真に恐るべしは、人の心か
- ★★★ Excellent!!!
ソロキャンプにやってきた友美が、怪異に巻き込まれて閉じ籠られてしまう。そしてそこにいる地縛霊達に襲われてしまう…という箱庭ホラー。
この作品の恐ろしいところは地縛霊という怪異そのものではなく、その地縛霊が「人間」であるということ。ここにでもいそうな人が、ふとしたことで心に闇を宿してしまう。
少し前まで一緒にキャンプファイアーした人たちが、翌日にその闇を剥き出して襲いかかってくる。先日見せた笑顔の裏に隠された刃。それこそが、この作品のホラー。
そして友美は最後に……。
人の心を丁寧に描く三浦作品ここにあり。後味の悪い(誉め言葉)ホラーを読みたいのならおすすめです。