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禍原さんの百物語

禍原さんの百物語

木古おうみ

おすすめレビュー

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★★★
★152
53人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 青切
    976件の
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    ★★★ Excellent!!!

    すばらしい物語世界

     物語と小説のちがいは何だろうかと問われれば、「桃太郎」は物語だか、小説ではないと答えたい。
     「桃太郎」で、桃太郎やおじいさんの心理描写が描かれることはない。風景の描写はそもそもない場合が多いが、描かれたとしても、そこに何かしらの意味を込めることはない。
     ある意味、研ぎ澄まされているのだ。物(出来事)を語ること以外のすべてが削ぎ落とされている。本来、そういう物語は、幾人もの人を経て、磨かれるものだか、この作者は、ひとりで成し遂げている観がある。
     作品としては、星新一の最晩年のそれを連想させる筆致である。ただ、物を語る。その難しさに挑戦したおもしろさが、この作品にはある。

    • 2023年10月28日 15:02