わたしへ

なりた供物

わたしへ

2023年9月14日の、薬が切れて悶えている怠惰な人格さん、お元気ですか。

"わたし"は、元気ですよ。


今頃、何を考えていますか?コロナとか侵攻とかその他諸々の社会問題がありましたが、実の所自分は結局その辺りの舵取りができないと僻んでいましたよね?"わたし"は今大統領になって戦争も病気もない世界を創り出しました。


パチンコ大好きでしたよね?期待値的にはプラスだからと貯金をあまりせずに打っていましたが、結局自分が運の無い側である事、あなたはこの日まで気がつきませんでしたね。わかりますよ。文化としてのパチンコは"わたし"も好きです。ですが三店方式を廃止したらいつのまにか全部無くなっちゃいました。残念です。


夢とかもない…というよりかは、誰にも言えてませんね。あなたは結局この日まで、いや、この日も音楽、いやそれもボカロ曲を作りたいという夢を言えませんでした。結局あなたは怠惰なので最後までボカロPにはなれませんでしたが、なんか大統領にはなれたので1000億円補助金を出しました。今でも"わたし"はボカロ曲好きですよ。


友達もいませんでしたね。あなたは自分の精神的な"自分らしさ"に酷く頭を引っ張られて中学時代に周りに嫌われて不登校になります。それから人生の歯車は確実に狂い始めましたよね。小学校時代に頭の回転の速さだけで人一倍成果を出したせいで、努力する事をしないし人一倍記憶力も悪い、いや、そもそも努力という概念がいまいちわかっていない人間になってしまいましたね。その結果、あなたは衝動に抗えない人間になってしまいます。友達もいないわけですし家庭環境もよくないですから結局自分は"異端"で"社会不適合者"だ。と絶望してしまう訳ですよね。

わたしもあなたの未来を変えたいと思って衝動的にこの文章を送りつけているわけですから、本質は全く変わってません。ですが、少しコントロールするだけでうまくいきました。


結局あなたはこの9月14日に人生の絶望のピークを迎えている、わけです。


なんで自分を制御できないんだ。

なんで自分はこのままで満足してしまっているんだ。

なんで自分だけ"普通"じゃないんだ。

なんで自分だけ"周りに人生を監視されているような感覚"に襲われ続けているんだ。

なんで自分だけ、人格をコントロール仕切れずに、その場その場で人格の殴り合いを続けていて、結局楽な方にばかり向かってしまうんだ。と。思っているわけです。


実はこの日から好転し始めます。


自分の人格の1つに"天才的な人格"がいる事にあなたはたった今気が付きましたね。そうです。その"天才的な人格"にあなたは導かれて、なんだかんだで大統領になります。


まず私の中学時代のクラスメイトは全員撃ち殺しました。


結局"中学時代にうまくいかなかったから"人生の歯車が狂いだしたわけです。わたしの"天才的人格"は、それが原因で自分は社会の最下層に叩き落とされたんだ。全員殺せ。と言うわけです。もちろん天才的人格に身を委ねて全員撃ち殺しましたよ。


戦争を起こした人間も全て殺しました。戦争に参加している人間も全て殺しました。"天才的人格"は戦争なんて野蛮な事を起こそうとする人間は全員背後から撃ち殺して、そしてその殺した人間も実質戦争に加担している訳だから自殺するように兵士をマインドコントロールさせましょう。と言いました。最新AIの力を少々お借りしましたがAIも人格もとっても偉大です。戦争という概念をみんな一瞬、忘れました。


自分より賢い人間もムカつくので殺しました。だって自分が"強者側"に立っていたらこの劣等感に苛まれることはなかった訳です。なので自分より優秀な人間は殺しました。あ、ボカロPと神絵師は残しましたよ。"天才的人格"が残せって言ってましたし。まあ病気になるものなら残念ながら終身刑を言い渡しましたが。


こんな事してたらAIが歯向かってきました。しかし壊しました。

人間が歯向かってきました。殺しました。


"別人格"が歯向かってきました。殺しました。


こうして、今対峙している人格は、"わたし"と"天才的人格"なわけですが、結局今、殺されようとしているのは、"わたし"です。

"わたし"は今、最後の人間、いや最後の人格として生き残っています。

どうか、この呪いの連鎖を食い止めてほしい。


2023年9月14日のわたしへ。



この手紙が燃やされたら、全部終わり。


※この作品はフィクションです。

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