「僕」と「君」そしてお月さま。毎日変化していく月、さまざまな顔を見せる月を「僕」は「君」と眺め、その美しさに目を奪われながら、同時に「君」の横顔や後ろ姿にもそっと目をむけます。たった十七文字のなかに余韻ただようドラマが広がっています。今宵の月を愛でつつ、一句また一句とゆっくり味わっていただきたい作品です。
毎夜、当たり前に空に浮かぶ月。月を見上げたくなる人の願いは様々で。また、天から誰にでも同じように降る月光を、受け取る人の心も。様々な場所で、様々な人々が、その月の光に想いを寄せます。作者様の繊細な表現と、その後に広がるエピソードが月光と相まって秋の夜を味わい深いものにします。月の美しい秋の夜に、是非読んで頂きたい句集です。
月の色は独特です。あの、怜悧な色は、見つめていると、吸い込まれそう…そんな感覚をよびさまされます。
月があり、それを見上げる人がいる。 その眼差しに込められた想いは、月が様々な姿を見せてくれるように様々です。 時に切なく、甘く、儚く。五七五という短い文字数から、奥行きのある人生の物語を描き出す、表現力の豊かさ。素晴らしいです。 じっくり読んだ後、ふっと月を眺めたくなる。 そんな、素敵な俳句集です。
新たな視点の作品で、こういう世界観もありだなと気付かされました。新たな創作意欲が降りそうです。