真に恐るべしは、人の心か

 ソロキャンプにやってきた友美が、怪異に巻き込まれて閉じ籠られてしまう。そしてそこにいる地縛霊達に襲われてしまう…という箱庭ホラー。

 この作品の恐ろしいところは地縛霊という怪異そのものではなく、その地縛霊が「人間」であるということ。ここにでもいそうな人が、ふとしたことで心に闇を宿してしまう。
 少し前まで一緒にキャンプファイアーした人たちが、翌日にその闇を剥き出して襲いかかってくる。先日見せた笑顔の裏に隠された刃。それこそが、この作品のホラー。
 そして友美は最後に……。

 人の心を丁寧に描く三浦作品ここにあり。後味の悪い(誉め言葉)ホラーを読みたいのならおすすめです。

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