王国の騎士団から追われているのはキルヤ魔術学校の優秀な生徒、セフィ。治癒とサポートを得意とする白魔術に長けた彼女がなぜ追われているのかというところから、物語は始まる。
説明は言葉少なに、余韻を持たせながら物語の奥行きが広がっていく。WEB小説は数あれど、この感覚に出会えるご縁はわりと少ない。のめり込むように読んでいくと、いつしか物語は多くの「白」で溢れている。
頭の中で「白って200色あんねん」の名言が通り過ぎた。思わず笑ってしまいそうになるが、実際は白で綴られる物語の鮮やかさに圧倒されていた。それはセフィの髪の色であり、憧れの色であり、時には畏怖でもある。言葉の美しさを堪能しながら、気づけば最終話を迎えてしまった。
惜しむらくは、騎士団から追われる犯罪者になってしまったセフィを連れて逃げる少年サウェルとの恋路がコンテストの文字数制限によって阻まれてしまったこと!純粋無垢な箱入り娘セフィと、年若いながらも自身や他人の罪と向き合うことができるサウェルのやり取りは、自分自身もはっとさせられることが多い。明確な利害関係もなく、かといって仲間でもなかったはずの二人の関係値が最終話で大きく変わり、その続きも欲しくなってしまった。何より、セフィの記憶を巡る旅をまだまだ見ていたい。
造り込まれた世界観を押し付けることなく、読者を巧みに誘ってくれる良質なファンタジー。息も吐けない疾走感の中の丁寧さにぜひ酔い痴れてください。おススメです!
しょっぱなからいきなり追われてるヒロイン、セフィ。
彼女の逃避行中に突然現れた少年、サウェル。
二人の出逢いが物語をぐんぐん進めていきます。
息もつかせぬスピード活劇、魔術と魔道具が飛び交う迫力のアクション、魔術に関する壮大な古の歴史の秘密……と、異世界ものの魅力全開でお送りする、胸いっぱいにワクワクできるお話です。
とにかく、セフィがピュアでいじらしくて、いつも一生懸命で可愛らしい。
サウェルも真っすぐで頼りがいがあるけど初々しさもある好男子。
これは応援せずにはいられません。
この作者の作品はどれもすっきりと読みやすく、能力や世界に関する設定がしっかりと作られていて、キャラクターもけなげで一生懸命な子たちばかり。
作品レベルは文句なしに高いです!
「ちょっと何か読んでみようかな」という方、ぜひ本作品をお試しで開いてみてください。
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