花の国、土の令嬢。

最初は感想をと思いましたが、おすすめしたいのでレビューにさせていただきます。

見てまず思ったのは「百合婚だ!先を越された!」です。すみません。
嫁コン百合は実際のところあるようですが、そちらはTS作品のようなので。
こちらが!嫁コンに百合婚で殴り込んだ初作品です!

しかしそこは重要ではありません。
何せまだ一話です。
それでもお勧めしたいのは、想像を掻き立てられる情景と、丁寧に書かれた主人公の人物像を見たからです。

三人称でゆっくりと描写されていて、一つ一つの場面が映像のように想像しやすいです。
その上さらに、行間が垣間見えます。

例えば、水。

季節は夏から残暑と見られますが、ご令嬢は陽射しの下で帽子も被らず土仕事。
しかし汗をかいた様子がない。
魔力はあるものの、花を育てるのにまだ水が出て来ません。

もちろん、私が完全に読み誤ってるだけで、何の意味もないのかもしれません。
ですが、カメラに映っていないところがあるような、そこが仄かに見えるような楽しさがあります。
そう思うくらいには、一つ一つの要素がきちんとくみ上げられています。あらすじも先まで見据えられておりますし、その場限りのものではないという期待感があります。

主人公についてもです。場所と、そして仲よくなっている相手。
主人公の有能さや人徳はこうした系統の作品ではよく描かれますが、ルツェリア嬢とその周囲には、直接的な言及以上のものが伺えます。
二話以降でそれが解かれていくのが、とても楽しみです。

加えて百合婚で、溺愛タグまで!今からわくわくしております。
前作から読ませていただいておりますが、本作も追いかけさせていただきます。