超短編集

サンタクロースの八百屋さん

「いらっしゃいませ〜！今日は大根が特売だよ〜！」

どんな街にも存在するよくある八百屋さん。

こんなありふれた八百屋さんに実はとんでもない秘密が存在する。

「おっ、お嬢ちゃん！今日もお母さんに代わっておつかいかい？」

「そう！ママのお手伝い頑張ったら、今年もみゆのところにサンタさん来てくれるって言われたから！」

「そうかい、そうかい。それは頑張らないとだね。ちなみにみゆちゃんは今年はサンタさんに何をお願いするんだい？」

「みゆはねー、シルバニアのお人形！最近新しく出た・・・」

「ラッコの家族のシリーズかい？」

「そうそう、それ！えりちゃんが新しく出てすぐ買って貰ってて凄い羨ましかったの！」

「そうだったのかい、みゆちゃんはこんなにお母さんの手伝い頑張ってるから、今年もサンタさんが来てくれること間違いないね。」

「ほんとー！？じゃあ早く家帰ってサンタさんへのお手紙書かなきゃ！」

「そうだね〜、じゃあ今日のお会計は1300円ね。」

「はい！ぴったりあるでしょ？」

「うん、ちょうど頂くね。気をつけて帰るんだよ〜！」

「ありがとおじちゃん！またね〜！」

「はいよ〜ってもういないや、、、いや〜今年はシルバニアのラッコの人形がほんと人気だね〜。」

そう、街によくある八百屋さんの正体は実はサンタクロースなのである。

クリスマスの時期が近づいてくるとこのように、どんなプレゼントが欲しいのか聞き出しているのである。

サンタクロースは子ども達をどんな時でも見守っているから、良い子で1年過ごしたかどうかはぜんぶお見通しなのである。