心が汚れた日は、あの日を思い出して洗い流そう
- ★★★ Excellent!!!
好きになるとは、純粋無垢のままではいられないことを思い出させてくれる。
行きたくもなかった地方大学――きっとランクも低い――に来てしまった大学生の気持ちが、ありありと書かれているところに現実味を感じる。
方言が使われているところからも、生々しさを感じる。
成仏しそうになっていくと、だんだん味を感じなくなっていく描写がよかった。
未練とは汚れであり、生きている間は真っ白にならない。
死んだら漂白されてきれいになる。
だからこそ、汚れた布は戻らなくてもいい。
そう思えた葵は、大人になったのだろう。