少し大人な王道シンデレラストーリー

最初こそ苦しく、辛く悲しい痛みの表現が続きますが、それにより主人公のオトの境遇がよく分かります。

そして最初から世界を彩る、多彩で透き通るような繊細な描写。音楽が聞こえてきそうです。
目や耳を傾けて、静かな場所でじっくりと読みたい一作です。

独自の単語も多いのに、するすると読めるのは作り上げられた世界観がそれぞれの登場人物や物事に見事にマッチしているからだと思いました。

色の表現の豊かさにも目を惹かれます。

色彩豊かな表現は、まるで一本の映画を見ているような、そんな気分にさせてくれます。

きっと読者は主人公オトの幸せになるまでの瞬間を追いかけ、見届けたくなること間違いありません。