第21話 ホラーにもジャンルがある。



 せっかくちょっとヒマがあるので、カクヨムコン参加中のホラーを13、4作ほど読んでみた。たくさん読むとなんか抽選で貰えるらしいし。だからって、じゃがりこやアイスをどうやって配る気だろう? 各家庭に配送するなら宅配費用のほうがかかりそう。電子クーポンみたいな感じでコンビニ行くと無料で貰えるとか?

(*゚0゚)ハッ そんなことはどうでもいいんだった。

「ここまでなら読める」と思うとこまでしか読んでないので、1〜5話ていど。二作品は継続的にその続きも読んでみたいと思った。ただし、どちらも連作短編だったので、区切りのいいとこで、いったん退却。


 カクヨムコンランキング(長編ホラー)の上位から、タイトルの気になったやつを中心に読んだんだけど……申しわけない。連作短編の二作品以外は、最後まで読んでみたいと思ったのがなかったよ。そもそも事件が起こるとこまで行きつけなかった。感じたのは、エブリの最恐大賞に応募された作品のほうが総じて怖いなと。

 じつは、第6回の最恐(タイトル変わっちゃったけど)の応募作も、夏にたくさん読んでたんですよ。気になったタイトルのやつだけな上、後半追いつけなくなったけど。そのときは完結まで読んだり、公開されてる最終話まで、あるいはその近くまでは読んだやつが、わりと何作もあった。そのなかの一作は特集に選ばれたっけ。


 あ、待って、待って。だからって、カクヨムの書き手さんのほうが下手だと言ってるわけじゃない。これは前々から、カクヨムコンのホラー部門受賞作を見て感じてはいたことだったけど、カクヨムで求められてるホラーって、エンタメホラーなんですよね。純粋に怖いホラーじゃない。あ、書籍化作品読んだわけじゃないから誤解なきよう言っとくと、タイトルやキャッチから想像しただけです。ほんとは読んだらめっちゃ怖いかもです。ごめんなさい。

 ただ、カクヨムコンホラーは「実話怪談いりません」とハッキリ謳ってるくらいなので、エンタメ性高いのがお好きなんだなぁと勝手に思ったまでです。受賞作をけなしてるわけじゃないので、あしからず。


 じゃあ、それで、ホラーってどんなジャンルがあって、どういうのがより怖いのかなっていう、考察ですよね。僕の大好きなw


 1、実話怪談。実話風ふくむ。

 おのずと知れた実話の怖い話。あるいは、実話のていのフィクション。小説では連作短編集になることが多い。長い実話って難しいので。稲川淳二風とか言われるタイプですね。ちょっと不思議系とか、人怖系もあるが、断然、霊の話が多い。

(自作で言うと『辻浦文緒のパラレルで受難な日々』『かーくんの怖い話』)


 2、因習、村ホラー。和風ホラー。

 1をふまえて、実話っぽい流れで、日本の孤島や田舎に残る古い因習に関する怪談長編。昔の怨念とか、その村にだけ残る禁忌的な宗教とか。話の中心となる位置に怖い霊や神様がいる。登場人物の多くが死ぬ。

(自作では『犬咬み』『異空人』『空蝉』)


 3、村や僻地ではない場所で起こる現代のホラー。たとえば学校の怪談や、霊は出ないが連続殺人やサイコパス、人怖をあつかったミステリーホラー。これもまだ実話風。舞台が村じゃなくなっただけ。2、3は都市伝説形態も多い。有名なきさらぎ駅とか。

(自作では『愛しの青髭』)


 4、見える人系。退魔、祓い屋。霊媒師など。

 ここからいっきに実話味は薄れ、エンタメ度高まる。(実話エンタメ度半々くらいか)ほんとに起こりえるような展開より、派手に調伏するのが主体に。対象は霊だったり、悪魔だったり、鬼だったり、妖怪だったり。退魔用の武器を使用することも多い。ただし、起こる事件じたいは、わりとシリアスで怖め。キャラクター中心でバディ物が多い。キャラホラーってことで、なかには祓えないけど見えるとかあり。

(自作では『宇宙は青蘭の夢をみる』)


 5、あやかし物。

 ホラー要素はほぼなくなる。退魔師役に人外や神様、あやかし、またはそれらの力を借りた特殊な人間が出てくる。陰陽師とか。なんなら、それらのあやかしと主役の恋愛がからむ。4をマイルドにしたジャンル。昔、『神様、はじめました』ってマンガあったなぁ。


 6、ほのぼのホラー。

 5をさらにマイルドにした感じで、怖くないオバケが出てきて、人間と暮らしたり、恋愛したり、ほかの事件を協力しあって解決したりする。5のあやかしがオバケ限定になったやつと言ってもいい。


 7、デスゲーム、ゾンビパニックなど、その他エンタメホラー。

 足す要素によって、怖くもほのぼのにもできるので、この位置だけど、たいていは怖さ度で言えば4と同等くらい。エンタメ性がきわめて高い。

(はいはい。屍喰鬼ゲームですねぇ)


 だいたいこんな感じじゃないですかね? 上ほど怖さ重視。下へ行くほどエンタメ重視。自作品をあてこんでみたら、見事に5、6だけないのが趣味出てるなぁと。


 で、このとき、エブリの最恐応募作は、圧倒的に1〜3あたりが多いんですよ。とくに2、因習系。大賞受賞作のほとんどが、2か3ですしね。

 ところが、これがカクヨムコンになると、上位作品のほとんどが4の退魔系。または、ゾンビパニック系。デスゲームも目につく。エンタメ中心のホラーなんです。


 なので、僕は最恐応募作のほうが全体に怖い気がしたけど、これはまあ好みの問題ですよね。エンタメ、バトル、エロなど男性読者が好む要素が前面に出てるカクヨム。書き手に男が多いせいもあるのかも?

 というか、カクヨムでは男性読者が多いから、ランキングでエンタメホラーが上に来やすいのかな? 下のほうさぐってみたら、めちゃくちゃ怖いのひそんでたりして?


 同じホラーのイベントでも、サイトによって集まる作品が違うんだなってのは面白いです。

 ひと口にホラーコンテストって言っても、サイトによって求められる傾向は違う。なろうはカクヨムに近い感じがした。そこらへん書きわけて出すといいですねぇ。

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