第二章 障り
「また来たのか」
「私が斎藤先輩に言う
女性の斎藤先輩に思わず突っ込んだ。背が低くて、声が高い
「やっと書道部に扇風機が二台がついた」
「おめでとうございます。書道部に帰ってください」
「人口密度的に大変なんだ。
その青年は細かい作業は苦手なのに字は上手いと
「先輩って女の子でしたっけ」
「何を馬鹿なことを言っている関谷。私は生まれてからずっと女だ。それとも私に男性性を見出して、
「はいはい、
そんな分かり切ったことをなんで聞いたのか。
「どんな絵、描いてんの?
良い意味で言っているわけではないだろう。何に障るか明らかではないが、六番目の窓には触れてはいけないらしい。
「今日、クラスメイトが旧校舎に行くみたいです」
「
「ホントにそうですよ」
サボりにも限界あるから、またな。と、斎藤先輩は書道部に帰って行った。サボりの自覚あったのか。
「まだいたのか。そろそろ帰れ、今日は荒れないだろう」
お盆が来るのは大変面倒だ。美術室に入ることが出来なくなる。あれ、なんだかこういうことがあった気がする。
私は
「
「二番カルテットか」
「おかしなこというなー。三番トリオだって、なんで一つ減って一人増えてんだよ」
あ、そうだ。
背が高い
メガネの
頭がいい
私と同じ三組で名前三人同じで、人呼んでトリプルスリーだ。
なんでこんな勘違いしたんだろ。
「止めときなよ。旧校舎が
何十万に三人はたじろいだ。
だが、この中で最も学力の高い山田君が「今日は風が強い、石が当たって割れるかもしれない」と言い、二人はうなずいた。
「今日のミッションはこれだ」
田沼は校舎の陰に行き、
大量の小石だった。
「今回は六番目がどれほど
「あんたたち馬鹿だね」
「これだったら、大丈夫だろ」
「関谷も参加するか?」
「冗談言わないで、疲れたの。あんたたち
「その為に
馬鹿だ、それくらいレンタルでどうにかしろよ。
帰宅するとクーラーがついていない。
「お母さん、クーラーは?」
「電池が無くて、探しているの」
「前も言って無かった?」
「あると思ってたけど、無いのよ」
お父さんにメッセージ送るか。単三電池二本、
「ただいま、暑かった」
弟が帰って来た。
「何よ、今日涼しかったじゃない」
「
「勝ったの?」
「三回やったけど、三人でやったから誰が勝ったか分からないけど、みんな自分だっていうの」
馬鹿だな。その馬鹿さが女子にもあればもう少し楽しいだろうな。
「汗かいたから先に入る」
「私だって汗かいてるわよ」
しずくの落ちるほどの汗を見て、居間に置くのはためらわれた。
「先、
「やったぜ、じゃお先」
弟も中学入るまでは可愛かったのに。急に
弟が風呂から上がると、クーラーがない事に気づき、せっかく
夕方、お父さんは電池を買って帰ってきたのでクーラーは復活し、
「八月十日水曜日、本日関東平野は晴れでしたが、明日からは荒れそうです。
テレビのアナウンサーがそう言って、
「あなた、おばあちゃんの家大丈夫かしら」
「週末だからな、ちょっと電話を後で」
おばあちゃんの家に行かなくて済むならありがたいことはない。同年代の子どもは弟と違っていないし、絵を描いていたら
旧校舎の六番目の窓 ハナビシトモエ @sikasann
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