第18話 結末
俺達の周りからは人が引いて居なくなっていた。剣を抜いて構えるハクトと俺。
小さな魔法を展開する。
「ダークルーム」
部屋くらいの闇の空間を作る。
すると、焦ったように暴れだした。
「おぉ! 爆炎剣!」
ハクトの必殺剣技だが、ヒョロヒョロの剣筋では当たるわけがない。
床にぶつかった剣が爆発して轟音をあげる。
「爆炎剣!」
「爆炎剣!」
「爆炎剣!」
全て余裕を持って避けて剣を構える。
「こうやるんだよ。幻影剣」
前から行く幻影を見せて後ろから刺す剣技だ。それが見事に突き刺さった。
ダークルームを解除する。
悲鳴が上がった。ハクトが血を流して倒れていたからだ。
「残念でしたね。ハクトはレベルが足りないし、全く鍛錬がなっていませんよ?」
「クソガッ! おい! コイツ始末しろ!」
王子が大声でそう言うと黒い生き物集団がやってきた。
「丁度いい。ダークルーム」
王子と黒い集団を全てダークルームに入れる。これで被害は出ない。少し透過する。すると、周りの人達が見えるようになるのだ。
「公開処刑だな!」
レオン王子はもう吹っ切れたのだろうか。そう宣言する。自分が犯人だと認めたも同然だ。
俺は迫り来る黒いモノ達を切り捨てていく。
一人強敵が居た。
森でハクトと会った時着いてきていたやつだ。
「ダークアロー」
避けながらこちらに駆けてくる。
「しっ!」
横薙ぎの一撃を放つ。すると、その男はくるりとバク宙して避けたのだ。身軽なようだが、俺も負ける訳にはいかない。
体に魔力を纏わせる。
「スロウ」
この多重魔法はこの体の頭が並列思考を出来ることでできる芸当であった。
敵の動きが遅くなる。そこに剣を叩き込む。
────ガヅッ
小手か何かで防がれたようだ。だが、甘い。
クルリと回転してバックスピンキックを放つ。
「ごっふっ!」
効いたようだな。これは追撃だ!
渾身の魔力をのせた袈裟斬りを放つ。
バターの用に体を切り裂いていった。
「後はあんただけだぞ?」
「くっそ! 俺の計画が! クソガァァァァ!」
叫ぶとポケットから丸いものを出すと飲み込んだ。あれは、闇の宝玉だ。
「ウオオォォォォォォアアアアアアアア」
徐々に体の大きさが変わっていき腕は四本になり黒くなっていくはだ。口は化け物のように裂けて牙が生えている。
三メートルほどになったその化け物は雄叫びを上げながら駆けてきた。
「ウガァァァア!」
────ズガァァァンッ
振り下ろされた拳は床に突き刺さる。ダークルームに亀裂を入れる。
「スロウ」
デバフ魔法を掛けてみるが余り効かないようでものともせずにこちらに駆けてくる。
「ゴロズゥゥゥ!」
拳をまともに受けてしまった。
────ミシッ
体から嫌な音が聞こえてきた。
このままでは体と魔力が持たない。
一気に決めるしかない。
少し離れたところで構える。
「はぁぁぁぁ。幻影剣」
背中をとることに成功したが、剣が刺さらない。
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA」
笑っているその化け物はもうレオン王子の意識はないだろう。
これで終わらせる。
剣に闇の魔力を充填させていく。
もっともっと。
段々と剣が黒くなってきた。
もっともっと。
剣から闇の波動が滲みだした。
「ふうぅぅぅぅ。行くぞ」
引き絞った剣を力一杯突き刺し闇の力を爆発させる。
「奥義
爆発した闇の波動は化け物諸共木っ端微塵となり、中心にできたブラックホールのようなものが全てを吸収して消えていった。
こうして、俺のドタ恋クライマックスは終わりを迎えた。
ダークルームを解くと散乱する食器の破片や血の跡などを掃除して騒然としていた。
今回の出来事は沢山の目撃者が居たために王子がこれまでの事件の主犯として俺が処刑したということで処理された。
俺は国の英雄になった。
そして。
「エマ様、俺と結婚してください!」
「はい! 喜んで!」
こうして俺のドタ恋攻略は成功したのであった。
あぁ、サリアは許して欲しいと懇願されたが家を出した。
今はその辺の店番をしているらしい。
アルスもマーニーに告白して結婚した。
そして、末永く幸せに暮らしたんだ。
完
――――――――――
あとがき
短い話になってしまってすみませんでした!
ちょっと設計と技量が及ばなかったです。
すこしでも面白くしようとしたのですが、うまくできていたかは疑問です。
伏線を張って回収するような複雑な話は初めて挑戦して書いたので、難しかったです。
応援してくださった皆さん、最後まで読んでくれた皆さん、ありがとうございました!
ギャルゲーの裏ボスに転生!?~邪魔者は誰もいない!推しを攻略しよう!~ ゆる弥 @yuruya
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