意見みたいだ。


 これから、色々なことがあるかもしれないけど、祐樹は泉と始めた同棲生活を秘密にしつつ、これからもめいっぱい今を楽しもうと、心の中で決めたのである。


 ~完~


 新作を更新しました、良ければこちらも読んでいただければ幸いです。


『クラスで『アイドル』なVtuberの中の人と仲良くなった話』


 https://kakuyomu.jp/works/16817330669186775031

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節約のためにツンデレ巨乳美少女とルームシェア同棲始めました さばりん @c_sabarin

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