心が汚れた日は、あの日を思い出して洗い流そう

好きになるとは、純粋無垢のままではいられないことを思い出させてくれる。

行きたくもなかった地方大学――きっとランクも低い――に来てしまった大学生の気持ちが、ありありと書かれているところに現実味を感じる。
方言が使われているところからも、生々しさを感じる。

成仏しそうになっていくと、だんだん味を感じなくなっていく描写がよかった。

未練とは汚れであり、生きている間は真っ白にならない。
死んだら漂白されてきれいになる。
だからこそ、汚れた布は戻らなくてもいい。
そう思えた葵は、大人になったのだろう。